ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

10月7日の「基本法学概論B」で出題した問題

2024年10月09日 01時00分00秒 | 法学(法律学)ノート

 タイトルに示した講義において、次のような問題を出題しました。

 「代理と代表との違いについて述べなさい。」

 あくまでも法律学の問題です。法学の教科書、法律学辞典などを参照してください。

 ※※※※※※※※※※

 まず、代理について記しておきます。

 代理とは、本人Aと一定の関係にある代理人Bが、Aのために意思表示をすることにより、その効果を直接Aに帰属させる制度です(民法第99条第1項)。Bは自ら意思表示をして相手方Cと取引を行いますが、その取引の効果はBではなく、Aに帰属します。当然ですが、AとBは別人格です。

 これに対し、代表とは、法人(法人格を有するもの)の一機関であって法人(法人格を有するもの)と別個の地位を持たないものです。代表の例として、株式会社の代表取締役、財団法人の理事をあげることができます。代表取締役、理事のいずれも法人の機関ですから、法人と異なる法人格ではないのです。

 以上については、民法の教科書を参照してください。私は、我妻栄・有泉亨・清水誠・田山輝明『我妻・有泉コンメンタール民法総則・物権・債権』〔第8版〕(日本評論社、2022年)151頁、我妻栄・有泉亨・川井健・鎌田薫『民法1総則・物権法』〔第4版〕(勁草書房、2021年)151頁を参照しました。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 行政法の演習問題を掲載して... | トップ | 懐かしのスカイライン2000GT »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

法学(法律学)ノート」カテゴリの最新記事