木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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黄金長方形にしておけば大丈夫

2008年04月08日 | 黄金比など(コツツボ)
<黄金長方形と対数螺旋とオオムガイ>


◆黄金長方形にしておけば大丈夫
263:【デザインのコツ・デザインのツボ 100連発!】第63発 デザインワーク


 こんにちは!「工業デザイン相談室」木全(キマタ)です。デザイナーの実像・デザイナーとの付合い方・デザイナーとのトラブル回避法など書いていきます。御相談がありましたら、コメントをくださいね。

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最近よく使われる黄金長方形

 黄金比白銀比の話題は、アクセスが多く皆さんご興味があるようですので、もう少しそのあたりの話を続けてみようと思います。今回は黄金長方形の話題です。


 黄金長方形といっても、金塊のような黄金でできた長方形ではありません。縦と横の長さの比率が黄金比(1:1.618…)になっている長方形のことを特別に黄金長方形と呼びます。

 これはデザイン用語ではなく数学用語です。

 以前、人にとってわかりやすい形は丸・三角・四角であり、中でも人は丸と四角が好きだと書きました。丸は縦横比に関係なく、丸ですが、四角は縦横比を変えると無数のバリエーションがあります。では、その中で人がもっとも好きな四角は何かと考えていったときに、どうやら縦横比が黄金比の四角がもっとも美しいと考えられ、それを黄金長方形と呼ぶようになりました。

 今まで黄金長方形はどちらかと言うと美学的な命題だったのですが、工業デザインの世界で最近また、注目を浴びています。

 というのも、コンピュータ化が進み、製品の外観が内部機構に全く左右されず、どんな形でも自由にできるようになってきたため、反って、どんな形にしていいのかその根拠を見失ってしまったからです。

 デジタルカメラがその好例です。フィルム式カメラの外観はフィルムとパトローネのサイズに制約されていました。しかし、デジタルカメラにはその制約が全くありません。正方形でも丸でも三角でも作れてしまいます。

 では、本当に身近に置いて手に収まる製品としてもっとも馴染む形とは何かと考えていったときに、黄金長方形に落ち着いてきたようです。以前新聞に、富士フィルムのデジカメのデザイナーが、意識的に黄金長方形を使っていると書いてありました。


黄金長方形は美しいのか?

 さてでは、黄金長方形は美しいと言えるのでしょうか?

 実は、上の図のように、黄金長方形の特徴のひとつに、短辺を一辺とした正方形で分割すると、残った長方形はまた黄金長方形になるという性質があります。

 この循環は永遠に続けることができ、このようなことができるのは、黄金長方形だけです。そして、この図は「対数らせん」にぴったりと一致します。

 対数らせんとは、渦巻き星雲・台風・ヒマワリの種の配列・オウムガイや巻貝の成長曲線など、自然界のいたるところに存在するらせんです。その特徴は、その一部を切り取って拡大しても元の曲線と一致するところにあります。

 オウムガイが殻を追加しながら、相似形のまま成長できるのは、殻の形が対数らせんだからです。対数らせんは無限の成長を保障してくれるのです。これは数学的には「自己相似性」と言われ、自然と共に生きてきた人類は、無機物の結晶の美しさよりも、成長してゆく有機物の自己相似的な形に愛着を覚え、そんな対数らせんを内包している黄金長方形に人は根源的な美しさを感じるのではないか、といわれています。



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