大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

5月末決着失敗も詭弁でごまかすつもりか―鳩山由紀夫の言動は,退却を転進と云った旧日本軍と同じだ

2010年04月14日 23時21分09秒 | Weblog

 鳩山由紀夫の迷言妄言は日本国中に知られており,いまや世界でも周知されるようになっています。これがひとりの馬鹿者の個人的な発言ならば無視も冷笑もできるでしょうが,一国の宰相としてははなはだ危険な状況です。
 云うまでもなく,一国の指導者から発せられた言葉は,古くから「綸言汗のごとし」と云われているように,取り返しのつかぬ重みを持っているはずです。
 ところが鳩山由紀夫の口から発せられる言葉は,あまりにも軽く,一貫性に欠け,そのいい加減さはオバマ大統領さえもあきれるほどです。
 そして今回,民主党政権が抱える最大の難問とも云える沖縄普天間基地移設問題においても,鳩山由紀夫が命がけで取り組むと自称していた5月末決着がどう見ても不可能な状況となってきました。政権内の岡田外相,北沢防衛相,平野官房長官は,そろって5月末決着が不可能との見解に達しているようです。 
 そうなると,当然自民党などの野党がとなえるように,鳩山首相の引責辞任という事態が出現してきます。最近の世論調査も,国民の半数以上が普天間基地移設問題の失敗をもって,鳩山首相の辞任を求めていることを示しています。
 この土壇場に追い込まれて民主党政権は何を考えたか。なんと,5月末決着の「決着」の解釈を変えようというのです。
 通常「決着」と云えば,懸案か結論に達して解決する,と云うことのはずですが,それをそうではなく,懸案の糸口が見つかった,と云った意味にしてしまおう,と云うのです。糸口ですよ,お間違えなく。
 普天間基地移設問題に関して云えば,アメリカも,沖縄も,そしてもちろん国民も納得する具体的な移転先を見出して公開し具体化する,と云うのが少なくとも常識的な意味での「決着」だと思いますし,おそらくは大多数の国民がそう理解していたはずです。
それを具体的な移転先候補を提示して,米国,沖縄県民,移転先住民との協議に入ることを「決着」としよう,それを5月末の「決着」としよう,と云うのです。要するに,常識で云う決着よりも時計の針を戻して単なる出発点を「決着」の定義としよう,と画策し始めたのです。全くの詭弁です。日本国民どころか米国首脳までも愚弄しようとしているとしか思えません。
 こんな詭弁を本気で行使しようとしている鳩山由紀夫と民主党の醜い姿を見て思い出したのが,太平洋戦争当時の旧日本軍です。
 戦争末期,日本軍が負け始めて各地で退却せざるを得ない事態に立ち至ったとき,当初は報道管制で国民の眼を現実から遠ざけようとしました。しかし,退却が重なると,それを隠しおおせることも困難になりました。
 そこで軍部が考えついたのが「退却」を「転進」と云い変える欺瞞でした。当時の新聞には毎日のように「転進」の文字が踊りました。それも如何にも勝利した上での戦略的移動の様に見せかけて。
 普天間基地移設問題に止まらず,民主党は昨年の選挙で掲げたマニフェストの矛盾が明らかになるにつれ,これまでに何度「退却」を「転進」と云い変えて国民の眼を欺こうとしてきたでしょう。
 5月末の普天間基地移設問題決着不能で,民主党政権は終わりになって欲しいものです。