備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『ラマンチャの男』in Seoul

2015-08-14 23:56:18 | 他言語ミュージカル
『뮤지컬 맨오브라만차』
at디큐브아트센터 (d cube arts center)

開演前は、舞台上に切り立った岩場が広がる。
下手の3階くらいに跳ね上がった階段。

10分前くらいにアンサンブルの囚人達が
集まり始め、”オーバーチェア”スタート。

終了後、スペインタンゴな音楽。
歌い手もダンサーも女性。

跳ね上がった階段が、降ろされ、
セルバンテスや荷物を持ったサンチョが降りてくる。

この段階で、若い設定のセルバンテス。

牢名主とカクスコ博士になる人物、
囚人達によるセルバンテスの裁判開始。

台本を焼かれそうになり、実演に。

芝居用の剣は、根本から折れる
タイプでなく、引っ込みタイプの剣。

セルバンテスからキハーナへは、
後ろ向きのまま、付け髭、着替え、
鎧装着とやって、振り返るタイミングで、
『その名もドン・キホーテ!』

”ラマンチャの男”
第一発声が、バリトン。
え、この低音で行くの?、と。

また、この扮装になると、
中腰になり、目が見開く。
ちょっと、怖いくらいに見開く。
台詞を話している時は、普通なのだが、
隣で別な役者が話しているときの
直立不動時にかっと目を見開く。

サンチョが高音で、かなり高めなテノール。

ロシナンテは、木馬で、
右から左に紐で移動していく。


まず、最初の敵は風車。
音ともに、上手に風車が投影。

突っ込むけれど、兜と剣が戻ってくる。
この時に、剣がスプリング状態に。

宿屋を城に見立てる件。

城と言い張る、ドン・キホーテに、
『どう観ても宿屋』とサンチョに突っ込まれる。
このツッコミで異様に沸く客席。
それ以上のことを言っているのかも?

バックの岩場が上がり、宿屋に。
ここで、追加の配役をするために、
ドン・キホーテからセルバンテスに。
こういう時は、シュッと立つセルバンテス。

牢名主を宿屋の主人にして、
焚き火の側にいた女をアルドンサに。

”同じことさ”
下手の跳ね上がった板が下がり、入り口が。
ここから、改めてアルドンサ登場。
この高音域曲を裏声でなく、地声で歌いきる。

ドン・キホーテ、宿屋に。
まず、槍がつっかえて入れないという
ボケから始まり、おかしな言動で主人が困惑。

宿屋の女将は、止めるように
言うが、向かい入れる主人。


”ドルシネア”
アルドンサをドルシネアと言い、称える。
この『ドルシネア』と歌う時の
ドン・キホーテのバリトンが素晴らしい。

ここで、キハーナの家の話に。
囚人の一人、ロン毛の男が
積極的に立候補して、神父に。

また、家政婦は
家政婦に相応しい女性がと、
セルバンテスが言い、
家政婦が選ばれると笑いが起こる。

カクスコが強面の囚人に。
こちら、かなりイヤイヤ。

で、バックにステンドグラスが入り、教会になる。

アントニアと家政婦に、『教会に走った』と
セルバンテスが演技指導すると、
その場で小走り演技をする三人。

”あの方の事を考えてばかり”
アントニアがソプラノ、
家政婦がアルト、
神父がテノールと、綺麗な三重唱。

告白(愚痴)が終わりそうで終わらないという小芝居あり。

セルバンテスの演技指導が入って、
カクスコ博士、登場。

この演技指導が、四角四面な男と入ったのか、
移動が全て、直角で移動。

”あの方の事を考えてばかり(RE)”
更に、バスのカクスコが入り、
大変に綺麗な四重唱に。

再び、宿屋。
水場でアルドンサが洗濯を
していると、サンチョ登場。

"The missive"(親書)
両手を微妙な角度で上げ、
歌い始めるが、途中でアルドンサが
ツッコミ、また最初から。

途中からは出来ないと、二回ほど。
途中に出てくる『アルドンサ』という台詞は、
ドン・キホーテを真似、バリトンで歌う。
(基本はテノール)

3度目になると、最初から早回しで、
先ほど止められたところまで歌う。

で、アルドンサから雑巾を貰うが、
その前に思い切り、両脇をふくアルドンサ。


”本当に好きだ”
『何故、そこまで仕えるのか?』と言われて、
突然、コミカル路線になるサンチョ。
(って、マジメにやっていても、十分コミカル路線だけど)

”小鳥よ小鳥”
気分を良くしたアルドンサに、
宿屋のゴロツキが絡んでくる。

このとき、最初に歌い出すゴロツキに、
演技指導をするセルバンテス。
最初は、恥ずかしがるが、
歌い出すと結構、本気に。

ここにカクスコと神父が入ってくる。
自分をキハーナと認めず、
『遍歴の騎士』という箇所で、
何故か異様に笑いが起こる。

”床屋の唄”
そこに陽気な床屋登場。
オレンジな衣装なため、
かなり陽気度が高い床屋。

歌は結構、普通。

被っている帽子に対し、
ドン・キホーテがマンブリーノの兜と。

”マンブリーノの黄金の兜”
ここでも相変わらずのバリトンで朗々と。
また、ゴロツキどもも歌に入り、
布みたいなものをまき散らし、
良く分からない凱旋モード。

仕舞いには、ドン・キホーテを担ぎ上げる。

なお、途中でドルシネアから貰った、
ボロ雑巾に顔を当てて臭いをかいだり。
まあ、それは良いのだけど、
それを頭にのせて兜をかぶるのは?
大事にしているという証?

”自分だけのドルネシア”
凱旋モードの終了後、
散らかった布を主人が片づけていると、
騎士の授与を依頼するドン・キホーテ。

ここで、ドン・キホーテが寝ずの番をやるのかと
思ったけど、あの動きをする前に、アルドンサ登場。
(イギリスの衛兵交代のような歩き方のヤツ)

で、あの名台詞を(多分)
言った後に、あのイントロ。

”見果てぬ夢”
これまた、バリトンで朗々と歌い始める。
基本、台詞というか、主張することなく、
メロディを優先して歌い上げていく。

なお、ラストのロングトーンは上げないが、
最後は『あの星の、も↓と↓へ↑』だと思っていたが、
『あの星の、も↑と↑へ→』というメロディーライン。


二幕開始、”見果てぬ夢(Re)”
サビだけでのリプライズで、
でも、やはりロングトーンは上げない。

”コンバット”
殺陣シーン。
ドン・キホーテが、槍にシガミツき、
両脇を持たれて回転というのがあるけど、
攻撃は身体ごとぶつかるという、
マサカの物理攻撃。それも二回。
その前に、アルドンサが、
木箱で殴っているので、
無事、相手は倒れるという結果。

最後は、『ビクトリー』と叫ぶ。

”騎士叙位の唄”
宿屋主人による、授与式。
まず、サンチョが、謎の動きで、剣を主人に渡す。
そして、右肩、左肩、頭の三点で、称号を与える。

ただ、それを二回やって、
三回目には早回し、からの歌。

ドン・キホーテが、先ほど退治した
ゴロツキを治療するというのを引き留め、
アルドンサが志願。で、強姦シーンに。
結構、直接的な表現が長々と続く。

”ムーア人の踊り”
一方、バックが空いて、ひまわり畑に。
そこにムーア人達が登場。
色々と盗られていき、
最後は二人の上着がとられ、終了。

鏡の騎士は、上手に一人、下手に一人、
後ろから三人と、全部で五人。

自分の姿を写され、
崩れ落ちていく表情演技が結構細かい。
あまり、演技の人イメージがないけど、
こういう処はキッチリ決めていく氏。

”一寸したゴシップ”
キハーナの寝ているベッドが
下手に頭がくるように設置。

下手からだと、思いっきり表情が見えない。


”見果てぬ夢”
アルドンサのリードボーカルで、
ドン・キホーテとして歌う。
ちょっと、アレンジが入るが、
やはり最後は上げない。

”聖歌”
神父ソロ。
テノールだけど、歌い上げないタイプ。


で、呼び出しが入り、
セルバンテスに戻り、
階段を登っていく。

途中で、牢名主に呼び止められ、
一瞬、客席の方に向くが、
振り切って、颯爽と登っていき、幕。


カテコの二回目で、
セルバンテスの衣装で”見果てぬ夢”を歌う。
で、そのまま全員と合唱。


ドン・キホーテ(세르반테스/돈키호테 역)@류정한
基本がバリトン。
高音域のロングトーンなイメージが、
あったため、こういう路線とは思わなかった。

セルバンテスは背筋、ピッ。
ドン・キホーテは中腰姿勢。
で、目の開き具合が怖い。


アルドンサ(알돈자 역)@전미도
クレジット的にサンチョより先。
ともかく、地声で引っ張り、
結構、高めの曲でも裏声にならない。


サンチョ(산초 역)@김호영
なんだろう、甲高い声なため、
召使いというよりは、お稚児さん的な。


牢名主(도지사/여관주인 역)@황만익
基本、老けメイクで、
主人になっても、それは変わらず。
憂い顔の騎士もウタウマなのだが、
もう少し、低音さが欲しい。


カクスコ(까라스코 역)@배준성
貴重なバリトン音域なのに、
ソロがないのが、惜しい。
なんだかんだいって、
曲があるのが、カルテット曲のみだし。


アントニア(안토니아 역)@박은미
何気にこのソプラノが上手い。
なに、こういう無駄遣い的配役。


全体的な流れは東宝版と同じ。

ただ、バックが空いて、色々な風景が挿入。
ステンドグラスからひまわり畑まで。

また、跳ね橋的舞台装置。
東宝が舞台に向かって縦に対し、
舞台に沿った跳ね橋。ただし、二つ。


で、このプロダクションで、
何が特徴的って照明が明るい、くらいか。
東宝版の暗い穴蔵で展開するのではなく、
普通に照明があり、暗転もする。

というか、そこまでの特徴がない。
でも、演出は韓国人ではなく、
ミュージカルのアジアツアー作品を演出する米人らしい。

後は、幕間が存在、くらいか。
『JCS』もそうだが、日本で幕間がない作品でも、
コチラは普通に、幕間を設けるのだろうか?
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