新・定年オジサンのつぶやき

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菅義偉の「毒パンケーキ」を食らったメディアが骨抜きされた

2020年10月06日 11時37分11秒 | 菅義偉

「たたき上げの苦労人」が最高権力者となると、その権力を縦横に使ってみたくなるのか、とあきれてしまう菅義偉。
 
「パンケーキ懇談会」という踏み絵を内閣記者クラブ連中に踏ませ、世論の批判を浴びて次回の懇談会は中止となったが、今度は記者クラブの分断作戦にでたらしい。
 
官房長官時代に内閣人局を設置して霞が関官僚の人事権を握り、忖度官僚を大量生産したのだが、首相となるやいなや税金の補助を受けている学術会議の会員は特別公務員なのだから、人事権は「俺様のモノ」と勘違いしている菅義偉。
 
自民党内からも批判の声が上がっていた。
 
自民・船田氏『明らかに解釈変更』 学術会議人事を批判

自民党の船田元・元経済企画庁長官は5日配信のメールマガジン(メルマガ)で、「日本学術会議」が推薦した会員候補のうち6人を菅政権が任命しなかったことについて、「明らかに(法律の)解釈の『変更』だ」と批判した。事前に国会などにも説明が無かったとして「結果として闇討ちのような形になってしまったのは残念だ」とも記した。
 船田氏はメルマガで、「1983年に(日本学術会議の)会員の公選制から任命制に変更した際は、私も衆議院文教委員として審議に携わった」と振り返り、「(政府は当時)『推薦者は拒否しない形だけの推薦制』『形式的な任命制』と口をそろえていた。この時の答弁が、直近まで有権解釈として政府が受け継いできたはずだ」と強調した。
 また、任命されなかった6人の共通点として「組織犯罪処罰法や平和安全法制、特定秘密保護法など、国の重要政策に反対の意思表示を行った」と指摘。「任命拒否の背景が透けて見える」「『反対するとこういうことになる』と抑止効果を狙ったものとしか思えない」とつづった。


そして居直る菅義偉。
 
『学術会議会員は公務員』強調 首相、任命拒否認める

 
昨日は「沈黙の首相」と批判したが、今度は一転して、内閣記者会常勤幹事社の読売、日本経済、北海道新聞の3社との「グループインタビュー」と称する記者会見もどきの非公開会見を行った。
 
<スガ首相、場所も秘密の「グループインタビュー」 幹事社以外は音声のみ>
 020年10月5日 20:07 田中隆作ジャーナル
 

日本の権力中枢で怪奇現象に遭遇したフリ―ジャーナリストの畠山理仁氏。=5日夕、官邸前 撮影:田中龍作=
 
 パンケーキ懇談会の次回開催を諦めたスガ首相が新たな記者懐柔策を編み出した。その名も「グループインタビュー」。
 幹事社1社につき1名のみとの質疑に応じるという珍妙なスタイルだ。きょう5日夕方、日本のどこかであった。時間はわずか28分。
 フリーランス記者の畠山理仁氏が抽選に当たり、グループインタビューの音声だけ聞ける幸運に浴した。以下、畠山氏の証言にもとづく―
 スガ首相と思われる人物の音声を畠山氏が聞いた場所は首相官邸。
 スガ首相と思われる人物が、幹事社と思われる人物たちとグループインタビューを持った場所は秘密だった。官邸広報室は「言えない」と答えたという。
 ものまねの名手コロッケがスガ首相の声をマネ、劇団員たちが記者を演じれば済む。
 質問は全部で15問。
 北海道新聞の記者と名乗る人物が「学術会議人事」について質問した。
 スガ首相と思われる人物は「法にもとづいて内閣法制局にも確認の上で判断した」と答えた。紋切型の答弁は官房長官時のスガ氏とよく似ている。
 読売新聞を名乗る人物は「高支持率の手ごたえ」と「デジタル庁の開設」について質問した。
 読売にヨイショ質問をさせる・・・なかなかの設定である。
 スガ首相は充分にてなずけていて、パンケーキを一緒に頬張る内閣記者会とでさえ、記者会見を開きたくないようだ。
 ホントにあったのかさえ分からない「グループインタビュー」。この手を使って任期いっぱい会見から逃げ回るつもりなのだろうか。

 

さらに、リテラはこんな風にまとめていた。

菅首相が「日本学術会議」問題で理由を説明せず! しかも記者会見でなく3社だけの「グループインタビュー」形式で追及封じ込め
 憲法に保障された「学問の自由」を踏みにじり、違法が指摘されている「日本学術会議」任命拒否問題で、本日はじめて菅義偉首相が内閣記者会の「グループインタビュー」に応じ、「それぞれの時代の制度のなかで法律に基づいて任命をおこなっている」「学問の自由とはまったく関係ない」と主張。一方、6人を任命拒否した理由については「個別の人事に関することについてはコメントを控えたい」などと言い、説明を拒絶した。
 たしかに、こんな無茶苦茶な人事介入、理由を説明することなどできないだろう。
 しかし、すでに指摘されているように、国会での過去の答弁などからしても、法解釈としては総理大臣が任命を拒否することはできず、菅首相がやってのけたことは違法行為だ。にもかかわらず「法律に基づいている」と言い張ったのである。
 まあ、ここまでは、官房長官時代に「問題はない」「指摘は当たらない」と突っぱねてきたのとまったく同じだが、今回、菅首相はこんなことまで口にした。
「事実上、現在の会員が自分の後任を指名することも可能な仕組みとなっている。こうしたことを考えて、推薦された方をそのまま任命してきた前例を踏襲してよいのか、考えてきた」
 つまり、自ら掲げる「悪しき前例主義の打破」の一貫だと主張したわけだが、首相の独断で憲法と法律を犯すことが許されるなどあるわけがない。ようするに、菅首相は「法治国家」という大前提さえ崩すことを自己正当化してみせたのである。
 総理大臣になってその強権独裁がパワーアップしているかのような発言の数々だが、菅首相のこうした発言のみならず、きょうはもうひとつ、大きな問題が浮上した。菅首相がおこなった、この「グループインタビュー」なるものの存在だ。
■グループインタビューなのにテレビは菅首相のコメントだけを放送、記者会見に偽装
 まず、これだけ大きな問題となっているのだから、本来なら会見を開いて国民に向けて説明をおこなうのは当然の話。百歩譲ったとしても、官邸でのぶら下がり取材でしっかり質問時間を確保し、そこで説明するべきであることは言うまでもない。
 しかし、きょう菅首相が発言をおこなったのは「記者会見」ではなく、内閣記者会常勤幹事社である読売、日本経済、北海道新聞の3社との「グループインタビュー」でのこと。「会見」ではないため、NHKで生中継されることも、YouTubeなどで生配信されることもなし。その「グループインタビュー」の時間は30分にも満たない短いものだった。

そして、「グループインタビュー」終了後に、ようやく収録された映像が“解禁”されたのだが、その模様は異常そのものだった。まず、会場の前方中央に設けられたテーブル前に菅首相が着座し、菅首相を囲むようにコの字型に配置されたテーブルに3人の記者が。そして、後方に並べられた椅子に座り、黙って「インタビュー」を見つめる多くの記者たち……。
 しかも、あらためて菅首相の姑息さを思い知らされた点がある。夕方のニュース番組などは菅首相のコメント部分だけを放送していたのだが、その様子は、一見するだけではまるで「記者会見」を開いたかのようにしか見えなかったのだ。
 実際には「記者会見」とはとても言えないシロモノでしかないのに、あたかもしっかり説明をおこなったかのように見せかける──。これを暴挙と言わずして何と言おうか。
 いや、恥を知るべきは、この暴挙に加担した大手メディアの記者たちだ。
 繰り返すが、菅首相は3社3記者からの質問に答えるだけで、他の記者たちはその様子を淡々と眺めるだけ。手を挙げて質問することもできず、ただ「同席」しているだけだった。国民の「知る権利」に奉仕するべき場面で、自由に質問も封じ込められた場に黙って座っていることを、記者として恥ずかしいことだとは感じなかったのか。
 その上、フリージャーナリストの畠山理仁氏のツイートによると、この「グループインタビュー」への「同席」が許されたのは、先日3日に原宿のパンケーキ店でおこなわれた「完全オフレコ懇談会」の参加対象とされた内閣記者会常勤幹事社。それ以外のフリーの記者らは別室で「音声」を聞くことが許可されたというが、それも抽選だったというのである。
■日本学術会議問題を質問したのは北海道新聞だけ 日経、読売は一切触れず
 菅首相は就任以降、「GoToトラベル」の東京除外解除もあったというのに記者会見を一度も開かず、国会での所信表明演説さえもまだおこなっていない。そんななか、日本学術会議の問題が発覚したのだ。メディアとして記者としていま要求すべきは、広く開かれた記者会見の開催であることは論を俟たない。
 にもかかわらず、記者会見開催の要求にも応えない菅首相サイドからの「パンケーキ懇談会のお誘い」には唯唯諾諾と従った(いまのところ、この“パンケーキ懇”を蹴ったことがわかっているのは朝日、東京、京都新聞のみ)。そして、今度は質問することさえ許されない「グループインタビュー」などという「会見」に擬態した国民を騙すような詐欺的な催しに乗ってみせたのである。
ちなみに、「グループインタビュー」で日本学術会議問題を質問したのは北海道新聞の記者のみ。読売新聞の記者の質問は「政権発足から3週間経っての手応え」「外交」「東京五輪」「憲法改正」「敵基地攻撃能力の保有」、日本経済新聞の記者が質問したのは「国際金融センター構想」「東証のシステム停止」「成長戦略」「携帯電話料金値下げ」「経済対策の編成と規模」についてだった。
 この結果だけでも、菅首相のこの作戦は効果があったと言っていいだろう。そして、菅首相はこれからも、内閣記者会常勤幹事社に対して順番で「グループインタビュー」を許可してゆく、というこのやり口を続けていくのではないか。
 そうすれは、ごく一部のメディアからの質問しか受け付けていないのに、会見をやったように見せられるうえ、内閣記者会を分断することで「会見を開け」という要求を封じることができるというわけだ。
 それにしても、日本学術会議問題にかんする説明も滅茶苦茶だった菅首相に対して、説明責任を追及すべきメディアがこの体たらく……。「毒まんじゅう」ならぬ「毒パンケーキ」を頬張って、すっかり骨抜きになったということなのだろうか。

 
昨日は多くの情報番組で御用ジャーナリストやコメンテーターと称する弁護士連中が、菅義偉を擁護する発言の中で、明らかな論点外しが見られた。
  
たしかに「前例主義の打破」と唱えれば聞こえがよく、霞が関官僚はその塊なのだが、それは「悪しき前例主義」であり、明確な根拠なしに、すべての「前例」が悪いわけではないのは当然である。
 
菅義偉によれば、政府にとって不都合な前例主義が「悪しき前例主義」となっているようである。
 
今回問題視しなければならないのは、国会に諮ることもなく、突然の法解釈の変更(法の無視?)によって、任命が拒否されたことではないだだろうか。
 
そもそも首相就任以来、国会も開かず、過去の政府による国会答弁を変更するのであるならば、国会を開き堂々と議論すればいいし、ましてや日本学術会議の任命に問題があるという議論が起こったのなら、国会に諮って制度を変更すべきであり、それができなければその間の国会閉会中審査に菅義偉が出席し、きちんと野党議員の前で説明すべきであろう、とオジサンは思う。
    

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