<写真>ダ・ヴィンチの人体図
◆寸法について その1
210:【デザインのコツ・デザインのツボ100連発!】第10発 商品企画
こんにちは!
「工業デザイン相談室」の木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。
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記事の目次
デザイン相談室の目次 デザインの考え方と運用について
デザインのコツ・ツボの目次 商品企画とデザインワークについて
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■いろいろな寸法
商品を製造する際には、さまざまな寸法が必要になります。寸法は物作りの基本です。あまりに当たり前すぎて、普段はあまり気にしていないかも知れません。でも、一度見直して、それらの寸法の合理性を再検討すると、コストダウンなどに結びつくかも知れませんよ。
寸法には、大きく分けて次のようなものがあります。
【1】人間工学的寸法(エルゴノミクス)
【2】生産性寸法
【3】輸送寸法
【4】業界的寸法
【5】デザイン的寸法
ひとつずつ簡単に、確認していきましょう。
【1】人間工学的寸法(エルゴノミクス)
人が使うものは、人の寸法に合わせて作らなければ、使いやすくなりません。人間工学というのは、人の特性に合わせた物作りをするということです。
特に、「エルゴノミクス」と言った場合、人の身体特性に注目しており、「身体計測学」とほとんど同義と考えていい、と思います。キーボードのキーピッチ、机の高さ、椅子の作りなど、ほとんどの業界で人間工学的寸法は標準化されています。たまには、あらためてJISなど紐解いてみると、新しい発見があるかも。
【2】生産性寸法
材料にも、決まった寸法があります。ネジも、メトリック(メートルネジ)やユニファイ(インチネジ)などの規格がありますね。外観デザインの面から見ると、射出成型なら成形機のトン数・金型のサイズ、板金なら圧延鋼板のサイズなどで、製品のサイズ・分割などに制約が出てきます。
製品デザインをする際に、与件として生産性にかかわる情報があれば、スムーズに生産移管することができます。デザインはいいのに、部材取りが出来ないなどということは避けたいものです。
【3】輸送寸法
完成した商品を工場からお客様の手元に届くまでに、どのような輸送手段で、どんな経路を通るのか、把握しておく必要があります。最近は、物流も細分化していろいろなサービスが出てきていますが、それらのサービスにも寸法の制約があります。そのような寸法まで考慮に入れることで、トータルなコスト削減につながります。
【4】業界的寸法
それぞれの業界で、独特の寸法があります。たとえば、真珠の業界では、珠の大きさはミリメートル(mm)、珠をつないだネックレスの長さはインチ(inch)、珠の重さは匁(もんめ)だそうです。
自分の業界で当たり前のことが、他では通用しないこともありますし、その当たり前の寸法を、他の業界の尺度で見直してみると、新たな発想が得られるかもしれません。
また、新しい市場に参入するときは、その業界の寸法体系を十分に調べておく必要があります。寸法は業界の基本です。知らないと、相手にさえされない可能性もあります。
人間工学的寸法、生産性寸法、輸送寸法、業界的寸法、それぞれについて簡単に確認してきましたが、いかがでしたか?
最後の【5】デザイン的寸法については、次回です。
他にも、いろいろな寸法の話をしています。よろしければ、是非ご覧ください。
1) 寸法について(寸法/1) 【←今回はこの説明です】
2) 黄金比について(寸法/2)
3) メートル法について(寸法/3)
4) 標準数について(寸法/4)
5) モジュール寸法について(寸法/5)
6) フィボナッチ数・白銀比(寸法/6)
7) デザインと個性(寸法/番外)
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寸法には、大きく分けて次のようなものがあります。
【1】人間工学的寸法(エルゴノミクス)
【2】生産性寸法
【3】輸送寸法
【4】業界的寸法
【5】デザイン的寸法
ひとつずつ簡単に、確認していきましょう。
【1】人間工学的寸法(エルゴノミクス)
人が使うものは、人の寸法に合わせて作らなければ、使いやすくなりません。人間工学というのは、人の特性に合わせた物作りをするということです。
特に、「エルゴノミクス」と言った場合、人の身体特性に注目しており、「身体計測学」とほとんど同義と考えていい、と思います。キーボードのキーピッチ、机の高さ、椅子の作りなど、ほとんどの業界で人間工学的寸法は標準化されています。たまには、あらためてJISなど紐解いてみると、新しい発見があるかも。
【2】生産性寸法
材料にも、決まった寸法があります。ネジも、メトリック(メートルネジ)やユニファイ(インチネジ)などの規格がありますね。外観デザインの面から見ると、射出成型なら成形機のトン数・金型のサイズ、板金なら圧延鋼板のサイズなどで、製品のサイズ・分割などに制約が出てきます。
製品デザインをする際に、与件として生産性にかかわる情報があれば、スムーズに生産移管することができます。デザインはいいのに、部材取りが出来ないなどということは避けたいものです。
【3】輸送寸法
完成した商品を工場からお客様の手元に届くまでに、どのような輸送手段で、どんな経路を通るのか、把握しておく必要があります。最近は、物流も細分化していろいろなサービスが出てきていますが、それらのサービスにも寸法の制約があります。そのような寸法まで考慮に入れることで、トータルなコスト削減につながります。
【4】業界的寸法
それぞれの業界で、独特の寸法があります。たとえば、真珠の業界では、珠の大きさはミリメートル(mm)、珠をつないだネックレスの長さはインチ(inch)、珠の重さは匁(もんめ)だそうです。
自分の業界で当たり前のことが、他では通用しないこともありますし、その当たり前の寸法を、他の業界の尺度で見直してみると、新たな発想が得られるかもしれません。
また、新しい市場に参入するときは、その業界の寸法体系を十分に調べておく必要があります。寸法は業界の基本です。知らないと、相手にさえされない可能性もあります。
人間工学的寸法、生産性寸法、輸送寸法、業界的寸法、それぞれについて簡単に確認してきましたが、いかがでしたか?
最後の【5】デザイン的寸法については、次回です。
他にも、いろいろな寸法の話をしています。よろしければ、是非ご覧ください。
1) 寸法について(寸法/1) 【←今回はこの説明です】
2) 黄金比について(寸法/2)
3) メートル法について(寸法/3)
4) 標準数について(寸法/4)
5) モジュール寸法について(寸法/5)
6) フィボナッチ数・白銀比(寸法/6)
7) デザインと個性(寸法/番外)
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