私の自転車。ロードタイプの自転車、変速機等はシマノ製ということだけは分かっているのだが、その他は全く不明。出会いは、もう20年くらい前になる。当時、このマンションは購入していたが、まだ住んでいなかった。そして、毎週土曜日には換気のため、窓を開けに来て、近所を散策していた。
私は、この八王子に来て少しして、車で自宅に帰る途中で、一台の自転車が売りに出されているのを見て、「えっ!」を思い、車をバックさせ、自転車を再度確認した。9000円で自転車が帰るのか?それもロードタイプ、錆等もなく、ミヤタの自転車だった。自転車に疎い私でも、ミヤタが自転車メーカーとしては比較的知られていることは知っていた。早速、その自転車を購入して乗り出すことになった。息子が塾通いするようになり、夕方、息子が自転車で出かけ、塾が終わること私は車で迎えに行っていた。普通、自転車を車に乗せるときって、結構重く、乗せるのに若干苦労するのだが、ロードタイプに自転車はとにかく軽いのが特徴で、当時乗っていたマークⅡのステーションワゴンに乗せるときにも、そんなに苦労しなくても、さっと乗せることができた。これは便利な自転車だと改めて思った次第だ。
それから一度市の中心部の方に引越しをしたのだが、引越しの当日、自転車を鍵も掛けずに入り口付近に置いていたら、翌日には自転車が消えていた。この悔しかったこと今でも覚えている。
そんなこんなで、自転車が欲しいと思いつつ、時々自転車屋を除いて物色していたのだが、前の自転車のように9000円前後でというのは無理な話だ。なかなか手頃な自転車が見つからないまま、妻のママチャリで我慢していた。ある時、マンションの換気に出かけ、換気中に自転車屋を除いたら、古ぼけてだれも見向きもしないような自転車が飾って?あった。店主の爺に、「この自転車幾らで譲ってくれる?」と聞いてみたら、これは売り物ではない。息子と一緒に乗ろうと思って、部品を集めて自分で作った自転車だと言う。フレームの色も、煤けたピンク色、趣味も良くなさそうだ。ただ、天邪鬼な私は、幾らなら売ってくれる?と、しつこく聞くと、「それじゃ、18000円なら売るよ!」と言う。こんなぼろ自転車が18000円かよ、前の8000円の自転車と比べると、その差は歴然としていた。
店主の爺が自ら作ったということに、何か惹かれたんだろうと思うが、買うことにした。これが今の自転車との出会いだった。その爺は80歳近いと見え、その爺が息子と乗るために作ったというのだから、相当昔の話なのだろう。恐らく私が購入した時点で既に15年、20年は経過していたことになるのだろう。それ以来、ずっとこの自転車と20年近く付き合っていることになる。途中で、塗装したり、サドルを変えたり、ハンドルを変えたりして、今に至っている。
ロードレーサータイプの場合、タイヤがチュウブラータイヤのため、一般の自転車屋ではタイヤが変えない。それに加えて、タイヤが細いため、縁石に乗り上げたり、石ころを踏んだりしたら、すぐにパンクしてしまうため、とても面倒くさい自転車なのだ。自転車専門店に出向いて、タイヤを買わないいけないため、しばらくパンクしたまま、放置していた時期もあった。それでも捨てられなかったのは、自転車屋の爺のエピソードが頭から離れなかったからだと思う。長年持っていると、愛着が湧くもので、たまには油を付けて錆びないように手入れしている。
こんな自転車なのだが、最近、街中でもとても便利なことがあることに気付いた。駐輪場では、自転車が混んでいると、ハンドルが重なり合ってしまって、出し入れに苦労することがあるのだが、この自転車は、軽いので、上に持ち上げて出し入れできてしまうということだ。最近は、特に腰の調子が悪く、歩くのが辛いので、雨の降っていないときは自転車で出かけることが多くなっており、非常に便利に使っている。