大工風の道

仮設住宅ってわけでもないけれど、
ま、しばらくここで様子みようっと。

草屋根

2006年06月15日 | かまど、五月工務店

先日結婚したN村氏らと建築に関わった「あの家」に行ってきた。

ちょうど二年前に棟上した、二棟の建物。
一棟は脚光を浴びたが、もう一棟は地味に今もその役割を果たして…。

小学生の団体が、新聞取材の研修に訪れ、メンテナンスの下見も兼ねて、付き合うこととなったのだ。
都合で、先日結婚した親方のN村氏とは別行動。

別に何があるわけでもない、普通の古い家。
子どもたちに質問された。
「どうして、こんな(赤いとんがり屋根の)つくりなの?」
・・・「昭和のはじめ、君たちのお祖父さんお祖母さんが生まれたころ、こうした古い日本の家に、ちょっとしたおしゃれで西洋風の部屋をくっつけた家が流行ったんだよ…自分の街でよ~く探してみると、そんな家がきっとあるよ」と。
赤いとんがりはどうか知れないけれど、「洋館造り」とも呼ばれる「洋館つきの古民家」は全国各地に見られる。



先日結婚した親方のN村氏も、本の中で語っているように、構造的には無理のある建て方が多いのだが、当時の施主、職人の遊び心が楽しい。


さてもう一棟の建物。
静岡のKi山氏が棟梁をつとめ、2年前の6月10日に棟上された「管理棟」。
その二年後にこんなこと(「こんなこと」ってどんなことだ??)が起ころうとは誰が予測しただろうか。

帰る子どもたちの列に、「この建物の屋根も見てってねえ!」と声をかける。




タンポポもすっかりなじんでいた。

ただ、水が今ストップしているためトイレには「使用禁止」の札。



24時間監視のモニターが寂しくもガランとした土間にリアルタイムの画像を映しだしていた。




帰り道、なぜかいつか寂しさを感じたときと同じ血が流れるのがわかった。
祭りのあと、夢のあと。
掃除のし過ぎかな?と苦笑するほど、小綺麗な「あの家」は、間もなくもう一度陽の目を見て、多くの人々が訪れるだろう。

周りの施設はほとんど撤去され、取り残されたこの空間。
私たちにとってまた感慨深い、何とも不思議なこのエリア。
工事中のころにタイムスリップできる…。


まだ平日の予約に若干の空きがあるとかないとか…。
公開は7月15日からだそうだ。

さあ明日からは気分をとりなおして最後の「陽だまりの丘」。
先日結婚したN村氏も「キッチン」の造り付け工事にくるし、なんとか今週中に撤収できるよう頑張るぞ。




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