星玉の幻想話、全300話を書き終えました。
当初は100話で止めるつもりでしたが、ここまで来てしまいました。
約七年、長い時間がかかりました。
その間もその前も、いろんなことがありました。
書いていくこと、生きていくこと、暮らしていくこと、
葛藤もたくさんありました。
息も絶え絶え、ようやくここまで辿り着いたような感じです。
もうだめだもうだめだと、何度も思いながら
青息吐息、浮かぶ幻想のまま、キーを打ちました。
自分にはこうして書く他なかったのだと、改めて振り返ってみてそう思います。
ブログを訪れてくださった方、私の拙い文を読んでくださった方、本当にありがとうございました。
Kitamori Mio

当初は100話で止めるつもりでしたが、ここまで来てしまいました。
約七年、長い時間がかかりました。
その間もその前も、いろんなことがありました。
書いていくこと、生きていくこと、暮らしていくこと、
葛藤もたくさんありました。
息も絶え絶え、ようやくここまで辿り着いたような感じです。
もうだめだもうだめだと、何度も思いながら
青息吐息、浮かぶ幻想のまま、キーを打ちました。
自分にはこうして書く他なかったのだと、改めて振り返ってみてそう思います。
ブログを訪れてくださった方、私の拙い文を読んでくださった方、本当にありがとうございました。
Kitamori Mio

【夢幻航路】
夢幻航路という船の道があるという
星の港の最終便に乗ると
これがその船なのだと船員は言う
星の果てを目指す航路
銀河に昇る汽笛を耳に残し
標の星を仰ぎ
銀の星を数える
旅が刹那の時が魅せる夢であるように
この星の航路が美しい夢幻であるように
今宵
長く愛したペンを置こう

drop100『夢幻航路』
夢幻航路という船の道があるという
星の港の最終便に乗ると
これがその船なのだと船員は言う
星の果てを目指す航路
銀河に昇る汽笛を耳に残し
標の星を仰ぎ
銀の星を数える
旅が刹那の時が魅せる夢であるように
この星の航路が美しい夢幻であるように
今宵
長く愛したペンを置こう

drop100『夢幻航路』
【星降る夜】
別れの時
魂が一瞬輝くように見えるのは何故
あれはこの星で分かち合う人々の成す灯火なのだと
教えてくれたひとは居ず
刹那に燃える火は
彼方に輝く星の瞬きに似るのだろうか
星降る夜
どうか星のかけら一粒を燃やす灯火の下
愛しさだけ抱くことができますように

drop99『星降る夜』
別れの時
魂が一瞬輝くように見えるのは何故
あれはこの星で分かち合う人々の成す灯火なのだと
教えてくれたひとは居ず
刹那に燃える火は
彼方に輝く星の瞬きに似るのだろうか
星降る夜
どうか星のかけら一粒を燃やす灯火の下
愛しさだけ抱くことができますように

drop99『星降る夜』
【幸歌】
野花を見て
海を見て
夕暮れを見て
銀河を見て
何かがどこかにあると
思うようになったのはなぜ
追いかけても追いかけても
それは夢幻を追うような
彼方に向かう旅のような
ペンを下ろした紙の上
かけらを散りばめて
銀色に塗ることが
ただ一つ出来ることだった
(銀のかけらを歌う最終章に)

drop98『幸歌』
野花を見て
海を見て
夕暮れを見て
銀河を見て
何かがどこかにあると
思うようになったのはなぜ
追いかけても追いかけても
それは夢幻を追うような
彼方に向かう旅のような
ペンを下ろした紙の上
かけらを散りばめて
銀色に塗ることが
ただ一つ出来ることだった
(銀のかけらを歌う最終章に)

drop98『幸歌』
【星物語】
海鳥の鳴き声を頼りに海へ向かう
あれは星の港を往き来する鳥
港で出会い別れる誰かの痛みを
嘆き
時に喜び
朝な夕な絶えることなく鳴いているのだ
その物語は星の物語を綴った本に語られている
ただ一つの物語を残し
作者は遠い航路に
旅立ってしまったという

drop97『星物語』
海鳥の鳴き声を頼りに海へ向かう
あれは星の港を往き来する鳥
港で出会い別れる誰かの痛みを
嘆き
時に喜び
朝な夕な絶えることなく鳴いているのだ
その物語は星の物語を綴った本に語られている
ただ一つの物語を残し
作者は遠い航路に
旅立ってしまったという

drop97『星物語』
【星音】
星がひとつ流れた時
音が聞こえた
「あれは星の流れる音でしょうか
それともどこかで誰かが歌い奏でているのでしょうか」
あなたの問いかけにずっと答えられず
流星に音があるのなら
過ごした季節に流れた音であってほしいと
ただそれだけを願い
深い夜に耳を澄ます

drop96『星音』
星がひとつ流れた時
音が聞こえた
「あれは星の流れる音でしょうか
それともどこかで誰かが歌い奏でているのでしょうか」
あなたの問いかけにずっと答えられず
流星に音があるのなら
過ごした季節に流れた音であってほしいと
ただそれだけを願い
深い夜に耳を澄ます

drop96『星音』
【風の旋律】
風が吹いていた
遠い星の旅の果てに
おだやかで美しい風が持つ旋律を奏でながら
舞っていた
その記憶を持ち帰り
紙の上に並べた
あの旋律を言葉にしたくて
幾度も並べた
並べては
崩し
並べては
崩し

drop95『風の旋律』
風が吹いていた
遠い星の旅の果てに
おだやかで美しい風が持つ旋律を奏でながら
舞っていた
その記憶を持ち帰り
紙の上に並べた
あの旋律を言葉にしたくて
幾度も並べた
並べては
崩し
並べては
崩し

drop95『風の旋律』
【銀色の彼方】
雨に星の欠片が混じっているのだろうか
旅の途中
銀色の欠片が幾つも刺さった
忘れたことは忘れていなかったのだと
欠片が降る度に気づく
すべてが美しい水の上に浮かぶように
世界が浮かべばいいのに
濁ってしまった雨の先さえ
銀の灯りで照らし出される世界が
浮かべばいいのに

drop94『銀色の彼方』
雨に星の欠片が混じっているのだろうか
旅の途中
銀色の欠片が幾つも刺さった
忘れたことは忘れていなかったのだと
欠片が降る度に気づく
すべてが美しい水の上に浮かぶように
世界が浮かべばいいのに
濁ってしまった雨の先さえ
銀の灯りで照らし出される世界が
浮かべばいいのに

drop94『銀色の彼方』
【深海】
深海に沈んだ声を聞きたくて
海を探し
海に沈み
声と思うものを
抱きしめた
世界が変わっても
抱きしめていようと
声をころして

drop93『深海』
深海に沈んだ声を聞きたくて
海を探し
海に沈み
声と思うものを
抱きしめた
世界が変わっても
抱きしめていようと
声をころして

drop93『深海』
【砂漠】
砂漠の兎は砂をかき分け
穴を掘っていた
なぜ
問うても兎は答えず
その姿がいじらしくて
一緒に掘った
星の瞬く頃
兎の姿は消えてしまった
やがて私もこの星を去る
もう会うことはない
砂に埋もれながら星を見た
会うことはないとわかっているものたちの
星を見た

drop92『砂漠』
砂漠の兎は砂をかき分け
穴を掘っていた
なぜ
問うても兎は答えず
その姿がいじらしくて
一緒に掘った
星の瞬く頃
兎の姿は消えてしまった
やがて私もこの星を去る
もう会うことはない
砂に埋もれながら星を見た
会うことはないとわかっているものたちの
星を見た

drop92『砂漠』
【星秤】
測るのは止めることですよ
と、星を渡る旅人の言葉を
明け方不意に思い出す
彼は今どの星にいるのだろう
いやもうどの星にもいないのかもしれない
いないということ
それは絶望なのか安らぎなのか
旅の途中
夜は明け日は暮れ
秤のない重力に埋もれてゆく

drop91『星秤』
測るのは止めることですよ
と、星を渡る旅人の言葉を
明け方不意に思い出す
彼は今どの星にいるのだろう
いやもうどの星にもいないのかもしれない
いないということ
それは絶望なのか安らぎなのか
旅の途中
夜は明け日は暮れ
秤のない重力に埋もれてゆく

drop91『星秤』
【新月船】
月の見えない夜
船は黒い海を進み
先には夜だけが広がる
船の中で出会った旅の楽師は
長い時間一つの曲だけを奏でている
幾時代も継がれてきた古い浪漫の歌なのだそうだ
波音に重なってはまた離れ
弦の音は海に放たれる
夜は深くなる

drop90『新月船』
月の見えない夜
船は黒い海を進み
先には夜だけが広がる
船の中で出会った旅の楽師は
長い時間一つの曲だけを奏でている
幾時代も継がれてきた古い浪漫の歌なのだそうだ
波音に重なってはまた離れ
弦の音は海に放たれる
夜は深くなる

drop90『新月船』
【水際】
行き着いた水路は
入り交じった記憶のように幾つにも分岐していた
辿っていけば、会えると思った。
れだけでよかった、と思っていた
霞んだ水路の果ては
すぐそこなのか遥か先なのか
頑なな思い出を
握っては放し
握っては放し

drop89『水際』
行き着いた水路は
入り交じった記憶のように幾つにも分岐していた
辿っていけば、会えると思った。
れだけでよかった、と思っていた
霞んだ水路の果ては
すぐそこなのか遥か先なのか
頑なな思い出を
握っては放し
握っては放し

drop89『水際』
【夢現】
星の宿で長い季節を過ごした
毎夜夢を見た
おぼろげであいまいな
風景の連続が走ってゆく
古い日記のような夢だった
それは時という夢なのだと
覚めて気づく
夢現、流れるものに頼る根拠などなく
明け方の痛みだけが長く残った

drop88『夢現』
星の宿で長い季節を過ごした
毎夜夢を見た
おぼろげであいまいな
風景の連続が走ってゆく
古い日記のような夢だった
それは時という夢なのだと
覚めて気づく
夢現、流れるものに頼る根拠などなく
明け方の痛みだけが長く残った

drop88『夢現』