木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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稜線の除変

2008年10月14日 | 角RやC面(コツツボ)
<均一角Rの稜線(上) 徐変Rの稜線(下)>


◆稜線の除変(稜線処理)
277:【デザインのコツ・デザインのツボ 100連発!】第77発 デザインワーク


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 「工業デザイン相談室」木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。

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稜線の除変

 稜線全体に同一の角RC面だけをつけた形は、端正な落ち着いたイメージになりますが、強い方向性や大きな動きは感じません。

 動的な形と静的な形の説明をしたときに、製品の形で「方向性」を表すことができ、方向性のある形は人に動きを感じさせ、その動的な感じが速そうだったり精悍そうだったりというイメージを喚起させるという話をしましたが、その方向性を稜線処理で強調することができます。

 そのような処理を「稜線の徐変」といいます。稜線の断面形状を徐々に変化させていくという意味です。

 図を見ていただければその効果は一目瞭然だと思います。上の図のように稜線に均一に角Rをつけた場合と下の図の徐変Rをつけた場合では、まったく表情が変わって見えます。

 自動車のキャラクターラインにはよく「稜線の徐変」が使われます。キャラクターラインの幅や角度を徐変させ、車自体の動的な形を力強く強調しています。

 また、図のように徐変は、静的な形に方向性やシャープさを与えることもできます。

 図のように角Rの大きさを変化させるだけではなく、稜線の徐変は、様々な組み合わせができます。3DCADにより、手書き図面で表現し切れなかった徐変稜線が可能になり、最近手の込んだ徐変をよく見かけるようになりました。

 自動車のディテールは徐変稜線ばかりです。角Rの大きさを変化させる、C面の幅や角度を変化させる、稜線を平面に溶け込ませる、など様々な手法でスピード感を演出しています。


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