<白いWiiと黒いPS3>
◆重く感じる色と軽く感じる色
273:【デザインのコツ・デザインのツボ 100連発!】第73発 デザインワーク
こんにちは!
「工業デザイン相談室」の木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。
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記事の目次
デザイン相談室の目次 デザインの考え方と運用について
デザインのコツ・ツボの目次 商品企画とデザインワークについて
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■造形の構成原理
最近、黄金比に絡む話やシンメトリーの話を取りとめもなくしていますが、それは、私が思いついたままに書いているだけで、このようなデザインの基本は学問的には、しっかりと体系化されています。
以前、拙ブログでも造形の構成原理という話を書いたのですが、これは筑波大学の三井秀樹教授がまとめられたものです。この表は造形要素の普遍的な分類と考えていいと思います。
造形の構成原理の表によれば、下に並べたような黄金比など、線や面などの分割に係わる原理は「造形の秩序」-「コントラスト」-「プロポーション」-「ディビジョン(分割)」に含まれています。
黄金比
黄金分割
黄金長方形の作図
黄金長方形にしておけば大丈夫
営業で使える黄金比
三分割法
フィボナッチ数
標準数
白銀比
白銀長方形の作図
正方形と整数分割
以下のシンメトリーの原理は、造形の構成原理の表では「造形の秩序」-「コントラスト」-「シンメトリー」に含まれています。
左右対称(鏡映)
回転対称
平行移動
自己相似性
自己相似性
アシンメトリー(左右非対称)
■造形の6要素
こんな感じで、造形の秩序に係わる話は、けっこうしてきたのですが、造形の元来の要素である「造形の6要素」、すなわち、「形・色・素材・質感・運動・光」については、あまり書いてきませんでした。
形の基本は丸・三角・四角
立体の基本
動的な形と静的な形
というわけで、しばらくの間、「形・色・素材・質感・運動・光」の話をしてみようと思います。でも、行き当たりばったりでまた取り留めなくなってしまうかもしれませんが、そのあたりはご容赦ください。
なにか、質問がありましたら、いつでもコメントください。ブログ上でのコメントへの回答は無料で行っております(笑)。
今回は、色についてのお話です。
■重く感じる色と軽く感じる色
製品のイメージを伝える上で、「色」はとても重要な要素です。人はどんな色の服を着ているかでその人の個性まで感じ取ってしまいます。
そして、色は形よりも先に認識されます。企業のロゴマークで形を忘れても色のイメージだけは覚えていると言うこともたまに経験することだと思います。製品のイメージを決める上で色の選択は重要です。
特にカラーバリエーションのない製品の場合、色がその製品のイメージを決めてしまう場合も多いです。
食欲を誘う赤や黄色、気分を落ち着かせる淡い青など、色はいろいろな機能を持っていますが、製品に適用する場合には、色の持つ体感重量(重く感じる色と軽く感じる色)や前進色・後退色や膨張色・収縮色などが良く使われます。
白や黄色のような明るい色は軽く感じ、茶色や黒のような暗い色は重く感じます。最近の引越し用段ボールが白くなっているのは、荷物を軽く感じさせ作業効率を上げるためだといわれています。
また、彩度の高い赤や黄色のような目立つ色は、大きく見えたり(膨張色)、背景色の中から浮かび上がっているように見えますし(前進色)、灰色や彩度の低い淡い色は小さく見えたり(収縮色)周りの色より後ろに下がって見えます(後退色)。
このように、色とイメージに関する研究は科学的に研究されており、開発者の好みではなく、色は科学的・論理的に決めるべきものです。
上の写真でも、プレイステーション3は、ゲーム機を越えた高性能を表現するために漆黒のボディで重量感を演出していますし、Wiiは真っ白なボディの軽いイメージで、高性能さよりもゲーム機としての親近感が持てるようにしています。差別化と言うよりも、製品自体に込めた考え方(コンセプト)を色で表現しているのです。
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◆重く感じる色と軽く感じる色
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■造形の構成原理
最近、黄金比に絡む話やシンメトリーの話を取りとめもなくしていますが、それは、私が思いついたままに書いているだけで、このようなデザインの基本は学問的には、しっかりと体系化されています。
以前、拙ブログでも造形の構成原理という話を書いたのですが、これは筑波大学の三井秀樹教授がまとめられたものです。この表は造形要素の普遍的な分類と考えていいと思います。
造形の構成原理の表によれば、下に並べたような黄金比など、線や面などの分割に係わる原理は「造形の秩序」-「コントラスト」-「プロポーション」-「ディビジョン(分割)」に含まれています。
黄金比
黄金分割
黄金長方形の作図
黄金長方形にしておけば大丈夫
営業で使える黄金比
三分割法
フィボナッチ数
標準数
白銀比
白銀長方形の作図
正方形と整数分割
以下のシンメトリーの原理は、造形の構成原理の表では「造形の秩序」-「コントラスト」-「シンメトリー」に含まれています。
左右対称(鏡映)
回転対称
平行移動
自己相似性
自己相似性
アシンメトリー(左右非対称)
■造形の6要素
こんな感じで、造形の秩序に係わる話は、けっこうしてきたのですが、造形の元来の要素である「造形の6要素」、すなわち、「形・色・素材・質感・運動・光」については、あまり書いてきませんでした。
形の基本は丸・三角・四角
立体の基本
動的な形と静的な形
というわけで、しばらくの間、「形・色・素材・質感・運動・光」の話をしてみようと思います。でも、行き当たりばったりでまた取り留めなくなってしまうかもしれませんが、そのあたりはご容赦ください。
なにか、質問がありましたら、いつでもコメントください。ブログ上でのコメントへの回答は無料で行っております(笑)。
今回は、色についてのお話です。
■重く感じる色と軽く感じる色
製品のイメージを伝える上で、「色」はとても重要な要素です。人はどんな色の服を着ているかでその人の個性まで感じ取ってしまいます。
そして、色は形よりも先に認識されます。企業のロゴマークで形を忘れても色のイメージだけは覚えていると言うこともたまに経験することだと思います。製品のイメージを決める上で色の選択は重要です。
特にカラーバリエーションのない製品の場合、色がその製品のイメージを決めてしまう場合も多いです。
食欲を誘う赤や黄色、気分を落ち着かせる淡い青など、色はいろいろな機能を持っていますが、製品に適用する場合には、色の持つ体感重量(重く感じる色と軽く感じる色)や前進色・後退色や膨張色・収縮色などが良く使われます。
白や黄色のような明るい色は軽く感じ、茶色や黒のような暗い色は重く感じます。最近の引越し用段ボールが白くなっているのは、荷物を軽く感じさせ作業効率を上げるためだといわれています。
また、彩度の高い赤や黄色のような目立つ色は、大きく見えたり(膨張色)、背景色の中から浮かび上がっているように見えますし(前進色)、灰色や彩度の低い淡い色は小さく見えたり(収縮色)周りの色より後ろに下がって見えます(後退色)。
このように、色とイメージに関する研究は科学的に研究されており、開発者の好みではなく、色は科学的・論理的に決めるべきものです。
上の写真でも、プレイステーション3は、ゲーム機を越えた高性能を表現するために漆黒のボディで重量感を演出していますし、Wiiは真っ白なボディの軽いイメージで、高性能さよりもゲーム機としての親近感が持てるようにしています。差別化と言うよりも、製品自体に込めた考え方(コンセプト)を色で表現しているのです。
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