cozy-corner:藤田浩司(ふじたこうじ)のblog

ラテン系ドラマー、またあるときはピアニストのマルチミュージシャン藤田浩司(Koji Fujita)が送る、日々の記録

続・太鼓考察「気になる芸能グループの紹介」 19 julio 2003

2003-07-19 | 演奏のコツ
> 腰からバチの先まで一本のヒモ、緊張のない状態
> これを体感できたら気持ちいいだろうなあと思います。

 もしかして歌にも通じるのではないですか?息の流れ方とか・・。一息で歌う間の、発声の始まり方から終わり方までの一連の流れ・・。なんて。



> 日本全国、藤田さんおすすめのお祭り、お囃子が
> ありましたら教えて下さい。

 伝統芸能や組太鼓等まで含めてお答えしますね。
 鹿児島の霧島神宮で元日に演奏される「霧島九面太鼓」・・は特に印象に残ってます。ビジュアル系のハシリです。
 また島根県安来市の「安来節」はアメリカの友達といったらいつまでもマネしていました。ダンスに強烈なインパクト! 
 新しいグループで、週末などにいつ行っても見られるのが伊勢おはらい町の太鼓。
 そしてまだ行った事ありませんが、秩父太鼓は面白そうです。解説のVTRが出ています。
 逆に期待していたのに、?だったのが能登輪島市の「御陣乗太鼓」。石川県というのは佐渡と共に和太鼓の一大拠点との事で、ものすごく期待して見に行ったのですが・・。もしかして、たまたま見た日のメンバーが良くなかったのかも知れません。一度きりでしたので。
 何を見たというわけでもないですが、以前奄美の島々を訪ねた時には、毎日夕方になるとどこからともなく沖縄音楽のような響きが聞こえてきて、ああ伝統が息づいているんだな、と感動しました。そこにはキューバの街と同じ匂いを感じました。
 青森のねぶたも日本で一番激しいと聞いて行ってみましたが・・私の見た時には、踊っている人よりむしろ列をなしてぞろぞろ歩く姿が目に付きました。長いスティックを振り回す太鼓は迫力があったように思います。いずれにしても道を走り回る勇壮な「ねぶた」自体を鑑賞するのは趣ありますよ。
 プロの和太鼓グループでは、「鼓童」はもちろん良いですが、ベネズエラにいたときにたまたま見た「天邪鬼」は良かったです。あとは東北中心に和太鼓や尺八を取り入れたアンサンブルで活動するグループ「和美東(わびとう)」なんか良かったです。なんだかお祭り、お囃子と離れてきてしまいましたが「和モノ」という事で。
それでは。
藤田浩司

藤田浩司-koji fujita-
DrumStudio LA FIESTA

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太鼓考察 17 julio 2003

2003-07-17 | 演奏のコツ
 つい先日太鼓演奏についてメールをやりとりしました。ここを訪ねて下さる皆様にも興味ある話題かと思い、抜粋してみました。

> 祭り囃子は血で叩けるんですね。

 お囃子のリズムって、習ってもいないのに口ずさめたりしませんか?
いや、もちろん専門家のように美しく叩くのには修練が必要ですよ。
ただ、そのリズムはいつの間にか私たちの体の中に取り込まれているものかな・・と思っています。


藤田浩司-koji fujita-
DrumStudio LA FIESTA

> 上手な人の小太鼓はキレ!がいいんです。
> シンプルなリズムのくり返しなのに違うんですよね。
> 体全体にリズムが入っているように感じます。
> どうしたらそうなれるんでしょう。

 おっしゃるように体全体を使ってリズムを表現しているのでしょう。感じているリズムを表現するときに、腰を起点として、からだ、腕、そしてバチの先までを一本のヒモになぞらえて鞭打ちするように体が使えると良いリズムが出てくるように思います。腰からのエネルギーがバチの先まで巡っていく感じで。からだのどこかに緊張があると、そのラインが止まってしまうのですが。良い動作のヒントって色々な場面にありますよね。波の伝わる様とか、精度の良い機械とか。例えば自動車のタイヤの軸に寸分のブレもないから無駄なくその駆動力が伝わるとか。その事は叩く動作で言えば、バチを持つ接点も含めて各関節(動作の軸)がブレないように操作出来ないと力がうまく伝わらないという辺りに通じると思うのですけれど。
 打楽器は鏡を見て練習すると効果的ですよ。打楽器は動作の結果が音として表現されるので、見える部分でその質を判断し易いかと思います。
 

> 子供達にテンツクテンテンテケツクテンテンで教えて、
> 叩けるんですけどノリが今一つという感じがします。

 楽譜にかけるようなリズムをコピーするだけでなく、演奏が上手な人の持っている、音のテンションや叩く動作までもコピーするとノリも変わってくると思いますよ。
あとは音楽を「楽しむ」気持ちが、「ノリ」には一番重要だと思っていますけれど、そういった事柄は教えづらいですよね。具体的でないので。

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CUBAキューバから帰って参りました。16 julio 2003

2003-07-16 | CUBA!
 今回のキューバ、はからずも初めから終わりまでまったくのルンバ漬けとなりました。毎日現地のミュージシャンとルンバのセッションをして、振り返ってみればライブで聴くのもルンバが多かったように思います。

 サンチアゴ・デ・クーバで気になったグループをあげてみましょう。

「バレッ・フォルクロリコ・デ・オリエンテ」・・・前回は聴く機会がなかったのですが、今回グループのパーカッショニスト、エミリオ・ロドリゲス氏と親しくなりサンチアゴにいる間は毎日のようにセッションを重ねました。人々の話では「クトゥンバ」と共に当地を代表する伝統音楽集団との事でした。

「Banda XL」・・・ここはハバナか、と見まごう華麗なティンバサウンド。サンチアゴのバンドでドラムを見たのはここと、あとは「オルケスタ・グルーポ・チェピン」だけでした。

「ルンバチェ」・・・純粋にルンバのみを演奏するグループ。ロス・ムニェキートス・デ・マタンサスと血縁関係があるそうです。一緒に演奏もさせていただきました。

「セプテート・サンチアゲロ」・・・今回数多く見たソンを演奏するグループの中でも抜きんでたサウンドを聴かせていただきました。トランペットと解け合う男性コーラスが絶品。もちろんノリも。
 素晴らしいグループ目白押しの中で、以上の4つは特に印象に残りました。しかし他にもトゥンバ・フランセサの家で聴いた純粋なトゥンバ・フランセサ、サンチアゴ最終日に街へ繰り出したカーニバルの列(流血の事態も!)、つい名前を聞きそびれ続けている素晴らしいバタのグループの演奏(メンバーとセッションも度々しているのに)、いつもお世話になっているキューバ最古のFOCO、カラバリのリズムetc...と素晴らしい音楽には枚挙にいとまがありません。

 ハバナではもう何回目かになりますが、ハメル通りのルンバやヨルバ・アンダボ、チャランガ・フォエバーなどの演奏を聴くことが出来ました。

 バハマの首都ナッソーでは当地のカーニバルのパレード「ジャンカヌー」を見る事が出来ました。6月は毎土曜日午後にパレードが走ります。後は年末年始の数日だけみたいです(こちらは本当のお祭り)。また今年はバハマ独立30周年にあたるためか、独立記念日当日(7月10日)にパレードが走ると、現地の情報誌に載ってました。
 ジャンカヌーは打楽器とブラスバンドによって演奏されます。ホイッスルの多用、中に打ち鳴らすための「ベロ」のついたカウベルを振って16ビートを刻む、また3連ぽく訛るベースドラム、に特徴があり、相当にファンキーなビートでした。衣装もファンキーです。

 また今回、非常に残念なことにピアニスト、ヘスス・ルバルカバ氏が他界されていた事を知りました。4月21日。特別に仲の良い友人でした。よく冗談を言い合っていた事を思い出します。ニューアルバム録音後突然に、だったそうです。まだ48歳でした。氏のご冥福をお祈り申し上げます。
 
 それからアトランタは悪い街ではありませんでした。会う人会う人、とても親切で。アトランタの人がいかに親切だったか、一例を挙げましょう。私がインターネットで予約したホテル、ウェブ上の地図で示したあった所在地が間違っており(皆さん気を付けて下さい)、ウェブリンク先地図上のホテル所在地と実際の位置とが高速を車で走って30分くらい離れているというアクシデントがありましたが、地図上の所在地で近くの人に訪ねたら、なんとその人は私たちをホテルまで車を走らせて連れていってくれました。なかなかありえないことです。

 音楽とは全然関係ありませんが、途中立ち寄った夕暮れ時のバラデロ海岸で見た、イルカが群れをなして弧を描き泳ぐ様は幻想的でした。
 また、飛行機の接続の問題で仕方なく寄った(笑)ナッソーで潜り(例により素潜り)、たくさんの魚を見ました。ケーブルビーチというところです。珊瑚は少なかったです。またサンチアゴのシボネイ海岸へも半日だけ立ち寄りました。こちらも魚が多く、しかし、珊瑚は少な目でした。カリブ最大面積を誇る大リゾート地、バラデロは遠浅砂浜海岸で、ただ泳ぐには良いところですが、魚はとても少ない感じです。一日ツアーで沖の方の島に渡ればすごいのでしょうけれど。しかしバラデロの閑静なことは他のカリブリゾートとは比べられません。そして街は静かですが、求めれば大規模なキャバレー、生バンドのディスコ、刺激的な Jazzのライブハウス、またあちこちのレストランでソンの生演奏を聴くことが出来ます。また、手頃で美味しいレストランが揃っている事においてキューバ国内では群を抜いているかと思います。
 またバラデロで知り合ったファミリー(マタンサス州コロン市に住む)の話によると「グァマ」海岸はバラデロよりさらに美しいそうです。興味をそそられます。

藤田浩司-koji fujita-
DrumStudio LA FIESTA

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