木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

中小企業のデザインのお悩み、なんでもご相談ください!!

三分割法

2008年04月22日 | 黄金比など(コツツボ)
<「ライオン狩り」ドラクロワ 1858年>


◆黄金分割
265:【デザインのコツ・デザインのツボ 100連発!】第65発 デザインワーク


 こんにちは!「工業デザイン相談室」木全(キマタ)です。デザイナーの実像・デザイナーとの付合い方・デザイナーとのトラブル回避法など書いていきます。御相談がありましたら、コメントをくださいね。

 新書「デザインにひそむ<美しさ>の法則」(第2版)好評発売中

 「売れる商品デザインの法則」3月1日重版発売 好評発売中

 記事の目次
 デザイン相談室の目次    デザインの考え方と運用について
 デザインのコツ・ツボの目次 商品企画とデザインワークについて

 人気blogランキングへ


三分割法

 このブログで、コンスタントにアクセスを頂いているのは、黄金比白銀比の話です。このところ、続けて、それらに関するお話をしています。

 黄金比(1:1.618…)は、線や面を分割する黄金分割に使われたり、長方形の縦横比に使われている(黄金長方形)という話をしてきました。

 今回は、黄金比にまつわる話の締めくくりとして、三分割法についてお話しようと思います。


 ルネッサンス期に絵画でいろいろな幾何学的な構図が研究されましたが、その一つにいまでも生き残っている法則があります。

 「三分の一の法則」とか「三分割法」などと呼ばれ、絵画、とくに油絵を習ったことのある方には、比較的馴染みのある法則です。画面の上下左右を三分割して仮想の四個の交点を作り、画面内の主要な要素を四個の交点のいずれかに置くと、適度な動きを伴ったバランスの良い作品ができあがるというものです。

 この法則の要点は、構図をアシンメトリー(非対称)にすることで、画面に変化と動きを出して、見る人の気を引こうとするところです。従って、画面上に同程度の要素が二つか三つある場合に有効です。ホームページ作成の教科書には必ず出てくる法則です。

 要素が一つしかない場合にも三分割法は使えますが、一つの要素を特に強調したい場合は、画面を九分割せず、中心線を使い、シンメトリー(左右対称)を意識したほうが上手くいきます。例えば、肖像画を描くときは、画面の中心に縦線を引き、その線の下から三分の二のところに片目がくるようにレイアウトすると落ち着いた構図になると言われています。


三分割法の使い方

 工業デザインではあまり使われることのない法則ですが、最近、製品デザインにはGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)も含まれてきていますので、平面デザインの技法も必要です。

 GUIとは、液晶などの操作誘導画面のデザイン設計のことです。製品の外観デザインをするにしても、重要な要素である液晶画面がどんなデザインになるのか、どうしたらいいのかまで考えないと完成度の高いデザインはできません。画面のGUIが、動きのあるアシンメトリーな三分割法でデザインされているにもかかわらず、本体がシンメトリーな形をしていたら、きっと違和感があるでしょう。

 あまり難しいことは言わなくても、三分割法は、写真を取るときや、撮った画像をトリミングしたり、年賀状などにレイアウトする際など、日常でも応用可能な法則ですので、知っておいて損はないと思います。


 実をいうと、この三分割法も、黄金比に基づいています。

 三分の二<0.6666…>は、黄金比<0.618…>とほぼ同じで、画面を三等分した比率は、黄金比に近い。三分割法は、画面を黄金比で分割した構図の簡易版になっています。この法則は四百年以上にわたって絵画の構図の基本になっており、黄金比の根の深さを教えてくれます。


 新書「デザインにひそむ<美しさ>の法則」 好評発売中 

 「売れる商品デザインの法則」 好評発売中!

 デザイン相談室の目次    デザインの考え方と運用について
 デザインのコツ・ツボの目次 商品企画とデザインワークについて

 人気blogランキングへ



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。