近年、小さいお子さんの精神病が、増えています。
そういう場合、ふつうは、投薬の種類や量を調節して
観察するというのが、基本治療のようなんですが、
時々、こんなにたくさん薬、飲まなくちゃいけないの?なんて思うこともしばしば。
先日は、まさに小児の精神病患者のオンパレードでした。
ケースその1
8歳の男の子。
注意欠陥多動傷害(ADHD)、自閉症(AUTISM)、そして躁うつ病の既往あり。
主訴は、眠れない、食事を取らなくなったというもので、
なんと、まる二日寝ていない。
飲んでいる薬は、なんと
risperidone (抗精神病薬),
seroquel, (抗精神病薬)
depakote ER (抗てんかん薬)
concerta (ADHD治療薬)
それに、benadryl(アレルギー治療薬)も・・・
お薬だけで、おなかがいっぱいになるから 食事がすすまないんじゃないの??
ケースその2
10歳の男の子。
ADHD、自閉症の既往あり。
主訴は 膀胱尿管逆流を調べるため 検査に行った帰り
突然 ひきつけを起こしたというもの。ひきつけの既往は過去にない。
自閉症とひきつけはよく見るコンボです。
約3割が 思春期に初めて原因不明のひきつけを起こす、なんてスタディもあるくらいですから。
覚えておきましょう。
彼は、血液検査と脳のCTをとりましたが、ネガティブでした。
ケースその3
9歳の男の子。
なんか、今日はみんな男の子ですねぇ。
ADHD、自閉症、そして躁うつ病の既往あり。
飲んでいるお薬は、
methylphenidate patch (ADHD治療薬の貼り薬)
melatonin (メラトニン)
主訴は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これがな、なんと!
「シリアルを、食べたい」と言ったら、お母さんが
「もう食事したんだから、あとにしなさい」、と言ったそうなんです。
そうしたら、その子、台所の引き出しから果物ナイフを持ち出し、
お母さんを、ナイフで刺そうとしたそうなんです。
そして、「自分の中に、悪魔が住んでいる!」
と、ここのところ 繰り返しているらしいんですね。
この間も、幼い妹の首にナイフをつきつけたそうで・・・
この患者さんは、まっすぐ精神科の小児病棟に行っていただきました。
私の手には負えませんから。