DayDreamNote by星玉

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#95.氷歌

2018年05月20日 | 星玉帳-Blue Letters-
【氷歌】


凍った道を歩く。



天からひっきりなしに氷粒が落ちてくる。



震えながら



歌唄いの羊に教わった歌を思う。




羊が暮らす星の季節は殆どが冬だった。



寒風の草原で羊は歌を作り歌う。



生まれたとたん消える歌なのですよ、



と穏やかに笑い。





柔らかな歌は旅人に残り




過ぎた冬が氷粒となって体を打つ。