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ブラックの反対は…何ていうんだ?こういう会社

2009-06-23 21:11:26 | テレビ等
昨夜,久々にテレ東の『カンブリア宮殿』見たんですけど,
強烈でした~。

広島でシェアトップを占めるメガネチェーン店「21」
ここ十年近く,売上高は83~85億円をコンスタントにあげているのに
会社の利益は2000万円からマイナスの年も。5万円なんて年も
あったのには大笑いしました。
なぜこんなにも利益が少ないのか?
すべて値下げと社員のボーナスに注ぎこみ,内部留保をしないから。

カンブリア宮殿

この創業者・平本清氏がほんとうに個性的なキャラクターで
強烈でした。

※平本氏は社長じゃなくて専務。社長は単なる名誉職で,「社長」をしている社員は社長業は全くしていないという。

・20代後半でボーナス150万円,30代社員「多い年は450万」

・2000万円以内で「ごほうび」を買っていいことになり,
 ポルシェを買おうと思ったがやめてプレジャーボートを買い
 しかも個人所有ではなく,社員が自由に使えることにした。

ボウリング大会や釣りなどのレクリエーションは参加率が高く
大盛り上がり,すさまじい大盤振る舞いの和気靄々ぶりですが
会社の業績がそれだけよいからこそこんなことができるんですよね。
そんな「めがね21」はお客に対するサービスも型破り!

・店に来たお客にはもれなくお茶のサービス

・折れたフレームなどのメガネの修理は無料!

・同業他社が原価率30%程度で販売しているメガネを,
 原価率70%で販売(広告で公表)するという激安ぶり!


つい最近の「ドラゴン桜」続編『エンゼルバンク』で
「経営者がお客第一というのはウソ。不可能。
 経営者は社員が働きやすい環境を提供するために尽くし,
 社員がお客のために尽くすのが正しい企業の在り方」

と語られていましたが,まさにその生きたお手本。

これは,一度行ったお客はもう他のチェーンには行けませんね。
敏腕営業マンだった平本氏をリストラした当時広島ナンバーワンの
メガネチェーン(ボカシが入ってましたけど,赤い看板という
ことは…創業96周年の「T」チェーンかしら?)から地域シェアトップの
座を奪い,その地位はもう磐石といえるでしょう。

それにしても会社に利益を残さないというのはすさまじい。
店舗を増やしたり大きな出費があるときどうするの?と思うのですが,

会社が全国紙に全面広告を出したいが千万円規模でお金が足りない。
そこでチェーン店にカンパを要請すると(現在は128店舗とのこと)
各店舗から10万円ずつくらいのお金が集まり必要な金額がそろえられたそう。

また,平本氏はこうも言います。
「内部留保はしてある。会社ではなくて社員にしているだけ」

高い給料を払って,社員がきちんと蓄えれば,業績が悪くなって
給料が下がったとしても耐えることができるのだと。

しかし給料がいいときにたくさんもらって,実入りが悪くなったら
条件のいい所に出ていっちゃっうなんて社員が続出したら
何も残らなくなっちゃうのでは?
と思いもするのですが,この高い報酬は単なるばらまきじゃないし,
この会社の場合,社員の貯金はほんとうに会社にとっての内部留保
になるんですよね。

経営者は社員の身になって社員がどうやったら
存分に働けるか考えないといけない。
社員に会社のために働いてもらうには,
経営者の身になってもらうのが一番


というわけで,社員は同時に出資者にもなる。
社員だけが出資できる無担保融資の制度があって
かつては年利10%の配当で回っていたこともあったのだとか。
たとえば誰かがオーナーとして新規出店したいというとき
いくらボーナスをたくさんもらってても1人や夫婦2人の
貯えではとても無理。そんなとき社員の中から
出資者が名乗りを上げ,開業資金を調達できたり。

「私は性格が悪くて人気がないから
 お金をたくさん出さないと残ってもらえない。
 2人集まって話をしているだけで
 自分の悪口を言ってるんじゃないかって思うくらい
 猜疑心の強い人間だから」

などという平本氏ですが,
なかなかどうして強烈なカリスマ性を感じます。

彼の役員報酬は,前年の最高額を稼いだ社員のボーナスと
同額にしているそうですが,そうすると,社員の給料が
毎年上がる場合,常に平本氏より多く貰う社員が存在する
ことになる。そんな馬鹿な会社があるか,会社に隠して
溜めこんでいるに違いないとあるとき税務署の査察が
入ったそうですが,結局疑いは晴れ,

(会社に利益は残らないから法人税は払っていないけど
 社員の所得税という形でたくさん納めている)
「私も税務官さんの3倍くらいは納めているんだから
 道であったらちょっとよけてヨ」
と言ってやったそうです。
自ら「詐欺みたいな会社」と言いますが,
ほんとう,すごい創業者です。

それにしても,たしか一流大学卒の入社希望者が後を絶たず
安くて質の高い家を建てることで人気の「社員全員が大工」平成建設も
広島の会社だったと思いますが,広島ってこういう会社,経営者を
生みだす土壌があるんでしょうかね。理屈や常識,慣習にとらわれず
自分の中で筋が通っていればやりぬき通す行動力がありますよね。
※WBC監督を県民性で占う

この「めがね21」,なんと社長もお飾りなら管理職もいない,
全社員が平等なシステムなのだとか。
その全容は来週の放送で明らかになるそうです。


ついでに,先日から紹介しはじめました
日経ビジネスオンライン内のコラム紹介,
今回は同じように私が最近読んで印象に残った
強烈な「社員が主役」の会社・経営者を紹介した
記事を載せておきます。

社員の幸せを露骨に追求する会社
年功序列、終身雇用、低成長――伊那食品工業が問う「会社とは何か」
(2009年4月13日(月))

1カ月休んで精神修養、「体育会系の花屋」を率いるストイックな2枚目社長
パーク・コーポレーション社長 井上英明
(2009年5月29日(金))


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