ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

インド独立記念日

2007年08月15日 21時17分10秒 | 時事
日本では終戦記念日の8月15日が、インドの独立記念日にあたることを初めて知った。事務所のインド人社員もいつになくうきうきしている様子で、当地では1時からが普通の昼休みを12時に早め、事務所の近所にあるカフェテリアでインド料理をおごってもらうことにする。南インドのベジタリアン料理を出すこの店は今日は大繁盛の様子で、床にところ狭しとケータリング用に白いポリ袋に入れられた料理が並べてある。

ランチを食べながら、インド人社員にインドの独立に至る経緯について聞く。インド独立に寄与したものとして、日本人にはガンジーの非暴力主義が有名だ。彼によれば、非暴力の抵抗運動だけでなく列車爆破など暴力に訴える抵抗運動もあったという。また、最終的にインドが英国から独立できたのは、英国が搾取すべきものが何もないほど貧しくなってしまったからだという。英国は商人(trader)以上のものではなく、何一つ優れたものを生み出していないと手厳しい。私が、あなたが好きなクリケットは英国人の発明ではないかと言って、初めて笑顔を見せた。

インドではこの日は国民の祝日にあたり、国旗を掲揚し、家族や親戚が集まって会食をするのが習いだそうだ。地方によっては、凧揚げをするところもあるらしい。日本では終戦記念日を祝うのかと聞かれたので、いやいや今日は日本人が(戦争について)反省をする(reflect)日で、もちろんお祝いなんかしやしない、と答える。とっさのことで、「戦没者の霊を慰め、反戦の誓いを新たにする日」という政治家が使いそうな表現は思いつかなかった。

午後、お客様訪問のため事務所を出る時、受付のインド人女性に「ハッピー・インディペンデンス・デー(独立記念日おめでとう)」と言ってみる。「サンキュー」、白い歯を見せて彼女が笑った。

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