今までをつないでいくことは大事と思うけれども、それは今までの通りじゃないといけないということじゃないと思います。いろいろな可能性を考えて、より悪い可能性の未来を想定して、それを含めた上で今どう備えていくか、その視点を持ち続けてないと、今をこれからにつないでいくことはできないと思います。
社会の変動、自然の変動、そのどちらもが重なる状態、そのことはもう目の前に現れているけれど、政治はそれを直視していないか、今にとらわれすぎた対応になっていないかと考えたりします。そもそも、そんなことは一介の地方議員ではなく、専門家やえらい人が考えたりすることだと言われるかもしれないとも。
けれども、議会で決めたりすることは、5年後、10年後、それ以上先を考えないといけないことが増えていて、将来を予測することは、けっして他人事ではないと思います。
たしかに、目の前の課題に取り組むことや、選挙に向けて実績を作るという点も大切だと思うし、それはある意味で当然だと思います。しかし、それにあまりに比重が傾いてしまって、単年度ごとで議会の動きを考えたり、4年という選挙スパンで物事を考えているのであれば、結局のところ、将来は不確かなもので、その場その場の対応だけになってしまわないかと危惧します。
少なくともこの20年を振り返ると、ICT関連機器の進歩は目覚ましく、手元に機器を持っていれば膨大な情報を手にすることができ、また、多くの人とつながることも容易になっています。もちろんこのことにはプラス面だけでなく、負の側面もありますが。
また、世界貿易センタービルの崩壊以降、最近のアジアでの情勢など、自分たちが思う以上に世界が動いていると感じます。経済も同じで、マネー中心の経済がこれからどうなるのか、それが問われていると感じています。
そして、スマトラ沖地震、東日本大震災、熊本地震と、多くの映像が残されていますが、自然の力を人間は制御できないということを見せつけられていると思います。このことは気候変動でもいえることではないでしょうか。私たちは対処療法的な考えで、どこまで対応していくことができるでしょうか。
そして東日本大震災では、自分たちで制御できると思っていた技術が、実際は制御できなかったということと、未だにどう取り組んでいいのか、はっきりとした手法が見えていないという点で、いまの「驕り」を見せつけられている、しかも、自分たちでそれを振り返っていない危険があると感じます。
実際に経験してきたこれまでの20年があるからこそ、20年先を考えて今の取組につなげることが、これまで以上に重要になっていると実感していますし、いろいろと考えることがあります。