ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

iPhone 3G UAEでの発売は延期に

2008年06月11日 23時56分16秒 | ICT
米アップルが新型iPhone、7月11日世界発売へ(読売新聞) - goo ニュース

ガジェット好きの私としては、かなりそそられるものがある。7月11日に日本ではソフトバンクが発売することになったiPhone 3G。このiPhone 3GのUAEでの販売が暗礁に乗り上げている。アップルから排他的販売権を得たエティサラットの申請に通信規制庁(TRA)が待ったをかけたからだ。

その理由が興味深い。排他的販売は独占と同様、通信分野の競争法(competition law)に違反するというのだ。この国に競争法なるものが存在したとは初耳だ。通信事業者といえばエティサラットとduしかなく、その2社間の競争も、携帯電話事業者が激しい競争を繰り広げる日本から来た駐在員の目からは馴れ合いにしかみえない。

UAEでもSIMロックがかけられた端末がないわけではない。例えば、エティサラットが販売しているブラックベリーがそうだし、3.5Gのデータカードもそうで、duのSIMカードを挿しても使えない。なにゆえiPhoneだけエティサラットだけでなくduも販売できなければ反競争的でNGなのか、首をかしげざるを得ない。それだけiPhoneの市場支配力が大きいとみているのだろうか。

年内にiPhone 3Gが発売される予定の世界71ケ国中、アラブ諸国は、エジプト、ヨルダンそしてカタールの3ケ国のみという。ヨルダンではオレンジが、エジプトとカタールではボーダフォンが独占的に販売するとのこと。

アップルのビジネスモデルは今のところ判然としないが、2万円程度といわれる端末料金からは、端末料金を通信料金で回収するという、かつての日本の1円端末のビジネスモデルを思い起こさせる。もしそうであれば、独自の進化を遂げた日本の携帯電話市場でiPhoneが受け入れられるかという問題の他に、日本の通信事業者が決別しようとしているビジネスモデルが実は世界でも通用するかという興味深い実験になりそうだ。

[6月14日追記]旧型iPhoneは、ドバイ・ショッピング・フェスティバルの頃に、UAEでも発売されている。シャラフDGでチェックしたところ、2880ディルハム(約8万5千円)で売られていた。これにはSIMロックがかかっていない。

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