何らの展望も信念もない鳩山由紀夫が内閣を組織していること自体,日本にとって致命的ではありますが,なかでも三党連立と称する現状は,鳩山内閣をさらに悪化させています。
来年の参院選挙での民主党陣営の勝利のためには社民党,国民新党の2つの小政党の持つわずか10議席が必要だというのが小沢一郎の論理のようです。
しかし,現鳩山内閣が,この2つの小政党に振り回されて迷走し,そのために現政権の支持率が逆落としに堕ちていけば,結局来年の参院選挙での民主勢力勝利の構図は画餅に帰してしまうはずです。
この矛盾を抱えた上で,なおかつ弱小政党の云うことをきかなければならない,という論理は理解に苦しみます。社民党なんか,来年の参院選挙で絶滅してしまうことは,目下最大の問題である沖縄普天間基地移設に関する硬直した社民党の態度に,国民の多くが反撥していることからも明らかです。それに小沢民主党は,来年の参院選挙を単独過半数獲得と狙いを定めていることはよく知られているからです。
なぜ,小沢一郎が社民党に入れあげるのか。どうしても理解できません。現時点で社民党を排除しようとすれば,国民新党の亀井静香は抵抗するでしょう。しかし,それはお互い小政党,と見せかけるための同情であって,国民新党は社民党とは違う,と確信しているはずです。
このブログで繰り返しているように,亀井静香の目的は,郵政逆改革で国税当局の支配外の脱税システムを作り直すことと,特定郵便局長会の持つ100万票を国民新党に入れようとする2点しかありません。政治家あるいは官僚は,つねに表と裏の意図を併せ持って政策立案していると考えて間違いありません。その点では気心の知れた亀井静香と小沢一郎との阿吽の呼吸は生きているはずです。つまり,国民新党には,社民党のような絶滅危惧種であるという悲哀の自覚はないからです。
邪魔なのは化石化した全くの絶滅危惧種・社民党と,その党首である福島瑞穂ではありませんか。彼らが主張しているところは,10年前,20年前と全く変わりません。日本の変化も世界の動向も社民党の化石人共には全く関係ないのです。
現時点で,民主党が社民党を排除しようとすればできないわけではないのです。
そして,社民党を連立から放り出せば,目下抱えている鳩山政権の問題点はかなりの程度解決するはずです。
だからといって,目下の惨憺たる鳩山政権の命脈を永らえよう,などと考えているわけではありません。こんな政権はさっさと潰れてしまえばよいと思っています。しかし,潰れる前に沖縄普天間基地の移設問題は,自民党政権時代に日米両国が樹立した国家間の合意事項,すなわち辺野古への移設をそのまま実現するほかないのです。でないと,無能な嘘つき鳩山由紀夫がオバマ大統領に投げかけた“Trust me.” のひと言が傷つけた日米間の信頼関係が半永久的に失われたまま,次の政権に持ち込まれてしまうからです。
鳩山由紀夫が内閣を放り出す秒読みにも順序がある,と云うことです。社民党を政権外,いや国会議事堂から放り出してから,ご自分も出て行きなさい。