2014年10月に水痘ワクチンが定期接種化されました。
それもいきなり「2回接種」です。
従来、水痘(=みずぼうそう)は軽い病気と考えられ、子どもの友達が罹ったらうつしてもらうと考えるお母さんまでいました。
しかし、発症すると1週間は集団生活をできなくなり、その間親も仕事を休まなければなりません。
まれながら重い合併症も報告されています。
さらに、歳を取ると帯状疱疹という痛い病気が待っています。
それとは別に、重い病気(白血病やネフローゼ症候群、免疫不全状態)で闘病中の子どもが罹ると命に関わることがあります。
もし、そのような病気の子どもたちが入院治療している病院で水痘が発生した場合、病棟が閉鎖され病院機能が停止してしまう弊害が報告されています。
罹って軽く済む健康な子どもからお友達にうつった水痘が軽く済むとは限らないのです。
以上の事柄を解決するために開発されたのが水痘ワクチンです。
なんと、日本生まれ。
諸外国は早くから定期接種を開始し、効果不十分なため2回接種と進んで来ました。
開発国の日本は遅ればせながら2016年に追いついたところです。
■ 既に出てきた水痘ワクチン定期接種の効果
(小児保健研究 第74巻 第4号、595-596、2015)
・外国の水痘ワクチン接種スケジュール;
(米国)1996年に定期接種開始(生後12-15ヶ月対象に1回接種)、水痘患者数は減少したが2004年頃から水痘ワクチン接種後に慧王を発症する子どもが増加したため、2006年から4-6歳を対象に2回目の接種が始まる。
(ドイツ)2004年に精気接種を開始(11-14ヶ月を対象に1回接種)、しかし水痘患者数の減少が鈍いため、2009年から15-23ヶ月を対象に2回目の接種が始まる(最小接種間隔は4-6週間)。
・日本が2回接種を導入するにあたり、2回目を米国方式で行うかドイツ式で行うか問題になった。その際、三重県の保育園で水痘が流行し、ワクチンを受けていた園児の40-50%が軽症ながら水痘を発症するという事例があり、ドイツ方式を選択するに至る。
・すでにワクチンの効果が現れ、2015年の患者数はワクチン導入前の1/4に減少している;
・今後起きると予想される問題2つ;
①ワクチンを受けていない子どもがワクチン済みの水痘患者に接触しても発症しない。
これは自然感染と比べて周囲への感染力が低いため。大人になってから罹ると重症化するため、3歳過ぎても未罹患の子どもには水痘ワクチンを接種すべし。
②高齢者の帯状疱疹増加;
水痘ワクチン接種により水痘の流行規模が小さくなると、自然ブースターの機会が減少し、高齢者の帯状疱疹の発症頻度が増加する。水痘ワクチンは抗体を誘導・上昇させるだけではなく、帯状疱疹発症予防に関係する特異的細胞性免疫も強化する、高齢者へも推奨すべし。
水痘患者が減ると帯状疱疹が増えるという減少が世界中から報告されています。
帯状疱疹の対策もワクチンです。
ワクチンの底なし沼にはまっていくような・・・。
次の記事はカラフルでわかりやすいので引用しました;
■ 水痘ワクチンの2回接種スケジュール
(ビケンワクチンニュース、2013年12月)
・ 米国とドイツの2回接種スケジュール
次の記事は米国の事情を少し詳しく記述;
■ 水痘ワクチン2回接種の開始で患者85%減〜米CDC
(HealthDay News 2016年9月16日:m3.com)
米国では、水痘ワクチンの2回接種が推奨されるようになった2006年以降、水痘帯状疱疹ウイルスを原因とする水痘(水ぼうそう)の減少が続いていると、米国疾病管理予防センター(CDC)が報告している。2005~2006年から2013~2014年までの間に水痘は85%減少しており、特にワクチンの2回接種を受けている比率の高い5~14歳の小児に大幅な減少が認められているという。
CDCによると、水痘の症状はかゆみ、水疱状の発疹、倦怠感、発熱など。乳児、成人、免疫系の低下している人では重症になる傾向がある。予防接種が始まる前は、水痘はよくみられる疾患であり、1990年代はじめには米国で年間平均400万人が水痘に罹患し、1万3,500人が入院、100~150人が死亡していた。予防接種の実施により年間350万人以上の水痘を予防し、入院9,000件、死亡100件を阻止できるようになったと、CDCは報告している。
ワクチンによってすべての人の水痘を予防できるわけではないが、予防接種を受けた人が水痘に罹った場合、通常は予防接種をしていない人よりも水疱の数が少ないなど、軽症ですむ傾向があるという。監視すべき症例数が減少した現在、州の保健当局は新たな流行の特徴(症状の重症度、入院件数、予防接種の有無など)を十分に調査できるようになったと、CDCは指摘する。
今後は、依然として重症例が発生している理由と、予防接種を受けた人にも重症例がみられるのか否かを解明することが不可欠だという。研究責任著者のAdriana Lopez氏らは、「水痘の症例数をさらに減らすことにより、各州が水痘に関する調査を強化し、予防接種プログラムの効果を監視するための報告の完全性を高められる可能性がある」と話している。
米国では1996年に水痘ワクチンの1回接種が開始され、症例数が10年間で90%減少した。しかし、流行は引き続き発生していたため、2006年に2回接種スケジュールが開始された。CDCは、生後12~15カ月に1回目、4~6歳で2回目の接種を受けるよう勧告している。2014年までに40州が水痘に関するデータを報告しているが、予防接種プログラムの開始以来、毎年データを提出しているのはイリノイ州、ミシガン州、テキサス州、ウェストバージニア州の4州のみである。
それもいきなり「2回接種」です。
従来、水痘(=みずぼうそう)は軽い病気と考えられ、子どもの友達が罹ったらうつしてもらうと考えるお母さんまでいました。
しかし、発症すると1週間は集団生活をできなくなり、その間親も仕事を休まなければなりません。
まれながら重い合併症も報告されています。
さらに、歳を取ると帯状疱疹という痛い病気が待っています。
それとは別に、重い病気(白血病やネフローゼ症候群、免疫不全状態)で闘病中の子どもが罹ると命に関わることがあります。
もし、そのような病気の子どもたちが入院治療している病院で水痘が発生した場合、病棟が閉鎖され病院機能が停止してしまう弊害が報告されています。
罹って軽く済む健康な子どもからお友達にうつった水痘が軽く済むとは限らないのです。
以上の事柄を解決するために開発されたのが水痘ワクチンです。
なんと、日本生まれ。
諸外国は早くから定期接種を開始し、効果不十分なため2回接種と進んで来ました。
開発国の日本は遅ればせながら2016年に追いついたところです。
■ 既に出てきた水痘ワクチン定期接種の効果
(小児保健研究 第74巻 第4号、595-596、2015)
・外国の水痘ワクチン接種スケジュール;
(米国)1996年に定期接種開始(生後12-15ヶ月対象に1回接種)、水痘患者数は減少したが2004年頃から水痘ワクチン接種後に慧王を発症する子どもが増加したため、2006年から4-6歳を対象に2回目の接種が始まる。
(ドイツ)2004年に精気接種を開始(11-14ヶ月を対象に1回接種)、しかし水痘患者数の減少が鈍いため、2009年から15-23ヶ月を対象に2回目の接種が始まる(最小接種間隔は4-6週間)。
・日本が2回接種を導入するにあたり、2回目を米国方式で行うかドイツ式で行うか問題になった。その際、三重県の保育園で水痘が流行し、ワクチンを受けていた園児の40-50%が軽症ながら水痘を発症するという事例があり、ドイツ方式を選択するに至る。
・すでにワクチンの効果が現れ、2015年の患者数はワクチン導入前の1/4に減少している;
・今後起きると予想される問題2つ;
①ワクチンを受けていない子どもがワクチン済みの水痘患者に接触しても発症しない。
これは自然感染と比べて周囲への感染力が低いため。大人になってから罹ると重症化するため、3歳過ぎても未罹患の子どもには水痘ワクチンを接種すべし。
②高齢者の帯状疱疹増加;
水痘ワクチン接種により水痘の流行規模が小さくなると、自然ブースターの機会が減少し、高齢者の帯状疱疹の発症頻度が増加する。水痘ワクチンは抗体を誘導・上昇させるだけではなく、帯状疱疹発症予防に関係する特異的細胞性免疫も強化する、高齢者へも推奨すべし。
水痘患者が減ると帯状疱疹が増えるという減少が世界中から報告されています。
帯状疱疹の対策もワクチンです。
ワクチンの底なし沼にはまっていくような・・・。
次の記事はカラフルでわかりやすいので引用しました;
■ 水痘ワクチンの2回接種スケジュール
(ビケンワクチンニュース、2013年12月)
・ 米国とドイツの2回接種スケジュール
次の記事は米国の事情を少し詳しく記述;
■ 水痘ワクチン2回接種の開始で患者85%減〜米CDC
(HealthDay News 2016年9月16日:m3.com)
米国では、水痘ワクチンの2回接種が推奨されるようになった2006年以降、水痘帯状疱疹ウイルスを原因とする水痘(水ぼうそう)の減少が続いていると、米国疾病管理予防センター(CDC)が報告している。2005~2006年から2013~2014年までの間に水痘は85%減少しており、特にワクチンの2回接種を受けている比率の高い5~14歳の小児に大幅な減少が認められているという。
CDCによると、水痘の症状はかゆみ、水疱状の発疹、倦怠感、発熱など。乳児、成人、免疫系の低下している人では重症になる傾向がある。予防接種が始まる前は、水痘はよくみられる疾患であり、1990年代はじめには米国で年間平均400万人が水痘に罹患し、1万3,500人が入院、100~150人が死亡していた。予防接種の実施により年間350万人以上の水痘を予防し、入院9,000件、死亡100件を阻止できるようになったと、CDCは報告している。
ワクチンによってすべての人の水痘を予防できるわけではないが、予防接種を受けた人が水痘に罹った場合、通常は予防接種をしていない人よりも水疱の数が少ないなど、軽症ですむ傾向があるという。監視すべき症例数が減少した現在、州の保健当局は新たな流行の特徴(症状の重症度、入院件数、予防接種の有無など)を十分に調査できるようになったと、CDCは指摘する。
今後は、依然として重症例が発生している理由と、予防接種を受けた人にも重症例がみられるのか否かを解明することが不可欠だという。研究責任著者のAdriana Lopez氏らは、「水痘の症例数をさらに減らすことにより、各州が水痘に関する調査を強化し、予防接種プログラムの効果を監視するための報告の完全性を高められる可能性がある」と話している。
米国では1996年に水痘ワクチンの1回接種が開始され、症例数が10年間で90%減少した。しかし、流行は引き続き発生していたため、2006年に2回接種スケジュールが開始された。CDCは、生後12~15カ月に1回目、4~6歳で2回目の接種を受けるよう勧告している。2014年までに40州が水痘に関するデータを報告しているが、予防接種プログラムの開始以来、毎年データを提出しているのはイリノイ州、ミシガン州、テキサス州、ウェストバージニア州の4州のみである。