ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

多摩都市モノレールに付けられた多摩130周年

2023年10月25日 00時00分00秒 | 写真

多摩都市モノレールの多摩センター駅です。1111Fに付けられたヘッドマークが気になりました。

 「多摩130th since 1893」というヘッドマークが付けられていました。多摩市が市制施行した日から130年が経っている訳がないので、どういう意味かと考えました。

 130周年というのは、多摩地域の30市町村(現在の数です)が神奈川県から東京府(東京都)に移管されてから130周年であるという意味でした。

 この辺りについては、廃藩置県に遡ってみる必要があります。話が複雑になりますが、これは仕方のないことでしょう。

 1867年、府藩県三治制が行われた際に、多摩郡は神奈川県の他、品川県、韮山県に分割されました。1871年には廃藩置県が行われ、多摩郡のうち、現在の中野区および杉並区に該当する地域は東京府に移されますが、その他の地域は神奈川県に移されます(その後の歴史も含めて、実際はもう少し複雑であるようですが、簡略化しています)。その後に郡が設置されて、北多摩郡、西多摩郡および南多摩郡は神奈川県に、東多摩郡は東京都となりました。ここまでは「多摩東京移管130周年!」(https://www.tama-100.or.jp/cmsfiles/contents/0000001/1233/No116(2023.05)2-3.pdf)によりますが、その文書に書かれていない神奈川県側の事情もあるようで、一説には神奈川県のほうが県内の政治状況もあって多摩郡の東京府への移管に積極的であったとか。ともあれ、1893年、衆議院に東京府と神奈川県の境域変更に関する政府案が提出され、衆議院および貴族院を通過して北多摩郡、西多摩郡および南多摩郡は神奈川県から東京府へ移管されます。東京府にとっては、東京市の水道改良事業のために多摩地域の編入が必要であったということのようです。


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