碧梧桐を見に伊丹に
金澤ひろあき
河東碧梧桐の書を見に伊丹へ行きました。昔、酒造りで財をなした岡田屋さんが、俳人の資料を集め、柿衞文庫というコレクションとなりました。それが今、市立伊丹ミュージアムの所蔵となっているのです。俳書のコレクションで有名です。
今回の碧梧桐展は、碧梧桐の書と句が大好きな書家・石川九楊氏のお持ちの物を中心に公開されています。
中国の唐の時代に楷書が成立するのですが、それ以前の六朝風の字などで書かれています。そしてまた、バランスが絶妙。字に感情があり、生きて動いているかのようなのです。情景が鮮やかに浮かび上がるのです。
大きな屏風に、
雪散る青空の又た此頃の空
君を待たしたよ桜散る中をあるく 碧
の二句がお出迎え。
初期の代表作
赤い椿白い椿と落ちにけり
もあります。これは私自身、中学校の国語の教科書で出会った初めての碧梧桐でした。
天下の句見守りおはす忌日かな
これは、師であった正岡子規を讃える句。
鮎をきゝに一ト走り小女の崖下りてゆく
これは三行書きで、本当に上から下へ、一人の女が崖のくねり道を駆け下りてゆくような趣。
明るくて桃の花に菜種挿しそふる
これは一幅の絵画。明るい情景が多いな。碧梧桐の天性は明るいのかもしれません。
けっこう多くの人が見に来ています。
還暦(コトシ)元旦(ハル)を雑煮(モチ)とし融けて粟餅のそれ
ルビ句は今の俳人には不評なのですが、見に来ている人には好評です。
「ルビの読みに気持ちがこめられているのが、よくわかります。」
そう、すなおに読めばいいんだ。
ちなみに見に来ていた人(女性)の声。
「碧梧桐の書は、楽しくてかわいい。」
※原句は変体仮名を使い、「に」を「尓」と書いたりですが、ここでは現代仮名に直しています。
金澤ひろあき
河東碧梧桐の書を見に伊丹へ行きました。昔、酒造りで財をなした岡田屋さんが、俳人の資料を集め、柿衞文庫というコレクションとなりました。それが今、市立伊丹ミュージアムの所蔵となっているのです。俳書のコレクションで有名です。
今回の碧梧桐展は、碧梧桐の書と句が大好きな書家・石川九楊氏のお持ちの物を中心に公開されています。
中国の唐の時代に楷書が成立するのですが、それ以前の六朝風の字などで書かれています。そしてまた、バランスが絶妙。字に感情があり、生きて動いているかのようなのです。情景が鮮やかに浮かび上がるのです。
大きな屏風に、
雪散る青空の又た此頃の空
君を待たしたよ桜散る中をあるく 碧
の二句がお出迎え。
初期の代表作
赤い椿白い椿と落ちにけり
もあります。これは私自身、中学校の国語の教科書で出会った初めての碧梧桐でした。
天下の句見守りおはす忌日かな
これは、師であった正岡子規を讃える句。
鮎をきゝに一ト走り小女の崖下りてゆく
これは三行書きで、本当に上から下へ、一人の女が崖のくねり道を駆け下りてゆくような趣。
明るくて桃の花に菜種挿しそふる
これは一幅の絵画。明るい情景が多いな。碧梧桐の天性は明るいのかもしれません。
けっこう多くの人が見に来ています。
還暦(コトシ)元旦(ハル)を雑煮(モチ)とし融けて粟餅のそれ
ルビ句は今の俳人には不評なのですが、見に来ている人には好評です。
「ルビの読みに気持ちがこめられているのが、よくわかります。」
そう、すなおに読めばいいんだ。
ちなみに見に来ていた人(女性)の声。
「碧梧桐の書は、楽しくてかわいい。」
※原句は変体仮名を使い、「に」を「尓」と書いたりですが、ここでは現代仮名に直しています。