米国における高齢者への推奨ワクチンの接種状況の記事を紹介します。
帯状疱疹と肺炎球菌ワクチンは高齢者特有のワクチンですが、小児期に接種して経年で免疫がなくなってしまう破傷風も推奨しているところが日本と異なります。
■ 米国高齢者の各種ワクチン接種率に差
(2017年07月05日:メディカル・トリビューン)
米疾病対策センター(CDC)の国立健康統計センター(NCHS)は6月28日、高齢者のワクチン接種状況について、3分の2が帯状疱疹ワクチンを受けたことがなく、半数近くが過去10年間に破傷風ワクチンを受けていなかったとNCHS Data Brief No.281 June 2017で発表した。今回の結果をまとめたNCHSのTina Norrisらは「各種ワクチン接種率は、インフルエンザ・肺炎球菌ワクチンは比較的高いが、差が大きい」と述べた。
◇ 人種民族や年齢、収入によっても接種率に差
2015年において、米国の65歳以上の高齢者は4,700万人を超えている。高齢者はワクチン接種で予防可能な感染症の合併リスクが増加するため、米国予防接種諮問委員会(ACIP)はインフルエンザ、肺炎球菌2回接種、帯状疱疹1回接種および10年ごとの破傷風の追加免疫を推奨している。
65歳以上の高齢者の過去12カ月以内のインフルエンザワクチン接種率は69%、肺炎球菌ワクチンの1回以上接種率は63.6%と高かった。これらのワクチン接種率は、65~74歳に比べて地域在住の85歳以上で高かった。しかし、過去10年以内の破傷風追加免疫、過去の帯状疱疹ワクチン接種率は、85歳以上の高齢者のほうが65~74歳よりも低かった。また、過去10年間の破傷風ワクチン接種率は女性よりも男性で高かった一方、帯状疱疹ワクチン接種率は男性よりも女性で高かった。
人種民族の違いがワクチン接種への制度的・社会的障壁の原因になることが報告されている。今回の研究でも、非ヒスパニック系白人は、ヒスパニック系および非ヒスパニック系黒人に比べて過去12カ月のインフルエンザワクチン接種率が高かった。非ヒスパニック系白人は、ヒスパニック系、非ヒスパニック系黒人・アジア人に比べて過去10年間の破傷風ワクチン接種率、肺炎球菌や帯状疱疹ワクチン接種率が低かった。非ヒスパニック系黒人は、ヒスパニック成人に比べて破傷風や帯状疱疹ワクチン接種率が低かったが、肺炎球菌接種率は高かった。
ワクチン接種率は世帯収入と正の相関を示した。65歳以上は経済状態が良いほど、インフルエンザ、肺炎球菌、破傷風および帯状疱疹ワクチン接種率が高かった。
帯状疱疹と肺炎球菌ワクチンは高齢者特有のワクチンですが、小児期に接種して経年で免疫がなくなってしまう破傷風も推奨しているところが日本と異なります。
■ 米国高齢者の各種ワクチン接種率に差
(2017年07月05日:メディカル・トリビューン)
米疾病対策センター(CDC)の国立健康統計センター(NCHS)は6月28日、高齢者のワクチン接種状況について、3分の2が帯状疱疹ワクチンを受けたことがなく、半数近くが過去10年間に破傷風ワクチンを受けていなかったとNCHS Data Brief No.281 June 2017で発表した。今回の結果をまとめたNCHSのTina Norrisらは「各種ワクチン接種率は、インフルエンザ・肺炎球菌ワクチンは比較的高いが、差が大きい」と述べた。
◇ 人種民族や年齢、収入によっても接種率に差
2015年において、米国の65歳以上の高齢者は4,700万人を超えている。高齢者はワクチン接種で予防可能な感染症の合併リスクが増加するため、米国予防接種諮問委員会(ACIP)はインフルエンザ、肺炎球菌2回接種、帯状疱疹1回接種および10年ごとの破傷風の追加免疫を推奨している。
65歳以上の高齢者の過去12カ月以内のインフルエンザワクチン接種率は69%、肺炎球菌ワクチンの1回以上接種率は63.6%と高かった。これらのワクチン接種率は、65~74歳に比べて地域在住の85歳以上で高かった。しかし、過去10年以内の破傷風追加免疫、過去の帯状疱疹ワクチン接種率は、85歳以上の高齢者のほうが65~74歳よりも低かった。また、過去10年間の破傷風ワクチン接種率は女性よりも男性で高かった一方、帯状疱疹ワクチン接種率は男性よりも女性で高かった。
人種民族の違いがワクチン接種への制度的・社会的障壁の原因になることが報告されている。今回の研究でも、非ヒスパニック系白人は、ヒスパニック系および非ヒスパニック系黒人に比べて過去12カ月のインフルエンザワクチン接種率が高かった。非ヒスパニック系白人は、ヒスパニック系、非ヒスパニック系黒人・アジア人に比べて過去10年間の破傷風ワクチン接種率、肺炎球菌や帯状疱疹ワクチン接種率が低かった。非ヒスパニック系黒人は、ヒスパニック成人に比べて破傷風や帯状疱疹ワクチン接種率が低かったが、肺炎球菌接種率は高かった。
ワクチン接種率は世帯収入と正の相関を示した。65歳以上は経済状態が良いほど、インフルエンザ、肺炎球菌、破傷風および帯状疱疹ワクチン接種率が高かった。