今日の朝日新聞の一面で、外国人実習生が半年で5000人も失踪していたと報じている。こんなに多くの外国人が行方が分らなくなってしまっていることは非常に問題だと思う。失踪した人たちは、失踪後、不法滞在者となり、不法就労を続けることになる。なぜ、そんなに多くの人が失踪してしまうのか?これは、外国人実習制度自体に大きな問題があるということだろう。実習とは名ばかりで、実は、安い労働力を確保するのが一番の目的、だから、実習という名目で働かせ、賃金も最低賃金を大きく下回る。そして、いわゆる3Kと言われるような職種に、この制度を使う業種が多いようだ。
だいたい実習生になる人の多くは日本で働いて金を貯めて家族に送金したいという目的で来日していることが多いようだ。その辺に外国人実習生を受け入れる業者と実習生との間に、大きなギャップがある。失踪する外国人実習生は、失踪後には、不安定な就労に明け暮れすることになり、ひいては日本の治安にも影響しかねない。これは非常に大きな問題だろう。
外国人労働者を受け入れるなら受け入れるで、しっかりとして制度設計を行い、社会保障も整備して、正規の労働者として受け入れるべきだろう。詐欺まがいの制度は即刻廃止して、新たに、きちんとした体制を整備する必要があるのではないだろうか?
また、もう一つの問題として、日本の技術の海外流出ということが挙げられる。真面目に実習に取り組んでいる実習生は、日本の技術を学び、そして、母国に帰ってその技術の普及に努めるだろう。これは良いことだと思うが、逆に、日本のこれまで培ってきた高い技術力が海外に流出してしまうという問題点を孕んでいる。これを野放しにして、好き勝手に技術が流出してしまったのでは、日本の売りがなくなってしまうという不安がどうしても残る。どこまで技術を外国に普及させ、ここから先は門外不出という線引きをしっかり行っておくべきだろうと思う。