来年1月1日付人事異動で、ある部長さんが降格のうえ他部門へ異動することになりました。 いわゆる「パワハラ」による降格&更迭人事です。
その部長さんは、声高に怒鳴ったり脅迫調な言葉は決して使わず口調は柔らかいのですが、部下の仕事を第3者的に評論、つまりは悪い点をあげつらうだけで、自分から解決策や仕事のやり方を指示(しないまでもヒントを出)してやることもせず、部下の仕事のやり方の悪さだけに留まらず、その人の性格や人格までもを評論の対象にしていたようです。
その人が部長になってから心の病になった部下の人が昨年と今年で5人も続けて出たようで、部下の誰かが人事部長に訴えたようです。
パワハラも、例えば、大声で罵声を浴びせたり、机を強く叩いたり、胸倉を掴んだり叩いたりといったような暴力的な言動があればまだ分かり易いのですが、そういう暴力的な言動とは正反対のネチネチと真綿で首を締めつけるような神経戦的なパワハラは、第3者には分かりにくいものです。
パワハラ問題の難しさは、それが往々にして管理者が目標を達成するための「業務命令、業務指導」の一環として行われていることにあります。 管理者は部下に対し業務遂行を命令し、そのための具体的な行動を指示する権限(業務命令権)を持っていますが、部下の人格や人権を否定し、その尊厳を傷つけてまで、その権限を行使することは決して許されません。 てなように偉そうに言っておりますが、パワハラもセクハラも相手がどう受取るかで決まる紙一重の違いという一面もあり、管理者は日頃から部下との本当の相互コミュニケーションを良好に保つ努力をしないといけません。 言うのは簡単ですが‥
会社は来年からコンプライアンス(順法行動)委員会に加え、パワハラ、セクハラを含む人権擁護委員会を作ると共に、全従業員を対象にメンタル健康セミナーを開くことにしました。
心の病は几帳面、生真面目、責任感の強い人ほどなりやすいようですので、そういう性格の皆さんは明日は我が身と思い、十分気をつけてください。