大工風の道

仮設住宅ってわけでもないけれど、
ま、しばらくここで様子みようっと。

狸合戦

2006年11月20日 | かまど、五月工務店
つい最近、「平成狸合戦ぽんぽこ」の放映が日本TV系であったのだが、この季節、どうしても忘れられない出来事がある。

ちょうど二年前、某愛知万博の某パビリオン建築に携わっていた。

もともと、この万博自体については「疑問派」であったのだが、成り行きといおうか、とにかく、そういった形で「万博に参加した」。

私は11月の中旬でこの現場を後にしたのだけれど、その最後に現場を離れる日、長久手町から日進市へ抜ける「三ケ峯(さがみね)」という小さな丘陵地を通過中、一匹の狸が私のトラックの前に飛び出した。
急ブレーキ。
絶対にやっちまった!

いや、助手席の荷物が足元に飛び散ったが、運良く狸に接触することはなかった。

ただそれだけのことだ。

地元では、何回か狸を轢きそうになることはあるし(幸い事故はまだ経験してない)、田舎道では、タヌキ以外にも、イタチ、キツネ、ネコ、イヌ、シカ、ノウサギ、など、けものの死体をよく見かける。

もちろん、もし万博が開催されなかったら、もっと乱開発があったのかもは知れない。
しかし会場の周辺では、確実に生態系は変わっていたはず。
セトモノの土を掘り出した山を公園にした所とはいえ、工事期間、森の中に工事車両がひしめいた。
終わったら、もとの公園に戻します、とはいうが、工事期間、生き物たちは脅えていたに違いない。
そうすぐに、落ち着くとは思えない。


すべては否定しない。
人が生きていくのには、こんな馬鹿騒ぎも必要だとは思う。
ならばはっきりと「お祭りだ」「文化だ」と言ってしまえばいい。

今でこそ言えることかもしれないが、「自然の叡智」をうたった「愛・地球博」。
そのなかで、昭和初期の家を再現していたのに、皮肉にもこんなことだったので、とても悲しくなったのだ。




さて、長かった地元の改装工事も終盤をむかえた。
ようやく先週末に外部が終わり、今日は午前中、片付けをした。


数日前に足場を撤去したのだが、この田舎の景色に、名古屋八事の足場から見た景色が妙にフラッシュバックする。

(「画像」をクリックしてみてください!→)

まさに平成狸合戦の世界。

現場の周りには、どんぐりがいっぱい。

長久手の「あの家」の周りも今頃はどんぐりでいっぱいなんだろうな。
久々に訪ねてみたくなった。



最新の画像もっと見る