DALAB情報発信用ブログ:OpenCAE+GPGPU+Peridynamics編

DALABで行っている研究活動の中で、OpenCAEやGPGPUや破壊解析の取り組みについてまとめてゆきます。

VMware ESXiでの仮想マシンの計算速度検討

2009年12月21日 18時54分23秒 | OpenCAE活用
仮想マシンは、ハードウエアの有効利用や動作環境の柔軟な運用など、色々な長所を持っています。でも物理マシン上で直接動作する場合と比べて、計算速度が著しく遅くなると利点が打ち消されてしまいます。さてどれぐらいの計算速度なのか検証してみました。
用いたハードウエアは、CPU: Pentium Dual 1.8GHz RAM: 4GB で、エントリータイプのサーバーです。ここに、Windows Server 2008 32bit をインストールして、姫野ベンチSサイズの実行形式で計測すると、1127MFLOPS となりました。これを基準とします。
さて VMware ESXi は Hypervisor 型の仮想マシンなので、HostOS がない分だけ負荷が少ないと期待できます。どうでしょうか?ゲストOSとして、Windows Server 2008をインストールして同じように試してみると、1115MFLOPS となりました。たった1%の速度低下です。
仮想マシンの長所はハードウエアの有効利用ですから、せっかくの DualCore CPU を生かして、もう1つ Ubuntu の仮想マシンを起動して、この状態で同じように測定してみると、今度は 1106MFLOSP となりほとんど影響はありません。さすが Hypervisor 型は優秀です。
さらに Ubuntu 上で目一杯の数値解析をさせた状態で計測すると、1028MFLOPS となり、さすがにこの場合には 9% の速度低下となります。でも、1台のハードウエアでほぼ2台分の働きをすることが可能です。
と言う事で、Hypervisor 型の仮想マシンは、結構優秀であって、ハードウエアの有効利用に大きな効果があることが分かりました。まあ難点と言えば、ハードウエアが限定されることでしょうか。