DayDreamNote by星玉

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わたしたちは無作為に

2017年10月27日 | 詩etc.帳
わたしたちは

宇宙に無作為に

放り出された

偶然の成せる

ほんの極小の


ほんの極短の

命をもつ

哀しい

生命体




なのかもしれない





偶然が意志や感情や行動を持つとき

いったい、それは

必然となるのでしょうか


必然の意味付けは人の生き方を

示し左右するべきものなのでしょうか



偶然の生み出す

事実を

受け入れたり

目をそむけたり

にぎりつぶしたり

すりかえたり



気がつくと

必然がもたらす

なにか

魔法の力ろ秘めた意味を

求めているような

気がして






すべての必然が素晴らしいと胸張れる

意味などあるわけはない



意味づけが

それぞれの都合のいい言い訳になるとき

生きやすさに繋げることができるのでしょうか


それはそれで

良き事かもしれない

けれど


それが向けられる側の

一方向性と

一方向性が持つ

疲労感と


それもまた

「意味」あることなのでしょうか













何もかもに意味付けを求めるのは


結末の分かっている映画を観ているような












生きやすさとは

いったい










からっぽのわたしたちは

2017年10月25日 | 詩etc.帳
そこに何もないことに
肩を落とし身を寄せて

寄せるだけでは
また何もないことに気づき

わたしたちはからだを離した

ひとりになったこころは
ひとりぶんとひとりぶんと

ひとりぶんとひとりぶんの
空洞をかかえ

街をさがし山をさがし川をさがし
学校をさがし図書館をさがし博物館をさがし

大通りをさがし裏通りをさがし路地をさがし
酒場をさがし寺院をさがし墓場をさがし

森をさがし空をさがし砂浜をさがし
きのうをさがし夜をさがし夢をさがし

それでとうとうさがし疲れて
わたしたちは死んでしまった

ひとりぶんのからっぽを合わせても
重力も浮力も脚力も腕力も足りず

たくさんのからっぽをかかえていることなど
たくさんさがしているうちにすっかりと忘れてしまえと

そんな場面に何度死んだら
出会えるのだろうかと


そして

さがし忘れていた風が
何もない何かを運んでくる音を聞きたくて

くりかえしまたくりかえし
またさがしはじめる

落ち穂の風が
からっぽのわたしたちを巻き上げるまで