大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

小沢一郎はプーチンのつもりか―しょせんはラスプーチン

2009年05月21日 17時27分18秒 | Weblog

 西松建設から小沢一郎への巨額違法献金にからんでの公設第一秘書の逮捕,起訴以来今日に至っています。大久保容疑者の初公判は6月に入ってからのようです。その間,この巨額献金について国民に対して何の説明もありません。ひたすら「やましいことはしていない」と繰り返すだけです。そしてそれまで拒否し続けてきた麻生総理との党首討論を,唐突に自分から提案しながら,その討論の2日前に突然,民主党代表の立場を放り出したのです。
 しかも,党代表後継となった鳩山由紀夫の下で筆頭代表代行なる地位に就きました。マスコミは小沢院政だと声高に云い立てますが,民主党は一切答えず,西松建設問題にも口を閉ざしたまま,人の噂も75日とばかり,知らぬ顔の半兵衛を決め込むつもりのようです。まさに党ぐるみの小沢一郎隠しですね。
 それでは小沢一郎は何を考え,何を計算して党代表を辞め,筆頭代表代行なぞという妙な役職に就いたのでしょうか。
 これでは鳩山由紀夫新代表を前面に出して院政を決め込む心算と批判されてもやむを得ないでしょう。それも「人の噂も75日」なのでしょうか。
 情けないことに,こんな状況下で新代表に就任した鳩山由紀夫に期待する,などと持ち上げる有権者がいるようなのです。民主党には期待しないが,鳩山由紀夫には期待する,と新聞・テレビの世論調査に答える人がいるのです。いったいどんな判断を下しているのでしょうか。熟年女性の面食いかも知れませんね。あの葬儀委員長面のどこがいいのでしょうか。
 それはともかく,代表の座を降りて代表代行に一歩下がりながら,実際には院政を敷いている人物と云えば,直近ではロシアのプーチン首相がいます。
 プーチン首相は,大統領として見事にロシアを再生させた人物でありながら,憲法の規定に従い大統領の座を退き,ドミートリー・アナトーリエヴィチ・メドヴェージェフ大統領の下で首相として辣腕をふるって今日に至っています。地位称号なんて気にもならないほどの実力者だからできることでしょう。
 ロシア国民に限らず,全世界の人々が,これはプーチン院政である,と認めながらもその手腕にロシアの安定と繁栄を期待しています。
 まさか,まさかとは思いますが,小沢一郎はプーチン首相のひそみに倣っているつもりでしょうか。
 とんでもない,かつてマスコミは小沢一郎を「豪腕の壊し屋」と評して,その評価を現在まで引きずっていますが,こんな固定観念は捨てた方がよい。捨てない,いや捨てられないのは,日本のマスコミが不勉強そのもので,ステレオタイプでしかものを見ないからです。
 現実の小沢一郎は,その面構えに似合わず小心者。いや,根っからの小心者だからこそ常に構えて大物らしく振る舞っているだけです。若くして自民党幹事長に就任したとき,次期首相を面接する,と称して宮沢喜一らを自民党幹事長室に呼びつけたのも,小心のなせるわざであって,現金の詰まった自民党金庫を背にしていたからこそできたことに過ぎません。本当に日本のマスコミは馬鹿ですね。そのマスコミの言説に踊らされる国民も国民ですが。
 しかし,すべては終わりました。田中角栄,金丸 信といった闇将軍らに目をかけられた,というだけあって,小沢一郎は闇から闇に蠢いていればよかったのです。
 ですから,小沢一郎はプーチンでなくラスプーチンなのです。