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大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

前原国交相は政治家としては素人だ―綸言汗のごとし

2009年10月14日 16時44分30秒 | Weblog

 綸言(りんげん)とは広辞苑によりますと,《[礼記(緇衣)](「綸」は太い糸の意。天子の言はそのもとは糸のように細いが、これを下に達する時は綸のように太くなる意)君主が下に対して言うことば。みことのり。》(電子版)とあり,「綸言汗のごとし」とは「一度発せられた君主の言葉は汗のように止められない」と云うことで,本来は君主の発する言葉の重さに対する戒めです。昭和天皇は,昭和2年総理大臣に就任した陸軍大将・田中義一が張作霖爆殺事件をうやむやにしようとした田中総理の言行不一致に激怒して強く叱責したことで,結局田中内閣を総辞職に追い込んだことを深く悔やみ,以後発言を慎まれた,という逸話があります。まさに「綸言汗のごとし」でした。
 この戒めは,君主に限らず上に立つ全ての人にも通用することでもあります。組織があり,その一部であれ全部であれ,まとめる立場に立ったならば,軽々しく見解を発表するようなことがあってはなりません。指導者の言葉を俟って行動を起こす人たちは,指導者のひと言でそれぞれの行動を決めざるを得ないからです。これは常識です。
 ところが,このたび発足した民主連立政権では,閣僚はそれぞれにいかにも軽々しく自分の考えを公に発表していまいます。
 なかでも軽いのが前原国交相です。無知というか,軽率というか,何も考えていないというか,よく云えば率直というのでしょうか,思いつくと直ぐに口にしてしまうようです。民放ニュースの解説者の一人は,新しい政治手法だ,と賢しげに語っておりましたが,これを政治手法と云うには稚拙すぎます。発言の重さ,影響の大きさを思い知って修正しようにもマニフェスト政権の政策の硬直化が障害となるのではありませんか。
 第一の例が,未だに問題とされている「八ッ場ダム」問題です。群馬県の現地に赴いたのは結構なのですが,それでなくとものっぺらぼうの顔を硬直させて冷ややかに,中止だと繰り返すだけで,何の救いも含みもない有様です。住民の今後は保証すると付け加えても,そこには何らの暖かさも精神的救いもありません。これでは中止反対の住民は納得せず硬化するのが当然でしょう。
 第二は,大阪の橋下知事との会談で,唐突に羽田のハブ空港化に言及したことです。自分の言葉に興奮したのか,どんどんエスカレートして,日本にはハブ空港がないから羽田をハブ空港にする,と繰り返し,関西空港を始めとする神戸,伊丹の3空港の将来については,単なるローカル空港扱いにすると理解できる発言でした。成田空港については,橋下知事との会談での発言が大きな波紋を引き起こしたことに慌てて,いや成田空港も大事だ,と前日の発言を少しずつ変えるようになりました。
 これでは,大阪だけでなく,成田空港を抱えてこれまで過激派に扇動された反対運動などを幾度となく切り抜けてきた成田市民,千葉県民,市長・知事を激怒させることになってしまいました。当然です。
 ただし,お断りしておきますが,私は成田でなく羽田のハブ空港化には賛成です。成田にはあまりにも問題が多すぎます。地方から,あるいは関東近辺から成田を利用したことがある人は,成田の不便さが身に沁みているはずです。それに,成田には実質的には1本しか滑走路がありません。第二滑走路は未完成です。
 しかし,前原国交相の手法は最悪です。政治家がすべき方法ではありません。
 まさに「綸言汗のごとし」を理解しない,すなわち長の長たる資格のない行動です。
 これは前原国交相だけの問題に留まりません。鳩山首相自身も繰り返している言動でもあります。むしろ,国内問題に過ぎない前原国交相の言動よりも鳩山発言の方が有害です。
 わざわざ外国へ出かけて,できもしない温室効果ガスの25%削減(1990年比2020年目標)を国連で発表したり,東アジア共同体構想をいきなり発表して日本の米国離れを示唆したりするかと思えば,外国首脳との会談の冒頭で「まだ首相に成り立ての慣らし運転ですからお手柔らかに」と発言する。
 とんでもない甘えです。どこに慣らし運転中の素人とまともに重要事項を話し合う暇がある元首がいるでしょうか。みんな外交辞令か,素人を抱き込もうとする下心の,したたかな連中です。
 これからの日本は「鳩山大不況」(週刊現代最新号など)に見舞われて,少なくとも数年は苦しむことでしょう。朝四暮三のエサに釣られて民主党に一票を投じた国民は,その苦しみを甘受しなければなりません。
 いまや鳩山由紀夫を思いのままに操る闇将軍のペースメーカーが電池切れになる日が一日も早く来ることを期待するほかありません。



マニフェスト政権は自壊する―柔軟性を失った理系脳たち

2009年10月11日 15時35分24秒 | Weblog

 ファシスト政権とかコミュニスト政権というのは聞いたことがありますが,マニフェスト政権というのは初めてです。
 鳩山連立政権は,民主党が掲げるマニフェストに国民が共感して勝利した,と云うことになっていますが,選挙後の主要新聞などの世論調査では,先の衆議院選挙に当たって前もって各党のマニフェストを精読したと云う人は少なく,読まなかったが民主党に投票したという人が70%に達していた,と報じていました。
 とすると,マニフェストなぞどうでもよかった,と云うことになり,全くの気分,あるいは目先の「子供手当」などにつられて投票した,と云うことになります。目先の利益については,このブログで「朝四暮三に喜んだ―日本人はサル並みか」と書きましたが,その考えは今でも変わっていません。その時の気分というのも,結局は自民党がいやになった,麻生太郎なんか顔も見たくない,“Change!”だ“Change!”だと云うだけのことでしょう。
 民主党が掲げたマニフェストなるものには,いいことばかり並べ立てており,多くの人が指摘しているように財源を明確にしていません。ですから,よく読めば矛盾点が続々と出てくるのに,朝四暮三のサルにも似て目先の利益に釣られて,結局雪崩現象としての民主党圧勝に至ってしまったのです。
 しかし,政権成立後の鳩山由紀夫を始めとする閣僚は,異口同音にマニフェストは国民との契約だ,などと熱に浮かされたようにマニフェストの実現第一とばかりに,頑なになっています。マニフェストを聖書と勘違いしているのでしょうか。
 改めて街頭インタビューを試みたマスコミに対しても,街行く多くの人が民主党のマニフェストの実現可能性を危うんでいることを示しています。
 それなのに首相以下の面々がマニフェスト厳守の硬直した施策を強引に進めようとしているのはなぜでしょう。
 早くも理系脳の悪い面が出てしまったのです。理系脳の問題点に関しては,このブログで「ORを専攻した鳩山由紀夫は,弱者を切り捨てるのではないか―注意せよ,理系脳の欠陥に」と書いていますが,一般論として理系脳は論理的整合性を期するあまり柔軟性を失い,ともすれば教条主義的になり,自説を容易には変更または撤回しない,という悪しき傾向があります。この点を警告しておいたのですが,凡庸な理系脳の持ち主が3人も集まってしまった民主党執行部では,硬直化だけか目立つようになってしまったのかも知れません。
 しかし,こんな硬直したファシスト政権,いやマニフェスト政権では,遠からず矛盾が露呈して自壊してしまうでしょう。国民は堪ったものではありません。こんな政権の道連れにされては,いくら朝四暮三のエサに釣られたとは云え,行く末が案じられます。
自壊するなら早い目に願いたいものです。


ノーベル平和賞なんかやめてしまえ―あまりに露骨な政治色

2009年10月10日 21時43分55秒 | Weblog

 スウェーデン生まれの化学者アルフレツド・ノーベルが,非常に不安定で危険な爆薬ニトログリセリンを珪藻土で固めて粘土状にしたダイナマイトを発明したことにより,巨額な富を築きました。しかし,ダイナマイトが戦争など大量殺戮と破壊行為の道具として利用されるようになったことを嘆き,ノーベル賞を創設したことは,小中学校などの教科書にまで掲載されている逸話です。
 ですから,ノーベルが平和を願っていたことは間違いありませんし,ノーベル賞そのものが平和への貢献を意図したものであったことは間違いありません。
 その後ノーベル賞は,各部門に分化して今日に至ったこともよく知られています。ですから,ノーベル賞そのものにけちを付けるつもりは毛頭ありません。
 しかし,ノーベル賞発祥の精神的淵源とも云うべきノーベル平和賞については,かなりな疑問があります。それは,日本における唯一人の平和賞受賞者・佐藤栄作氏(昭和47年,1974年)の受賞理由が沖縄返還に対する貢献と,当時の新聞などの情報から認識していたのですが, ウィキペディアによると「非核三原則」の提唱」とあります。
 ところが最近の資料では,非核三原則の中の「持ち込ませず」が極秘裏に日本政府そのものにより黙過されていた,つまり秘かに持ち込まれていた,という事実があったとかなかったとか。35年も経過した今頃になって,鳩山連立政権の岡田外相が特別調査チームを発足させる動きもあるようです。こんなことを掘り返す必要があるのか,ある種のイデオロギー色が濃い鳩山政権内部の旧社会党残党などの画策によるものでしょうが,疑問があります。
 しかし,このいわゆる「核持ち込み疑惑」が,佐藤栄作氏のノーベル平和賞受賞が真に値するものであったか否か,という疑問を喚起することもたしかです。ですから,ノーベル平和賞そのものが授賞理由において極めて不確かな定義によるものであり,十分に恣意が伴う可能性があります。佐藤栄作氏の受賞に際しては,米国大使などを歴任した加瀬俊一氏が裏方として大変な受賞運動を行った,とは当時から囁かれていたことでした。
 他国においても,ノーベル平和賞に関してはいろいろな疑問が提起されています。第一,隣国韓国の金大中氏の受賞(2000年)は,北朝鮮との国交の正常化が授賞理由であったはずですが,当時の平壌訪問に際しては,韓国から北朝鮮に莫大な金が支払われ,韓国内部でも大きなスキャンダルになりました。いまだにこの国交は回復していないことも,事実です。
 さて,今回の米国・オバマ大統領の受賞ですが,これもまた多くの疑問があり,栄誉を喜ぶべき米国内でさえ,受賞を疑問視する冷ややかな声が少なくないようです。
 単に,チェコ共和国の首都プラハでの「核兵器のない世界」の提言演説を行っただけのことで授賞理由とするのは,たとえ温暖化防止などの追加理由があったとしてもあまりにも曖昧です。何の実績もあるわけではなく,第一大統領就任後1年も経っていないのに,です。温暖化防止でしたら,日本の鳩山首相が,とうていできもしない二酸化炭素25%削減を宣言した国連演説があります。いまだ臨時国会すら開催していない首相にも,オパマ大統領との共同受賞の資格があるのかも知れません。
 大体,国際排出権取引の材料に成り下がった虚構のCO2の問題を提唱したIPCCにさえ,数年前にノーベル平和賞が授賞されています。
 世界的に見ても,このオバマ大統領の受賞には賛否両論がわき起こっており,中には今後の成果を期待するものである,あるいはオパマ大統領の今後の行動に縛りをかけるものである,との見解があり,かなり厳しくなっています。平和ボケした日本人,特にNHKなどは,ノーベル平和賞と云うだけで胸が高鳴るのか,興奮気味です。しかし,巧言令色のオバマ大統領は,一方ではアフガニスタンへの介入を強めるとさえ述べています。片手に鳩を捧げ,片手に剣を持つ姿です。平和どころではありません。第一,授賞理由の「核兵器のない世界」なぞ,核兵器というパンドラの筺を開いてしまった人類にはありえない夢の世界です。米ロ中その他すでに核兵器を保有している国も,イラン,北朝鮮,インドなどのようにこれから保有しようとしている国も,外向きにはオパマ大統領の演説に拍手はしても,陰ではせっせと核兵器を作り続けているはずです。
 オバマ大統領自身は受賞に戸惑っているように見せかけていますが,ノーベル賞授賞は事前に本人あるいは周囲に受賞諾否の打診があったはずですから,唐突にと云うことはなかったと思います。
 半世紀にもわたる研究と実証の成果に授賞される自然科学分野の各賞とは違って,「先物買い」のような政治色の強い授賞には疑問があります。
 念のため付け加えますと,平和賞だけはスウェーデンのノーベル財団ではなくノルウェー国会が選定に関わることで公平性を保証しているそうですが,それでも先の加瀬俊一氏のような受賞運動家が潜在していることもあり得るでしょう。
 アルフレツド・ノーベル自身が平和を願って創設したことは確かであっても,今日のノーベル平和賞には疑問があります。廃止するか,百歩譲って審査機関を国連などの機関に委託すべきではないでしょうか。


鳩山連立政権は,大震災に対処できるのか―阪神淡路大震災の教訓

2009年10月08日 21時34分12秒 | Weblog

 1995年(平成7年)1月17日午前5時46分52秒,淡路島北部もしくは神戸市垂水区沖の明石海峡を震源として発生したマグニチュード7.3の地震は,後に阪神淡路大震災(→Wikipedia)と命名されたように大被害をもたらしました。
 人的被害だけでも死者6,434名,行方不明者3名,負傷者実に43,792名の大災害でした。たまたま私は,発生日の前の週の金曜日,つまり地震発生の3日前に仕事で神戸市長田区にある工業試験所を訪ねていましたのでよく覚えています。帰りには,この大震災で壊滅した神戸駅前の地下街で一服しましたので,大げさに云えば間一髪の経験をしたわけです。地震当日の朝のテレビを見ていましたら,つい3日前に降り立った,見覚えのあるJR長田駅周辺に何本かの黒煙が上がっていました。後の報道では,この長田区が最も大きな被害だったようです。
 それはともかく,この大震災については後にいろいろな検討あるいは反省が行われましたが,特に政府の初動体制の遅れ,なかんずく自衛隊の出動の遅れに批判が集中しました。
 この大震災の発生当時の内閣は村山富市を首班とする自社さ連立内閣(自民党,社会党,新党さきがけ),すなわち社会党(現社民党)委員長が内閣総理大臣でした。
 「村山富市内閣総理大臣には地震の一報がかなり早い時点で入ったものの,これは首相が地震発生直後にテレビでニュースをたまたま見ていたことによるもので,秘書官等から詳細な情報 を上げることは遅くなった。その後,不完全ながらも随時上げられる情報により,未曾有の大災害であることが明らかになりつつある中でも,村山首相は懸案と なっていた新党結成問題への対応や財界首脳との食事会など,予定通りの公務をこなす傍ら災害対応を行ったため,十分な対応を行わなかったのではないかという疑念を生んだ。」(→上掲Wikipedia)
 そして,「貝原俊民兵庫県知事(当時)からの災害派遣要請はすぐに行われなかったが,これは各所轄の警察署単位で調べていた被害情報を,兵庫県警本部の警備部がまとめていた のに連絡を怠り,貝原知事にまで伝達されなかったことが最大の原因であった。例えば兵庫県警東灘署だけでも午前8時に「死者100名以上,行方不明者数百名」という情報を把握していたにもかかわらず,兵庫県警警備部が知事への報告を地震発生後2回しか行わず,午前10時の段階で知事に伝わっていた兵庫県全 体の被害情報は「死者4名」というあまりに現実とかけ離れたものだった。貝原知事は「被害情報が正しく伝えられていれば,即座に自衛隊派遣要請を出来ていた」と答えている。」(→上掲Wikipedia)
 これらの資料から見ると,大震災に不慣れというか予想だにしなかったことが明らかではありますが,そこに社会党のイデオロギーが働いていた事実もあります。
 すなわち,社会党のイデオロギーが自衛隊忌避,米国忌避を潜在的に内包しているがために自衛隊などの救助派遣を遅らせた,と云う問題です。
 「兵庫県からの自衛隊への災害派遣要請が,発生後4時間以上も後であったばかりでなく,最も早く救援体制を敷いた米海軍第7艦隊(横須賀)が,『艦艇を神戸港に入港させてのヘリコプターによる負傷者の救援』を政府に申し入れたところ,神戸市の受け入れ体制の未整備,政治的理由,接岸施設の被災による危険性などの要因により,拒否する事態を発生することとなった。しかし,この対応が特別であったわけではなく,当初から,各国からの支援の申し出にも政府として対応できていなかった。」(→上掲Wikipedia)
 この文章にもあるように,「政治的理由」があったのです。神戸港への自衛艦,米国海軍艦艇の接岸拒否の背景には,この政治的理由が大きく働いていたのです。この点は,大震災発生後のマスコミでも大きく問題にされました。
 村山富市は,自衛隊の存在を初めて容認した社会党党首ではありましたが,社会党は自衛隊の存在を未だに認めようとはしていません。
 社民党の衆議院議員にして,現連立政権誕生にもかなりの程度関与している安倍知子は,自身のプログで次のように語っています。
「阪神大震災は12年目を迎えたが,国民を災害から守ることを任務とされているはずの自衛隊が,国による命令を受けて救援に向ったのは,数日を経て後のことであった。日本の場合,自衛隊は軍隊ではないし,国土保安隊として出発し, 防災のためにも働くことを任務としてきた特別な生い立ちがあるのに,である。(【国民保護は地方自治から 2007/1/19 カエルニュース第253号】 
よく云うよ,とはこのことです。自分たちが先頭に立って反対していたのにまるで他人事です。
 そして,今回成立した民主党,社民党,国民新党の連立政権は,閣僚として社民党党首福島瑞穂を抱えるばかりでなく,民主党内部にも旧社会党の流れを汲む,いわば社会党の残党を多く抱えています。
 これで,大震災に対応できますか。
 近い将来の発生が必至と見られている東海地震,また関東大震災に,こんなアナクロニズムの社民党を抱える連立政権がまともに対処できるとは思えません。
 可及的速やかにこのいびつな連立政権を放逐しなければ,日本の安全は保証できないのではありませんか。大地震ばかりではありません。北朝鮮,また中国の問題もあります。
 友愛などという歯の浮くようなお題目の下で,全方位外交と称して北朝鮮,中国とも仲良くしていこうなどと甘い考え方をとっていれば,これらの国々が仲良くしてくれると思っているのでしょうか。関東大震災が起きたら,これらの国々は何を仕掛けてきますか。
 できてしまった政権は仕方ありませんが,今後の国会論争などでその危険なことを,ろくにマニフェストなぞ読みもしないで “Change!”とばかりに軽率にも民主党に投票してしまった国民に,早く公知させるべきでしょう。


中川昭一氏は酒に殺された―人の噂は止められなかった

2009年10月05日 18時00分06秒 | Weblog

 自民党の実力者中川昭一氏が自宅で誰にも看取られずに独り亡くなりました。死因は未だ不明のようですが,父親の中川一郎氏の最後と重ね合わせて,自殺を疑う向きもあるようです。
 べつに知己を得ていたわけでもありませんし,格別の思いを持っていたわけでもありませんが,保守政治家としてそれなりの実績を積み,将来性を期待してはいました。
 しかし,今年になって海外での記者会見での異常な行動,醜態とも云えるのでしょうが,しどろもどろのおかしな振る舞いは,とうとう彼を辞任に追い込んでしまいました。そして,衆院選にも落選。政治家としては大変な事態に立ち至ったと思います。
 ただ,記者会見での異常行動のニュースを知って,「やはり」と思った人は多かったのではないでしょうか。もちろん,テレビで見る限りでは,飲酒だけではなく風邪薬に普通に含まれている抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン塩酸塩)の催眠効果などが加重したのではないかとは思いますが。
 でも,「やはり」と思ったのは,北海道での経験があったからです。
 数年前まで,ある製品の共同開発を帯広の大学と進めていた関係でしばしば帯広を訪ねていました。新聞社の人たちとも親しくなって雑談の機会も度々ありましたが,北海道の人たちの中川昭一氏への思い入れは相当なものと感じました。
 ただ気になったのは,中川昭一氏の話題になると,「酒がなにか起こすんじゃないか」との懸念が必ずと云っていいほど出てくるのです。
 つまり,中川昭一氏と酒は切っても切れない関係にあったようで,朝から酒浸りと云うことも北海道の人々にはほとんど当然とさえ云える状態だったようです。
 そう云った前知識があったもので,記者会見での行動にしても,「ああ,やはり」としか思えませんでした。
 今回の普通ではない亡くなりかたにしても,「ああ,やはり」と直感したものです。それにしても,大政治家になる可能性もあったのに,酒に殺されたとしか思えない最後も考えると,酒は百薬の長とばかりは云っていられないとつくづく感じます。
ご冥福を祈ります。


鳩山首相の第一夫人は問題を起こす―女房の出しゃばりは亭主を殺す

2009年10月03日 22時56分00秒 | Weblog

 慌てないでください。ここで云う「第一夫人」とは英語のファーストレディを邦訳しただけですからご心配なく。未だにテレビに出てくるどこかの大統領(故人)の第○夫人と称する変な人とは違いますし,第二夫人に対する第一夫人ということでもありません。ファーストレディです。
 さて,鳩山首相の第一夫人ですが,ちょっと自分を出しすぎていませんか。もちろん,日本人女性としてですが。
 まずおどろいたのは,鳩山氏が総理大臣に指名される日に衆議院の傍聴席に赴き,指名の瞬間を直接見て,そのまま目立たぬように帰ればいいものを,新聞記者のインタビューに応じたことでした。これまでの宰相夫人でこんな行動をとった人がいたでしょうか。あるいはその場でインタビューに応じたでしょうか。
 国民の意識が変わって,こういった目立ちたがり屋の宰相夫人を受け入れるようになったのでしょうか。私は,そうは思いません。
 「秘すれば花」とは,世阿弥の風姿花伝の中にある有名な言葉ですが,正確には「秘すれば花なり。秘せずば花なるべからず」とあるそうです。鳩山首相の第一夫人は,この言葉を知らないのでしょうか。
 夫人の出自をどうこう云うつもりはありませんが,マスコミの伝えるところではタカラヅカ出身だそうで,舞台でフットライトを浴びることがあこがれだったのでしょう。だからこそ出たがり屋の行動に走るのです。ですから,秘すれば花なり,と云うような奥ゆかしさからは縁遠い人なのです。
 しかし,それでは日本の宰相の第一夫人としては困るのです。皇后陛下が目立たずに,しかし着実に,いたわりを込めて外国の子供達に接し,友好を深め,暖かさを伝えられるのとはどうも違うようです。なにか目立とう,目立とうと行動しているように見えてなりません。
 諸外国のしたたかな元首夫人の中で,ぽっと出のおばさん(失礼)が厚化粧して目だ立とうとすると醜悪です。そんな姿を冷ややかに見つめる眼差しに気が付かないのでしょうか。
 その眼差しは,結局亭主つまり鳩山首相の評価を貶めることになります。
 ここまで書いてきて,ヨミウリオンラインを開いてみたら「モデル気分?鳩山さん、夫婦でファッションショー」という記事と写真がトップに出ていました。
 建前は細川元首相夫人のチャリティファッションショーだそうですが,第一夫人はまるでタカラズカ気分,亭主すなわち鳩山首相までがワインレッドのジャケットで出ています。
 いやしくも首相になったばかり,まだまともな国会論戦すら行われていないのに,こんなに浮かれていてよいのでしょうか。
 いずれ,この第一夫人は問題を起こして亭主の足を引っ張ります。UFOに乗ってどこかに旅したなどという他愛ない妄言で,冷笑を誘うだけではすまなさそうです。
 秘すれば花なり。秘せずば花なるべからず。


どっちが総理だ―小沢一郎に敬礼する鳩山総理

2009年09月29日 19時05分43秒 | Weblog

 今朝の9月29日付読売新聞朝刊第1面(→ヨミウリオンライン)の写真を見て,思わず声を出して笑ってしまいました。家人が不思議に思ったほどです。
なぜって,写真の左側にはソファにふんぞり返った小沢一郎がおり,その右奥には左から順に福島瑞穂,鳩山由紀夫,亀井静香,菅直人の4人が直立しています。そして,福島瑞穂を除く3人が不動の姿勢で敬礼しているのです。会釈ではなく,かなり深く頭を下げているのです。(写真を掲載すればよいのですが,著作権の心配がありますので上のリンクでご覧ください。)
 三権分立の長の一人である総理大臣というのは,天皇・皇后両陛下など皇室に対する以外にはこんな敬礼をすることはないと思っていたのですが,今回の内閣は違ったようです。総理大臣が敬礼する相手がもう一人いました。。
 この写真の記事の表題は「政府・与党会議,突然の設置…亀井金融相『積極予算を』」で,政府・与党会議なるものが急に設置されたようです。
 しかし,この写真ほど民主連立政権での力関係を如実に表しているものは見たことがありません。
 それにしても,総理の敬礼を受けている小沢一郎の態度の大きいこと,不快です。敬礼している連中がどんな気持ちで最敬礼しているのかは窺い知れません。なにしろ海千山千のはずの政治家が,しかも今や向かうところ敵なしのはずの民社党首脳が並んで敬礼しているのですから。
 この写真くらい小沢一郎の力を見せつけているものはありません。本来小沢一郎が総理大臣になるつもりだったのでしょうが,西松建設に関わる自らの不正献金問題のために心ならずも舞台の奥に息を潜めて隠れざるを得なかったのです。しかし,“Change!”のおかげで日の目を見て民主党幹事長として復活しました。
 選挙で生まれた徒花新人議員達は,小沢チルドレンとまで呼ばれています。右も左も分からぬこれらの「子供達」を引き連れて党を割る,と恫喝すれば,鳩山連立政権なぞあっという間に瓦解してしまいます。
 その恐怖があるからこその,一同そろっての敬礼なのでしょう。
 それにしても怖いことではありませんか。この日本は闇将軍2代目(初代は田中角栄)小沢一郎に蹂躙されようとしているのです。まさに日本の危機です。
 私が心配するのは,小沢一郎と亀井静香がなにか画策しているのではないか,ということです。最近の「モラトリアム法案」をめぐる言動を見ていると,「鳩山には,俺を罷免することはできっこない。やるならやって見ろ」との傍若無人ぶりです。この亀井靜香の確信にはなにかの裏付けがあるはずです。亀井靜香も自民党の裏の裏まて,あるいは政界の裏の裏まで知り尽くしています。その点では小沢一郎と同列です。
 そして,マニフェスト一点張りの理系鳩山お坊ちゃまの素人ぶり,社民党寄りの,ともすれば社会主義的な政策選択には決して満足していないはずです。この二人は,社会主義政策を選択するほど素人ではありませんし,若くもありません。
 ともかく,今回の政権選択は,日本と日本国民をとんでもない苦難の道に導いてしまう危険性が大きいのです。朝四暮三の愚の報いです。


朝四暮三に喜んだ―日本人はサル並みか

2009年09月27日 13時21分57秒 | Weblog

 朝四暮三の話は,昨年4月にいちど書いていますので(→「国民をサル扱いする民主党―朝四暮三の愚」),もういちど使うのは気が進みませんが,それから1年半も過ぎてしまった今日,当時の懸念が当たってしまったことに,いまさらながら驚いています。
 当時のブログでは,「日本国民は,それほど愚かなのでしょうか。」と結んでおいたのですが,現実に民主党連立政権が誕生してしまった今,ふたたびこの結びを書きたくなってしまいます。
 まず,「朝四暮三」なる言葉の由来として,昨年4月のブログの冒頭だけ再掲します。
 《中国は春秋時代,宋の国の狙公老人が,飼っているサルが増えすぎたために餌を減らそうと,サルにこう言いました。「これからは,栃の実を朝に三つ,暮れに四つやることにする。」 ところが,これを聞いたサルたちが「少ない」と怒り出したので,「それでは朝四つ,暮れに三つやろう」と言い直したらサルたちはご機嫌になった,ということです。つまり,結果は同じなのに,目先の利益に惑わされて,騙されることを寓話としているのです。》
 昨年4月には,道路特定財源の暫定税率の延長問題に関わる民主党の阻止運動を批判するために書いたのですが,先の衆院選挙では,もっと広くあからさまに,育児手当一律2万6千円の支給,高校教育の無償化,農家の利益個別補償などなど,すべて当面の対個人利益供与,つまり宋の国の狙公老人のサルの餌に似た,美味しい話ばかりが先行したマニフェストやらを掲げて,まんまと国民の過半数を抱き込んでしまったのです。
 これを演出した民主党の闇将軍小沢一郎は,してやったりとほくそ笑んでいるわけです。しかも,先般の衆議院選挙の結果,民主党衆議院308人のうち143人は,右も左も分からない新人議員で,小沢チルドレンなどと呼ばれる連中ですから,小沢一郎の云うなりの雑兵が民主党の大部分を占めている,とも云えます。鳩山由紀夫なんか使い捨てです。時期を見計らって放逐してしまうかも知れれません。ただし,その時までに鳩山由紀夫の70億と云われる資産は,すべて小沢一郎に巻き上げられていることでしょう。
 そして,早速繰り出される民主党の法案は,すべてこれまでの自民党長期政権を否定するものとなり,衆参両院のねじれもなく,与党が法案を提出すれば全て通って成立してしまう,と云う独裁国家まがいの恐ろしい世の中になってしまうでしょう。
 「朝四」のバラマキの後は増税です。サルがとりあえず増えたと錯覚したエサの後には,当然日本の国力は堕ちてしまいます。そのためには増税か,赤字国債を大量に発行しなければなりません。しかも,消費税は4年間やらないと公言しているのですから,他の名目が必要です。
 個人に関わるものとしては第一に配偶者控除の廃止があります。考えても見て下さい。育児手当2万6千円を一律支給するとすれば,子供1人当たりでは年額31万2千円になります。昨年度の配偶者控除は1人あたり38万円でしたから,これが差し引かれれば,現実には6万8千円のマイナスなのです。子供1人でも配偶者控除が無くなればマイナス,子供が成人して育児手当の対象ではなくなったり,何らかの事情で子供がいない夫婦,などではまるまるのマイナス=増税なのです。
 これだけを見てみても,民主党連立政権がやろうとしていることは「朝四暮三」そのものではありませんか。
 さらに,就任早々の鳩山首相が国連でオオボラ吹いた,温室効果ガスの1990年比25%削減(2020年まで,たったの10年以内にです!)は,真水つまり真の削減としてはとうてい実現できませんから,開発途上国などから排出権を買い取らなければなりません。それらの費用として,1世帯当たり年額36万円程度の支出が必要となるとの試算があります。さらに,環境税もしくは炭素税を画策しているようです。
 あれやこれやで今後国民は大変な負担を強いられることになります。「朝四暮三」の愚かな選択をしてしまった日本国民,後悔は先に立ちません。さて,どうしますか。
 「日本国民は,それほど愚かなのでしょうか。」


これは政権交代でなく社会主義革命だ―民主党政権の目論むもの

2009年09月25日 18時11分54秒 | Weblog

 民主党を中心とする連立政権が発足して数週間が経過しましたが,その間の政権の動きを見ていますと,あるはっきりとした傾向があることが見て取れます。
 それは,日本の政治形態ばかりでなく,社会全体をある方向へ持って行こうとする動きです。つまり,社会主義国家への道です。その動きはまるで「憑かれもの」のようです。それもかなり切迫した進行速度でです。
 なぜそんなに急ぐのか,まさか他国からの秘密指令によるものではないでしょうね。(かつてのコミンテルンに指導された日本共産党のように。)
 表向きは旧態然たる自民党政治からの脱却,脱官僚政治主導を謳って国民の支持を得たように見せかけていますが,実態は,日本を国家ごと外国に売り渡そうとしているようではありませんか。お人好しというか,他国の政治的侵略に不慣れな日本人が,騙されてしまったのです。考えたくないことですが,絶対にあり得ないことでもありません。
 そもそも日本人は,他国の動きに過敏です。外国からどう見られるかを一番気にする国民ではないでしょうか。そして,日本人の多くがもっとも気にしているのがアメリカ人の動きです。
 かつてJ.F.ケネディが大統領就任演説で口にした言葉に感激して,そのレコード(当時CDはありませんでしたから,ひらひらのビニール盤だったと記憶しています)が売れに売れました。しかし,買っても全部聴いた人はほんの僅かだったでしょう。
 そして,現代ではオバマ大統領の“Change!”です。日本の民主党は,この言葉を最大限に利用したと云えます。日本人の英語好き(ただし,好きなだけで本当に勉強するつもりはない。英会話学校の盛衰を見れば一目瞭然)が災いしました。オバマ大統領の演説のCDも売れたようです。しかし,買っても全部聴いた人はほんの僅かでしょう。
 忘れてはならないのは,ケネディはベトナム戦争に深入りして抜けられないまま暗殺されました。オバマはいまやアフガニスタンに深入りしようとしています。暗殺されるかどうかは分かりませんが,アフガニスタンは泥沼です。永久に解決しないでしょう。
 横道に逸れてしまいましたが本題に戻ります。日本の鳩山政権です。
 政権発足以来の数週間に,鳩山内閣の大臣らがやってきたことと云えば,どれも日本の民主主義政治の根幹を揺るがすことばかりです。
 私が最も気になるのは,通信・放送などの監督を総務省から切り離して独立委員会で行う,という方針です。これも,表向きは報道の国家権力からの独立ということで,アメリカのFCCを真似るつもりのようですが,よく考えれば,革命勢力による支配も可能になる,と云うことではないでしょうか。なぜ,民主党政権が発足早々にこんなことを急ぐのかというと,「NHKの独立」を潜めているからではありませんか。
 現代においては,クーデタの首謀者側が真っ先に行うのは放送局の占拠です。1945年の8月15日を前にしてのいわゆる玉音盤奪取も,放送局占拠に関わるものでした。民主党政権は,早ければ来年の通常国会に新機関の設置法案を提出し,2011年の発足を目指すそうです。つまり,社会主義革命は,再来年に目標を定めている,と見ていいでしょう。
 彼らが目指すのは,馬鹿番組を一日中流して恥じない民放ではなく,日本最大の情報発信局NHKの支配です。元々NHKが偏向していることは,かつての昭和天皇を戦犯扱いしたドキュメンタリー(「女性国際戦犯法廷」)をこっそりと3チャンネル教育テレビで流して,安倍晋三・,中川昭一という自民党有力者の介入を受けたの受けないの,という一連の騒動,最近の台湾から訴訟を受けている,台湾にまつわるかつての日本の施策批判(「ジャパンデビュー」),などで明らかです。この2件に限らず,近年のNHKの偏向は見過ごせません。
 次が,報道規制とも云うべき,自民党政権下で普通に行われてきた官僚の定例記者会見の禁止です。これも革命政府の常套手段です。「知らしむべからず由らしむべし」が目標です。
 さらに,常識的には急がないでよい法案を矢継ぎ早に準備しているようで,これも社会主義革命を念頭に置いているのではないかと思えてなりません。
 他に注目されるのは,連合が「処分された社会保険庁の職員などを復職させる」よう新政権に要求していることです。(→読売新聞)
 これを許したら,国家秩序は滅茶苦茶になってしまいます。しかし,民主党そのものが連合の支援を最も受けているのですから,この連合の要求を決して無碍にはできないはずです。これも,革命政府がよくやる手です。政治犯の釈放,ひどいときには汚職役人の釈放までしてしまう革命政府が,諸外国にいくらでも見られます。
 前にも書きましたが,これは戦後の民主政治の全否定です。自民党政権がやったことは全て悪である。全部否定して新しい政治機構を作るんだ,というのは,革命政府のやることであって,政権交代ではありません。
 本当に注意しなければなりません。社民党の福島瑞穂は勿論のこと,小沢一郎,鳩山由紀夫などなど親中国,親ロシア,親北朝鮮の面々がそろっています。彼らは売国を目論んでいるのかも知れません。


前原誠司は,小沢・鳩山に嵌められた―八ッ場ダムは前原に仕掛けられた罠

2009年09月23日 19時19分44秒 | Weblog

 民主党政権が成立して,前原誠司は国土交通大臣に,岡田克也は外務大臣に就任しました。そして就任早々,前原国交相は八ッ場ダム中止問題,岡田外相は海上自衛隊インド洋給油活動の停止,という難しい問題に直面しています。
 先ず,八ッ場ダム中止問題を考えると,50年を超える工事がやっと本体工事入札までたどり着いたわけで,その間にダム湖底に沈む住民は苦労に苦労を重ねながら,ようやくそれぞれの落ち着き場所を見つけ始めたはずです。その間に亡くなっていった人,生まれてきた人,どれだけいたことでしょう。
 住民の生活は,完成するはずのダムの存在を前提に成立してきたはずです。それが,大前提が崩されてしまうのです。工事半ばで放置される廃墟だけが残されるのです。こんな残酷なことがあるでしょうか。
 国民の多くが新政権に反撥すのは当然でしょう。それを,単にムダだと決めつけて,一方的に建設を中止してしまう。最近の前原誠司ののっぺりした仏頂面を見るに付け,この男はこんなに馬鹿だったか,と期待外れに情けなくなります。
 一方,岡田克也もインド洋における日本の給油活動は法令の期限である来年1月に撤退すると明言して憚りません。世界的に評価され,認められている活動を,です。クリントン国務長官から撤退後の代替案を求められても,何の提案もできる状態にはありません。これから考えるというのが実情でしょう。これは世界に対する背信,言い換えれば世界の日本に対する評価に関わる重大事です。
 かねてから,前原誠司,岡田克也が民主党の闇将軍小沢一郎から距離を置いていたことはよく知られています。小沢一郎もそれを承知していたことは間違いありません。
 小沢一郎の傀儡鳩山由紀夫が組閣するに当たって,小沢から強く要請されたのが前原・岡田両名の「外し」であったことが,マスコミから洩れています。
 つまり,前原には八ッ場ダム,岡田には給油活動を押しつけて,そこで失敗させて,両名に対する国民の評価を貶めて,両人の立場を無くするように計算したのでしょう。
 前原が八ッ場ダムを中止すれば,民主党内の評価は維持できるでしょうが,現地住民,1都5県の住民の厳しい評価に晒されます。それは,前原の今後の政治活動にも大きな影を落とすしょう。あるいは政治生命に致命的ダメージかも知れません。岡田も同様です。
 闇将軍小沢一郎は,そこまで読んで傀儡鳩山由紀夫に指示したのでしょう。
 「闇将軍小沢一郎」と繰り返してきましたが,小沢は政治家としての出発以来,かの自民党の闇将軍田中角栄の寵愛を得て薫陶を受けてきたのですから,闇将軍を承継しても不思議はありません。
 八ッ場ダム問題に付け加えておきます。八ッ場ダムにはすでに4600億円の総工費(予定)に対して3200億円が投じられているそうです。残りがダム本体工事などですから,あと1400億円ほどでしょう。これを中止して,民主党が中止に代わる住民補償などを行うとすれば数百億円が必要でしょうし,受益費として1都5県が投じた(国民の税金)千数百億円の返還もあります。さらに,これまでに建設してしまったトンネル,橋梁,などは撤去するつもりなのでしょうか,それともそのまま放置するつもりなのでしょうか。それだけでもかなりの金額を必要とします。ダム湖中の横断道路のための橋柱,それぞれ100メートルはあろうという橋柱をそのまま放置したら,何という無様な姿でしょう。
 鳩山由紀夫は,スタンフォード大学でオペレーションズ・リサーチ(OR)を勉強したそうですが,このORで考えれば,こんな無駄はしないはずです。80%達成している工事を中止することは,あと20%の費用を投ずるよりもはるかに高価につくことは自明です。
 それでも中止するというような馬鹿なことは,まともなORでは考えられません。
 民主党連立政権が発足して以来の2週間を見ていますと,自民党の行ってきたことをすべて悪として全否定しているようです。
 似たようなパターンがあります。社民党などが好きな「自虐史観」と同じです。自虐史観では,戦前の全否定を前提としています。
 これは,政権交代,2党体制ではありません。革命です。ちょうど明治維新と同じではありませんか。徳川がやってきたことはすべて悪かったのでしょうか。自民党がやってきたことは全て悪かったのでしょうか。
 徳川は300年続き,自民党は半世紀続いたのです。徳川も自民党も長く続けば腐敗も停滞も起きてきましたが,それだけで全否定してよいのでしょうか。
 その証拠に,自民党政権の合間合間に社会党政権や野党連立政権が挟まった時期がありますが,みんな短命,1年と保たない政権ばかりだったではありませんか。
 封建時代ならばともかく,民主主義の下で,国民の自由選択として自民党政権は続いてきたのです。


官僚排除はいつか来た道―昭和の初めにあったこと

2009年09月20日 23時20分17秒 | Weblog

 慶應大学教授にして文芸評論家の福田和也氏が月刊文藝春秋に連載している「昭和天皇」に興味深い一節がありました。ちょっと長くなりますが,引用します。
 『斉藤内閣の滑りだしは,上々に見えた。内閣が,最初に取り組んだ課題は,官吏の身分保障制度であった。当時,官吏の身分は極めて不安定であった。文官分限令第十一条第一項第四号により,行政官は官庁の都合により,いつでも休職させられることになっていた。この規定により,政権が交代するたびに,主に内務省を中心として大幅な人事の更迭が行われ,選挙において与党が有利になる態勢がしかれてきた。野心ある官吏は,政党と癒着したため,行政の中立がはなはだしく損なわれてきた。一方で,官吏の身分保障がないことにより,政党人の官僚機構にたいする優位が確保されていたのも事実である。身分が代わるため人材の流動を促すという意義もあった。けれど政党政治の腐敗が進むにつれて,弊害の方が強く意識されるようになってきたのである。斉藤実総理は,分限令第十一条第一項第四号の撤廃には失敗したものの,高等文官・判任官に休職を命じる場合には,総理大臣を会長,枢密顧問官を委員とする委員会での審議を要することとして,実質的に分限令を政党が乱用できなくした。この処置は,政治腐敗の歯止めに一定の効果をたしかに挙げた。その一方で,いわゆる「新官僚」の台頭を許し,軍部と官僚の結託による戦時体制の構築を可能ならしめた。何よりも平成の今日に至る,政治家に対する官僚機構の優位をもたらしたという点で,きわめて「画期的」な変化であった。』(→月刊文藝春秋2009年3月号426頁)
 ここで注目しなければならないのは,「官僚の身分を保障しないことで,政党人の官僚機構に対する優位が確保されていた。」「官僚の身分を保障したために,軍部あるいは政党人にすり寄る『新官僚』が台頭し,これが軍部と結託して結局戦時体制が生まれ,敗戦を経て,ふたたび官僚が優位をしめる今日の弊害に至った」,と云うことです。
 民主党を中心とした社民党,国民新党との連立政権も,結局は「機を見るに敏で,連立政権にすり寄ってくる官僚に支配されることになるのではないかと危惧するのです。
 鳩山総理を始めとする連立政権の幹部が,いくら「官」に対する「政」の優位を主張しても,何から何まで政治家ができるわけがありません。ましてや,民主党300余席の衆議院議員のうちの140数席は右も左も分からない新人です。
 必ず,民主党議員に「すり寄ってくる」官僚が現れます。そして,ふたたび「新官僚」による支配を策すことになるでしょう。早い話が,2020年までに温室効果ガスを25%削減する,と鳩山由紀夫が唱えれば,「できますとも」と調子を合わせる役人がすでに出てきているではありませんか。
 自民党政権よりも始末が悪いのは,鳩山総理が歯の浮くような「友愛政治」を唱えようとも,現実は友愛どころではないことでしょう。明日国連総会に出向いて,「2020年までに温室効果ガスを25%削減する」,と演説すれば,諸外国の首脳は「いいカモが来た」とばかりに褒めそやし,陰では嘲笑・哄笑することでしょう。これから馬鹿を見るのは日本国民です。「世界各国の参加を前提とする」,などと留保を付けても,そんな留保は忘れられ,「2020年までに温室効果ガスを25%削減する」という数字だけが日本の国家としての世界に対する公約だとされてしまいます。こんな「友愛政治」がありますか。
 アメリカでは,政権が替わると官僚はもとより,かなり下位の役人まで一新されるそうです。しかし,平成の日本で戦前のような文官分限令第十一条第一項第四号に匹敵する法律を制定することは望めません。第一,公労協がこぞって加盟する連合が黙っていません。その連合は,民主党の最大の支援団体です。おそらく,民主連立政権には「ヤミ専従」の役人すら処分できないでしょう。絶対矛盾的自己同一見たいなものではありませんか。
 ですから,せいぜい半年しかもたないと主張しているのです。
 しかし,それには自民党にしっかりして貰わなければなりません。小泉純一郎氏は「自民党をぶっ壊す」と叫んで,本当に文字通りぶっ壊してしまいました。いまの自民党が「昔の名前で出ています」とはいかないでしょう。党名の変更から取り組まないと駄目かも知れません。
 それと,森喜朗のような愚か者がキングメーカーを気取るようでは,とうてい勝てないのではないでしょうか。愛媛県立宇和島水産高等学校の練習船「えひめ丸」がハワイで米原潜に沈没させられた事件の第一報に際しての森喜朗の無様なゴルフウェア姿を今でも覚えています。
 先の選挙で民主党に投票した人たちは,ただ自民党という名前がいやだ,“Change!”だ,と云うだけで深く考えもしないで投票したのです。
 急がないと,半年で潰れる民主連立政権の後釜に座れません。


特定郵便局は,脱税の温床だった―亀井静香が復活を狙うもの

2009年09月17日 21時33分03秒 | Weblog

 自民党の小泉純一郎氏が断行した郵政改革の前,全国には特定郵便局のネットワークが張り巡らされていました。そして,通常の郵便業務に加えて郵便貯金,簡易保険などの金融業務も行っていました。
 これらの金融業務で動く巨額の金を,どこが管理していたのかご存知ですか。以下は,ささやかな経験に基づいた実話です。
 ある人物の妻の遠縁に,関東近辺のある県のある町の特定郵便局長がいました。この特定郵便局長は,その人物とは別の県に居住していました。この特定郵便局長が,しきりに郵便局の金融商品を利用するように勧めていたのだそうです。その人物を通じて私も幾度か勧められました。
 なぜ,特定郵便局長が熱心に勧めたのか,不思議に思って私が確かめたところでは,特定郵便局長によると,郵便局の金融商品は税務署の追求を受けない,税務署の管轄外だと云うのです。言外に,脱税あるいは財産隠しのための勧誘の可能性を示唆していたのです。
 この世に税務署,つまり国税庁が把握できない部分があるものだろうか,と半信半疑のまま,私はこの特定郵便局長の勧めには乗りませんでした。
 ところが,十年,いや数十年を経た後に,ある問題が起き,否応なくこの問題を思い起こさせられたのです。上記の人物に税金問題が生じ,税務署が調査を始めたのです。その人物との関係で,私のところにも税務署員がやってきて,いろいろと質問を受けました。
 その税務署員は,私を信用したのでしょう。調査結果の資料を見せてくれました。その緻密なこと,金の流れは完全に把握されており,何年何月何日の何時何分に○○銀行本店に現金を持って訪れ,額面××円の割引債券を△△枚,合計いくらいくら購入した。と云う具合で,フローチャートよろしく金の流れが一目瞭然に図示されていたのです。ところどころで金の流れを示す線が途切れていました。
 ところが,その人物がかねてから自慢していた特定郵便局長とのつながりを示すはずの流れは全く描かれていなかったのです。「こことここが不明なんですよ」と税務署員が説明してくれました。
 「そう云えば郵便局の関係は分からないのですか」,と税務署員に訊いてみたのです。その時税務署員は,「調べてみますが,お時間を下さい」と答えました。
 それからひと月かふた月ほど経ってから,税務署員がやってきました。そして云うことに,「残念ながら手が出せませんでした。国税庁とは管轄が違うので駄目でした,申し訳ありません」,と税務署員から謝られたのです。終始,実に丁寧な対応でした。
 これでかつての特定郵便局長の言が間違いなかったことを知ったのです。例えば,東京在住の人が東北の特定郵便局を利用したような場合には,なおのこと「治外法権」だそうでした。
 小泉純一郎氏が郵政改革を強行した理由のうちに,特定郵便局を利用した脱税問題があったのかどうかは分かりませんが,郵政改革に反撥して自民党を離党した亀井静香が,なぜ党を割ってまで反対し続けたのか,思い当たった気がします。
 全国にどれだけの特定郵便局があったのか分かりませんが,数万いや数十万に達していたのではないかと思います。少なくとも,当時の町村の数以上であったはずです。そして,特定郵便局長は,地方であればあるほど土地の名士でもありますから,選挙の時には票田,あるいは票のとりまとめに大きな力を発揮していたのではないかと思います。
 それが証拠に,郵政改革当時の自民党に,コウモリのように平気で変節を繰り返す荒井弘幸という議員がいましたが,この人の父親は特定郵便局長で,父親の影響力で選挙を勝てたのだそうです。そして,この男も郵政改革に反撥して自民党を飛び出しました。今は何処にいるのでしょう。知る気にもなりませんが。
 国民新党を作った亀井静香と綿貫民輔は,この点で利害が一致したのでしょう。
そして,今回の民主政権に連立参加することで,かつての特定郵便局の旨みを再現しようと狙っているのではないでしょうか。そうでなければ,昨日発足したばかりの鳩山内閣で,早々と郵政グループの組織変更を図り,しかも金融2部門に最優先で手を付けるのは不自然です。
 おそらく,亀井静香は鳩山政権が長くは続かないことを承知の上で,自分の分だけさっさと「よいとこ取り」をして,あとは野となれ山となれ,と逃げ出すつもりでしょう。
 小沢・鳩山側にしても,今は参議院で単独過半数を取っていないので,厄介者の社民党や国民新党の横暴に目をつむっていますが,来年の参院選で単独過半数を取ってしまえば,こんなゴミのような連中さっさと追い出してしまえ,と云うことになるでしょう。
 まさに同床異夢,呉越同舟とはよく云ったものです。


ORを専攻した鳩山由紀夫は,弱者を切り捨てるのではないか―注意せよ,理系脳の欠陥に

2009年09月14日 19時51分34秒 | Weblog

 9月12日付けの読売新聞夕刊第1面のトップ記事として,こんなことが書いてありました。
 『16日にも発足する鳩山内閣は,内閣の枢要なポストに理系出身者が並ぶ戦後初の本格的「理系内閣」になりそうだ。』と云うのです。こんなくだらないことを,夕刊とは云え第1面トップに持ってくる意味が分かりませんが,ひと言加えたくなりました。
 読売新聞の記事によれば,『首相となる鳩山代表はスタンフォード大学工学部出身のPh.D.,官房長官に内定している平野博文氏は中央大学理工学部卒,国家戦略相となる菅代表代行も東工大理学部で応用物理学を学んだ』そうです。
 ヤクザまがいの人間が多い(失礼)新聞記者から見れば,理系出身者というだけで,なにか畏敬の念を抱くのかも知れませんが,理系出身者にはそれなりの欠陥があります。
 一番いけないのが,理系人間共通の欠点として「自説に固執する」ことでしょう。無理もないことかも知れませんが,理系全般に云えることは,自説に固執しなければやっていけない一面もあります。優秀な理系人間であればあるほど,自分が確立した説に固執する傾向があります。一般社会では,これを「柔軟性に欠ける」人間と呼びます。
 ですから,一度立てた自説に固執するあまり,融通が利かなくなり,また批判に対しては無理にでも理屈を並べ立てて(でっち上げてでも)自説を補強する傾向があります。イギリスの世界的天文学者フレッド・ホイル(Sir Fred Hoyle)が,定常宇宙論に固執するあまり,晩年に取った行動がそれです。
 これは,融通無碍が求められる政治の世界では問題でしょう。
 それよりも,読売新聞の記事で気になったのは,鳩山代表がオペレーションズ・リサーチ(OR,Operations Research)を専攻していた,と云う部分です。
 ORは,まさに文字通り「作戦研究」からはじまった分野です。イギリス軍が第二次世界大戦を戦うに当たって,兵器,物資,人員などの配分,配置を数学的に策定しようとした研究が出発点です。当然ながら,イギリスからアメリカに研究は受け継がれました。したがって,作戦において勝利を収めるには,現状を冷静に分析して,兵力を最適に配分すると共に,損害を最小にすることが求められます。その中には,戦死した兵士の遺体を収容する「死体袋」の予定数まで考慮されているのです。つまり,作戦には当然戦死者が出るから,想定される戦死者数だけの「死体袋」をあらかじめ用意しておこう,と云うわけです。これが道徳的にどうこうというのではありませんし,当然の準備かも知れません。冷徹な計算結果に従えば,と云うことです。
 作戦を立てるに当たって,ORの結果が不利と出た場合,切り捨てる必要があれば冷厳に切り捨てることも辞しません。数学ですから,そこに感情は一切差し挟まれません。
 私が心配するのは,そう云った数学的思考が身についた理系人間が首相になったら,暖かみに欠ける施策を行うのではないか,と云うことです。 戦時において予定される死体袋を数えるような冷徹さが,政治の世界では仇になることもあります。
 まさか,昔学んだ数学を引きずって政治をするとは思えませんが,考え方の根底にORの冷徹さがあれば,なにかのときにそれが頭をもたげてくるのではないでしょうか。それが心配です。


JAL(日本航空)は,労組に潰された―民主党政権で増える倒産

2009年09月12日 21時56分03秒 | Weblog

 数年前まで,北海道の大学と共同開発をしていた関係で,ひんぱんに北海道のある都市を訪問していました。そこにはJAL以外の航空会社が乗り入れていないので,仕方なく?JALを使わざるを得ませんでした。
 JALで飛ぶと,目的の空港に近づくずっと前,まだ水平飛行をしている最中にキャビンアテンダントの女性が専用座席に着席してベルトを締めてしまいます。まだ,トイレに立つ乗客がいる間に,です。
 その理由として,「機長の指示によりこれより着席します」,とキャビンアテンダントが機内アナウンスするのです。たまたまキャビンアテンダントの専用席のそばに座ったこともあるので,この光景を目撃したこともあります。別に気流が乱れているわけでもなく,安定した飛行をしているのに,です。
 そして気が付きました。組合がそうしているのだと云うことに。他の航空会社でそんな例は見たことがありません。全日空はもちろん,外国系の会社でもありません。おとなり韓国の大韓航空に至っては,着陸態勢に入ってもしばらくは立ち働いているキャビンアテンダントがたくさんいます。これは,彼女らの職業意識によるものでしょう。
 JALの労働組合が内部で数多くに分かれており,それぞれが角突き合ったり,協調したりしつつ,何かと云うとストライキをしたりしていることはよく知られています。JALのキャビンアテンダントと機長は,それぞれ別の組合に所属していたと思いますが,おそらく乗客へのサービスもそこそこに,キャビンアテンダントが早々と水平飛行中に着席してしまうのも,労組の指示かと思われます。
 今回JALは,深刻な経営危機に見舞われ,資金繰りもままならなくなり,とうとうアメリカのデルタ航空及びフランスのエールフランス航空に資金援助を求める事態になってしまいました。
 もちろん今回の経営危機の原因には,経営者の問題やテロ,世界的金融危機などの原因もあるでしょうが,最大の原因はJALの複雑な労組事情と,客を客とも思わない労組優先の経営に大きな原因があるのではないでしょうか。
 今回の衆院選挙で民主党が大勝し,コバンザメのように民主党の腹にぴったりと吸い付く社民党も民主党政権の一翼を担うとすれば,日本全国の主要労組からなる「連合」を最大の支援先とする民主党政権下で,労組の支配力はますます高まり,今回のJALと同様な経営危機が,他の企業でも起こりうるかも知れません。
まるで,旧国鉄の末期とおなじ経過をたどるかも知れません。
 特に,民営化前に国家が管理していた機関,たとえば郵政グループも同様です。民主党は,マニフェストで,小泉純一郎氏が実行した郵政民営化を見直すことをはっきりと示しています。元郵政グループに属する民営化企業も,後戻りして労組支配になるかも知れません。恐ろしいことです。まさか国鉄も復活するのではないでしょうね。
 注意しなければならないのは,今回の外資系資本の導入が実行されれば,もはやJALはフラッグ・キャリア(国を代表する航空会社)ではなくなる,と云うことです。天皇・皇后両陛下の搭乗機としての資格もありませんし,政府要人の搭乗機も見直さなければなりません。もっとも民主党政権の要人なんて身から出たサビかも知れませんが。


社民党の閣僚ポスト要求は,まるで北朝鮮並みだ―図々しいというか

2009年09月11日 22時18分01秒 | Weblog

 民主党,社民党,国民新党の3党連立内閣が来週半ばには成立する模様ですが,社民党,国民新党共に閣僚ポストを要求して民主党に盛んに攻勢をかけています。
 中でも,社民党は党首の福島瑞穂が初めて入閣する事態となり,党内は興奮気味のようです。そして,やれ厚生労働大臣にしろだの環境大臣にしろだのと電話をかけまくったり,直接要求したりしています。
 しかし,かたや308議席の民主党に対して社民党は7議席,国民新党に至ってはわずか3議席しかありません。民主党内部には不満が噴き出しており,いまや独り勝ち気分で驕り高ぶった連中が「閣僚のポストが頂けるだけでも有り難く思え」とばかりに社民党・国民新党切り捨ての声さえ聞こえてくるほどです。
 それにしても,このなりふり構わない社民党の態度,どこかの国と似ていませんか。そう,北朝鮮です。
 あの北朝鮮も,自らが弱小のならず者の国なのに,ミサイルを飛ばすは,核を放棄するどころかプルトニウムまで蓄えるは遣りたい放題,アメリカとの直接対話を求めて6カ国協議なぞあって無きがごとき状態のまま放置されています。
 308対7でも小沢一郎,鳩山由紀夫に対等の閣僚ポストを要求する社民党首・福島瑞穂は,まるで北朝鮮の独裁者・金正日ですね。
 それにしても,衆院で308議席を獲得した民主党にしては,のどに刺さったトゲです。早く抜きたいことでしょう。トゲの方はここで抜かれてはたまらない,と云うわけです。
 以下は,2007年8月に書いた小沢一郎と福島瑞穂の関係です。ご参考まで。
《「サイレンに引き寄せられる民主党・小沢一郎」
 ギリシャ神話では,セイレーヌといわれるニンフが,荒れる海の岩礁で美しい歌声で歌を歌っ て船乗りを魅惑し,難破させて命を奪う。このセイレーヌがラテン語でシレンとなり,英語のサイレン,緊急自動車のサイレンとなったと云われています。オ デュッセウスもこの誘惑を受け,自らはマストに身体を縛り付け,乗組員には耳栓をさせてセイレーヌの歌声を聴かせないようにして難を避けた,とされていま す。
 さて,最近の小沢一郎は,まさに社民党・福島瑞穂の歌声に引き寄せられ,ひたすら社民党の岩礁に引き寄せられているように見えます。何でも反対,国益も なにもない,テロ特措法なんて認めない。郵政民営化法案は凍結せよ。これらはみんな民主党内の旧社会党の残党に導かれた社民党との共闘の結果としか思えません。結局政権政党となる道を断念して,何でも反対の万年野党として憎つき自民党の大敗(→この大敗は,先の参議院選挙での大敗です,念のため。2009年9月11日付記)に乗じて嫌がらせの極みを楽しもうとしています。秋には,自民党の 社会保険庁改革法案の凍結を云い出すかも知れません。
 福島瑞穂がセイレーヌに擬せられてはセイレーヌが大泣きに泣くでしょうが,まあ悪女福島瑞穂(→2007年7月31日「やはり出てきた悪女の深情け―社民党 福島瑞穂」)ですから,とりあえず。
 一方の小沢一郎も,オデュッセウスでは過当評価で,ゴリアテでもオーバーかも知れませんが,とりあえず。
 ともかく,こんな何でも反対党になることを,民主党の良識派・前原誠司,枝野幸男,岡田克也の各氏などは本心から認めているのでしょうか。とうてい信じられませんが。》