ヌーヴェルヴァーグか、それともネオ・リアリズモか?とにかく、1990年代の映画の空気がギュッと詰まってる。
今どきの映画では先ず考えられないような、少年は次々と、何のためらいもなく、悪事を犯して行く。タバコなんてかわいいもの、大人の強盗の片棒まで担ぐ。日本にもワルガキはいたが、日本の“ツッパリ”連中はつるんでいるから悪事ができた。少年は“生きる”ためにやっているので、経済成長真っ盛りの日本ではあり得ない悪事を独りでも平気でやってのける。逆にそのことで、少年の無垢さ無邪気さが際立つ。こんな映画、21世紀の今じゃ絶対撮れない。
舞台は極東と言うことは分かるが、モノクロと言うこともあり、日露戦争後か。だが、撮影は1990年代、つまりソ連崩壊後のロシアの姿だ。共産主義政府が倒れ、無秩序、不道徳がまかり通る時代の、泥臭くてパワフルな作品。きっと終戦直後の日本にもカネフスキーみたいな監督がいたら、日本でもこんなフィルムが撮られたかもしれないが、今それを言っても仕方ない。まさに崩壊直後のロシアのもがく姿が少年の目線から描かれ、まぶしい。今の日本の保守的な空気とは真逆の映画。だけど若いシネアストがみんな見に来てる、だってこれが映画の力だから。まだまだ捨てたもんじゃない。
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