ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

大分市の明屋(はるや)書店セントポルタ店が来年3月1日に閉店する

2015年12月18日 07時36分02秒 | 日記・エッセイ・コラム

 朝日新聞社のサイトに、大分版の記事として「大分)明屋書店のセントポルタ店、閉店へ ネットが影響」(http://www.asahi.com/articles/ASHDC3R7BHDCTPJB00W.html)が掲載されていました。今日(2015年12月18日)の3時付です。

 明屋(はるや)書店は、愛媛県は松山市に本拠を置く会社ですが、九州では大分県と福岡県豊前地方に多く、私も大分大学時代にはいくつかの店に行ったことがあります。

 セントポルタ店は1977年3月に開店したということなので、約39年間の営業期間ということになります。私が大分大学に在職していた時に改築をしており、2階建てを3階建てにしたのですが、時代の流れということなのでしょうか。ちなみに、建物は明屋書店の自社ビルであるとのことです。

 記事では、閉店の理由がいくつかあげられています。

 第一に、書籍のインターネット販売が普及したことです。

 第二に、郊外に大型商業施設が次々とできたことです。ただ、これが書店の存続にどこまで関わるかは疑問です。明屋書店の場合、既に羽屋店や宗方店を閉めていますが、どちらも郊外にあります。また、大分市の場合、郊外には他に明林堂書店、ブックス豊後などがありますが、品揃えといえば明屋書店でした。また、私が大分市に住んでいた頃には、県内で最も大きな書店といえば中央町にある大分フォーラスの中のジュンク堂書店でして、そこが一番お客が多かったと記憶しています。

 第三に、これが今後の都市のあり方に関わる重大な理由であると思われるのですが、駅ナカが東京だけの話でないということです。数年前に大分駅の高架化が完成し、今年の4月に大分駅ビルが開業しました。そこには紀伊國屋書店アミュプラザ大分店が入居しています(以前から、中心部より離れた明野に大分店があります)。また、昨年秋には府内町のトキハ本店の中にリブロが開店しています(以前、大分パルコにありましたので、大分市には再出店ということになります)。影響は大きかったものと思われます。

 閉店はやむをえないとしても、今後が問題でしょう。セントポルタ中央町は、大分市の中心部にあるアーケード商店街の一つです。もう一つが、セントポルタと交差するガレリア竹町で、大分市内で最も古い商店街なのですが、私の大分大学時代には空洞化が進み、シャッター通りの名に相応しい状態でした。セントポルタ中央町のほうはそこまで進んでいなかったのですが、今はどうでしょうか。リズムレコードが閉店し、サティが閉店し、……どういう状態でしょう。中心街の衰退は、郊外型大規模商業施設の展開が理由としてあげられてきましたが、現在は郊外も頭打ち状態になっているようです(大分市の現況はよくわかりませんが)。そうすると中心街が見直されることになるのでしょうが、今度は市の代表駅の駅ビル化、駅ナカですから、強力な競争相手ということになるでしょう。

 ただ、大分市のような場所では、鉄道の利用客がそれほど多いとも思えません。大分駅は、勿論大分県内で最も利用客の多い駅ですが、2014年度の一日平均乗車人員は17406人にすぎません。首都圏のJR東日本でなら第何位くらいでしょうか。100位がさいたま新都心駅で43667人です。大分駅のデータに最も近いのは横浜線の八王子みなみ野駅で、17435人です(府中本町のほうが少ないのは意外に思われます)。

 もっとも、このようなデータなどは念頭に置かれた上で駅ビルや商業施設ができているはずですから、JR九州グループには勝算があるのでしょう。すると、共存ではなく、一人勝ちのような状態が生ずることが問題です。そもそも、一人勝ちは健全な状態でないでしょう。共倒れの一歩手前のような話ではないでしょうか。そして、結局、競争の結果は誰もが敗者、ということになりかねません。

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 私は、大分市の中心部というと府内町にあまり足を運ばず、中央町のほうによく行きましたが、その理由の一つが書店でした。中央町には、大分フォーラスの中のジュンク堂書店、明屋書店、晃星堂書店があり、この三店をよくまわったのです。そこにタワーレコードと島村楽器が加わり、何かといえば大分フォーラスへ行ったのです。

 また、郊外部の書店にもよく行きました。当時住んでいた所のすぐそばに明林堂書店大分宮崎店がありましたし、既にない明屋書店羽屋店は、一週間のうちに何度行ったかというくらいに通っていました。


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