pride and vainglory -澪標のpostmortem(ブリッジ用語です)-

初歩の文書分析と論理学モドキ(メモ)

空の翳り Postlude

2021-03-09 08:19:37 | Λαβύρινθος
 何時の間にか、明け方がもう間近なようだ。携帯の着信音がFairwell FairwellではなくPavaneになっている。この時間に私が起きている事を知っているの結城さんしかいない。
 
 「おはようございます。ご連絡とお願いです。先日頂いた、第一部の草稿と第二部のシノプシス。ダメでした。編集長からの伝言です。”うちは文芸出版社じゃない、その代わりと言う訳ではないが、昔担当だったころ草稿を見た覚えがある三部作の仕掛品。第一部と第二部を逆にしてみてはどうか?そうした方が第三部が書きやすくなるはず。それならすぐにも連載したい。契約も第三部まで含めてのオファーにする”。ボクは良いと思ったんですが、残念です。編集長の依頼にはどう応えておきましょうか。」
 ふむ、確かに逆にする手はある。
 「考えてみる事にする。そう答えておいてくますか?」
 「承知いたしました。どんな作品ですか?」
 「出すことに決めたら、担当の君にまず読んで貰うよ。」
 「ああそれから、”木枯らしの吹く前に”絵本大賞おめでとうございます。こちらも続きが読みたいのですが・・・」
 妙なところで弱気だ。
 「こちらは、絵を描いてくれる人がもういないし、別の人に頼むことはないからね。テキストの方は出来ているので、散文詩形式で出すかも知れない。」
 「楽しみにしています。では。」
 今しがた書き上げたはずの、童話の続編のタイムスタンプをみて驚いた。48時間前。私はどこを彷徨っていたのだろう。
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