京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

碧梧桐を見に伊丹に

2024-03-19 15:43:53 | 俳句
碧梧桐を見に伊丹に
               金澤ひろあき
 河東碧梧桐の書を見に伊丹へ行きました。昔、酒造りで財をなした岡田屋さんが、俳人の資料を集め、柿衞文庫というコレクションとなりました。それが今、市立伊丹ミュージアムの所蔵となっているのです。俳書のコレクションで有名です。
 今回の碧梧桐展は、碧梧桐の書と句が大好きな書家・石川九楊氏のお持ちの物を中心に公開されています。
 中国の唐の時代に楷書が成立するのですが、それ以前の六朝風の字などで書かれています。そしてまた、バランスが絶妙。字に感情があり、生きて動いているかのようなのです。情景が鮮やかに浮かび上がるのです。
 大きな屏風に、
 雪散る青空の又た此頃の空
 君を待たしたよ桜散る中をあるく 碧
の二句がお出迎え。
 初期の代表作
 赤い椿白い椿と落ちにけり
もあります。これは私自身、中学校の国語の教科書で出会った初めての碧梧桐でした。
 天下の句見守りおはす忌日かな
 これは、師であった正岡子規を讃える句。
 鮎をきゝに一ト走り小女の崖下りてゆく
 これは三行書きで、本当に上から下へ、一人の女が崖のくねり道を駆け下りてゆくような趣。
 明るくて桃の花に菜種挿しそふる
 これは一幅の絵画。明るい情景が多いな。碧梧桐の天性は明るいのかもしれません。
 けっこう多くの人が見に来ています。
 還暦(コトシ)元旦(ハル)を雑煮(モチ)とし融けて粟餅のそれ
 ルビ句は今の俳人には不評なのですが、見に来ている人には好評です。
「ルビの読みに気持ちがこめられているのが、よくわかります。」
 そう、すなおに読めばいいんだ。
 ちなみに見に来ていた人(女性)の声。
「碧梧桐の書は、楽しくてかわいい。」
※原句は変体仮名を使い、「に」を「尓」と書いたりですが、ここでは現代仮名に直しています。

フリー句(自由連句)「いろいろなもの」の巻

2024-03-19 08:06:49 | 俳句
フリー句(自由連句)「いろいろなもの」の巻
いろいろなものを解凍しているバレンタイン 金澤ひろあき
氷河からウイルス襲来温暖化        青島巡紅
今世紀住めない土地が広がって       ひろあき
国内の空家問題未解決           巡紅
誰も居ぬ庭で留守番夏みかん        ひろあき
夜いない母の代わりに子犬抱く       巡紅
月を背にデッサンをした帰り道       ひろあき
蜃気楼オアシスはまだ起き上がる      巡紅
おままごと日永ひねもす付き合えば     ひろあき
器物にも魂宿るとお婆さん         巡紅
髮伸びて行く人形の御開帳         ひろあき
待たすのは悪いと御前立ちの観音様     巡紅
行列の人の頭の上に蝶           ひろあき
花アブと蜜蜂の飛ぶ桜の木         巡紅
生類みんな恋歌う頃            ひろあき
送る側送られる側未来見る         巡紅
たんぽぽのわたバックパッカー       ひろあき
豊作の予祝となれ花の宴          巡紅
おんぼろの寮を出ないで勝訴する (京大吉田寮) ひろあき
影になる花には花の色香あり        巡紅
利休の茶室春を惜しんで          ひろあき
春よ春別れと出会のラプソディ       巡紅