(みんなの党→)(日本維新の会→)(次世代の党→)(日本のこころを大切にする党→)(日本のこころ→)自由民主党(安倍派→無派閥)・・・という小池百合子をはるかにしのぐ政党遍歴は節操もなくまるで「わがまま娘」のような杉田水脈。
こ奴は2021年衆議院議員選挙で自民党が比例中国ブロックでの河村建一の公認を発表した後で、当時の安倍晋三の圧力で比例中国ブロック名簿に単独候補として、上から3番目に登載された(党内全候補者の中では19位)。
同年10月31日に行われた衆院選に比例中国ブロック単独で立候補。自民党は6議席獲得し、杉田は3選したという経歴の持ち主。
いわゆる自分では一切の選挙運動もせずに国会議員となり、その後はヘイトスピーチをまき散らしていたいわくつきの議員であった。
今回はさすがに裏金議員として公表されており比例区は無理と思われたのだが、安倍晋三のお膝元の山口県連が、党役職停止6カ月の処分を受けていた杉田汚水脈を比例中国ブロック単独候補として公認申請したという。
「自民山口、杉田水脈氏を公認申請 裏金事件で党役職停止処分」
自民党山口県連は7日、衆院選に比例中国ブロック単独候補として杉田水脈衆院議員(57)=比例中国=を擁立する方針を決め、党本部に公認申請したと発表した。杉田氏は派閥裏金事件で党役職停止6カ月の処分を受けていた。 小選挙区定数「10増10減」に伴う定数減で比例に転出する見通しだった山口4区の吉田真次氏は、申請には含まれなかった。県連は「意思確認が取れていない」と説明している。 |
これにはさすがに批判が殺到していた。
「LGBTQは生産性がない」などと散々人々を傷つけてきた500万円裏金議員の杉田水脈議員を自民・山口県連が単独比例の公認申請、山口県連に裏金の反省なし❗️ふてぶてしい❗️😤✊
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) October 7, 2024
【山口、杉田水脈氏を公認申請 裏金事件で党役職停止処分 東京新聞】… pic.twitter.com/haVBJS4Vsw
比例単独の公認は連続2期までという自民党のきまりがあるのに、それを堂々と破れと要求するとは、自民党の山口県連って救いようのないほどバカ揃いですね。
— アームズ魂 (@fukuchin6666) October 7, 2024
問答無用で突っぱねればよろしい。
自民山口、杉田水脈氏を公認申請 裏金事件で党役職停止処分:東京新聞 TOKYO Web https://t.co/Qn3zSju36d
このオンライン署名に賛同をお願いします!「杉田水脈氏は衆議院議員にふさわしくありません」 https://t.co/QhdKz724A2 @change_jpより
— 有田芳生 (@aritayoshifu) October 7, 2024
さて、いくら自分の力だけでは総理総裁になれなかったことを一番知っている石破茂は、すでに総裁選後の早期解散とい自民党の既定のスケジュールに対して総裁選中は異をとなえていたのだが結局長老たちには逆らえず10月9日の解散を宣言した。
その後各種メディア調査ではかなりの批判の声が強く内閣支持率も予想をはるかに下回っていた。
そこで国民の声を聴くという大義名分から選挙に向けての新たな方針を発表した。
[石破首相の「裏金議員=非公認」に旧安倍派から“恨み節”のトンチンカン…世論は《一人残らず落選した方がいい》」
「これからはノーサイド。新しい総裁の下、我々は一致団結して国民から課せられた責任を果たしていかなければなりません。私も一兵卒として新しい総裁を全力で支える覚悟です」 9月27日に投開票された自民党総裁選後、両院議員総会でこう訴えたのは岸田文雄前首相(67)だったが、「ノーサイド」どころか“バトルロワイヤル”の様相を呈してきた。 石破茂首相(67=自民党総裁)が6日、4月に派閥の裏金事件で党処分を受けた一部議員を衆院選(15日公示、27日投開票)で非公認とする方針を表明したためだ。 いったんは裏金議員の「原則公認」「比例重複もあり」などと報じられた自民党。だが、世論の反発は強く、ANNが5~6日に実施した世論調査でも、裏金議員について「公認すべきではない」が66%にも達する。このため、石破氏は方針を見直し、一転して非公認に舵を切ったようだ。 具体的には旧安倍派の萩生田光一元政調会長(61)ら少なくとも6人が対象となる見通しで、政治資金収支報告書に不記載があった全議員は小選挙区と比例代表の重複立候補を認めない考えも明らかにした。 当然と言えば当然の対応なのだが、笑っちゃうのが大量の裏金議員を出した旧安倍派(清和政策研究会)の議員から漏れていると報じられている恨み節の数々だ。 「一度党として決めた処分を、総裁が代わってひっくり返した。こんなのは民主主義政党ではない」 「世論迎合、仲間売った。党を分断する史上最低の決定だ」 「大衆迎合が過ぎて、もう党内は修復できないのではないか」 旧安倍派議員たちは、世論の声をあらためてよく聞くべき 長期間にわたって組織的、常習的に裏金を作り、違法・脱法の“脱税行為”を続け、今も納税の動きすら見られない旧安倍派の裏金議員たち。 本来であれば議員辞職は免れず、脱税事件で逮捕、起訴される可能性もあった。そうなれば裏金議員はそろって公民権停止は確実だった。重い行為に手を染めた議員が「民主主義」などと、よくぞ言えたものだ。 「仲間を売った」との発言が事実であれば、まさに反社会的集団の思想そのもの。 違法・脱法行為を行った議員を国政政党の責任の名において「公認しない」のは当然。そんな常識さえ通用しないほど自民党・旧安倍派の議員たちの感覚はマヒしているという証左だ。 そもそも総裁選は自民党内のボスを決める選挙だった。そのボスを皆で選んで決めたにもかかわらず、そのボスが掲げた方針に対して「世論迎合」などと反発する。全く「ノーサイド」になっていない上、これこそが自民党が民主主義政党になっていない表れだ。 《旧安倍派は一人残らず落選した方がいい》《なぜ公認されないのかが分からない時点で政治家の資格なし》《反社勢力が立法府に存在していること自体がおかしい》 旧安倍派議員たちは、SNS上にあふれる世論の声をあらためてよく聞くべきだろう。 |
石破首相の「裏金議員=非公認」に旧安倍派から“恨み節”のトンチンカン…世論は《一人残らず落選した方がいい》(日刊ゲンダイDIGITAL) https://t.co/h8lBmWrAxp #裏金議員 は #辞職勧告 裏金システム構築した #老害 は #刑事告発 して #終身刑 くらいおやりになれば国民の見方も変わるかと存じます。…
— どろん☆あるかーど (@doronalucard) October 7, 2024
石破総理は、裏金議員の一部を非公認と記者会見。
— あらかわ (@kazu10233147) October 6, 2024
しかし石破が述べたそのままの内容を放送したのはNHK速報だけ。
この画像は貴重だ。 pic.twitter.com/7aEBN4f49e
パンツ高木に萩生田に西村ら、
— ★♪ツイてるdays☆♪ (@WShanayano68850) October 7, 2024
6人を非公認。
少し支持率が回復しましたね。まずは一歩前進です。#石破政権 #裏金議員 https://t.co/YWJVGsywVJ
とうとう石破は、裏金議員一部の非公認を決めた。石破政権に不満タラタラの萩生田に石破が切れたか。萩生田を狙い打ちで非公認。非公認になれば金はこない。党員名簿も使えない。 https://t.co/iGUxoUX4Uj
— あらかわ (@kazu10233147) October 6, 2024
遅いんだよ‥石破くん
— 幸 (@11happygogo) October 6, 2024
あと7人だよ‥?
ズバッと切る
国民も納得
するぞ──
石破くん延命策 https://t.co/TbKYi45r6N pic.twitter.com/BdEyjmNz41
石破茂首相は派閥裏金事件に絡み、自民党処分を受けた議員の一部を「非公認」、収支報告書に不記載だった議員の比例重複を認めない方針
— こちら夕刊フジ編集局 (@yukanfuji_hodo) October 7, 2024
支持率伸び悩みのなか「旧安倍派を〝生贄〟にしたのでは」との反発もありますhttps://t.co/LgkKUubNI5#石破茂 #裏金事件 #非公認 #旧安倍派 #生贄 pic.twitter.com/xijYbcDyrA
「なぜもっと早く…」裏金議員の一部非公認、唐突な方針に反発の声https://t.co/jJRe2aQBTt
— kayo (@kayo500) October 7, 2024
勿論、先に発表していれば決選投票で敗北していたから。
「騙されるお前たちが甘ちゃんなのさ」
石破と岸田はほくそ笑む。
裏切りの石破の二つ名は伊達じゃない
比例重複立候補を認めないということは、小選挙区で落ちれば、議席を失うということ。
— 古賀茂明 (@kogashigeaki) October 6, 2024
つまり、裏金議員の命運は有権者に委ねられる。
私たちには、彼らを落選させる責任があるということだ。
石破首相、裏金議員の重複立候補認めぬ方針 一部は非公認も 衆院選 | 毎日新聞 https://t.co/aCzSBMI30w
まあこのくらいにしておくが、こんな大切な問題があることを改めて 石破茂に覚悟してもらいたい。
「石破総理は「選択肢が少なすぎる日本」の危機を克服できるか?外交・安保も経済も“最善手以外すべて負け”のシビアな現実」
石破内閣が正式に発足した。最短日程での衆院解散・総選挙には批判も多いが、スケジュールが動くことはないだろう。そこで確認しておきたいのが、自民党が政権を維持したとしても、政権交代が起こったとしても、わが国を取りまく国際情勢や経済状況を踏まえると、今後、日本が取り得る政策選択の幅は極めて狭いという点だ。米国在住作家の冷泉彰彦氏が、安全保障と財政問題の二軸から詳しく解説する。 ■石破新政権発足の節目に、日本の安全保障と財政問題を考える 自民党の総裁選で石破茂氏が当選しました。 多くの見方として、小泉氏ではイヤなので決戦前に「小泉潰し」があり、決選投票では高市氏では危険なので「高市潰し」があった、結局は消去法の決定だという声があります。確かにそういった要素はあるのだと思います。 一方で個人的なイメージの問題として、石破氏の最後のスピーチが良かったとか、高市氏は謝辞ばかりで時間切れとなり評価を落としたといった論評もあります。 ですが、今回の総裁選の特徴ということでは、ただ一つの目的に向かって選挙が行われたと考えることができます。それは、 「直後の衆院選における旗印として有効(と思われる)人物を選ぶ」 だと思われます。ということは、要するに今回の選択というのは、直後の衆院選における民意を想定して「自民党としてできるだけ負けない」という判断で投票がされたわけです。となれば、やはりそこには政策の選択というものはあったのだと考えられます。 いずれにしても、石破総裁は最短日程での解散総選挙を宣言しており、10月27日投開票という本当に最短でのスケジュールで選挙になるようです。であるならば、今回はとにかく日本の選択肢ということを考えてゆくタイミングであると思います。今回の総裁選を確認しつつ、総選挙における選択を通じて、どのような政策の選択があるのか、特に今回は安保と財政について考えてみたいと思います。 ■日本の安全保障は「現状維持のためにどう立ち回るか」が最重要に まず安保ですが、こちらには選択の余地はないように思います。冷静に考えてみれば、東アジアの現状というのは動かしようがないし、少しでも動かすことで大きな破綻が来るような微妙な均衡の上に成り立っています。ということであれば、これを「いかに動かさないか」というのが唯一の選択肢になると考えられます。 では、何もしないのが上策かと言うと、これは全く違います。 まず、朝鮮半島についてですが、38度線の問題については、日本としては南北統一というのは受け入れるのは難しいと考えるべきです。確かに、韓国には民族の統一を悲願とする感情があり、左派においては、それがイデオロギー的な求心力になっているのは事実です。 ですが、仮に何らかの理由で南北韓国が合併したとします。確かに民族生き別れという問題だけでなく、ドイツにできたことが韓民族にできないというのはプライドが許さないという感情は韓国にはあります。ですが、バブル崩壊に苦しんだ90年代には「とても北を吸収合併する余力はない」として、韓国では保守派を中心に「統一は無理」という判断を中心に据えていました。 それはともかく、日本の立場としては正面切って言う話ではないのですが、やはり統一には極めて消極的にならざるを得ないと思います。どうしてかというと、今の韓国は90年代とは比較にならないような経済力と技術力を有していますし、北朝鮮も一時ほどの経済の低迷からは、手段を選ばなかった結果、まあまあの改善を示しているようです。 そうではあるのですが、無理に統一をすると国家は大混乱に陥るのは目に見えています。南の人は北の人を差別するかもしれません。長い分断は語彙ベースでの言語の分断を招きました。さらに、北の出身者は南の資本主義社会に溶け込むのに苦労するでしょうし、そこで社会的なトラブルが頻発するのは避けられません。 その結果として、旧東独からネオナチが登場したように、旧北朝鮮から強烈な民族主義のようなものが登場して、例えばですが金王朝の一族の誰かが大統領になるというような劇画調の近未来が実現するかもしれません。そして、その統一による混乱を避けるためには民族主義を求心力として使うことになります。 そもそも、統一後の混乱という状況では、仮に南出身の職業政治家であっても、どうして「民族主義」というカードを切らざるを得なくなると思います。その場合のターゲットは日本になります。竹島だけでなく、対馬を狙い、壱岐を狙う、さらには関門海峡ゾーンを占領して租界にするとか、実力行使はともかく言葉の上では相当に強烈な毒吐きがされる可能性はあります。 仮にこの問題を日韓の問題として捉えるのであれば、日本がある程度我慢しながら舌戦を続けて向こうが安定するのを待つなどの持久戦もあるかもしれません。ですが、台湾海峡の危機やロシアの蠢動などと連携されてくると、日本も我慢がならなくなって異質の政権が異常な判断を行って自分から崩壊するという危険性も出てきます。 そう考えると、多少は申し訳ない(南北の家族分断、北における人権被害の放置)感じもしますが、南北は今のような形で互いに牽制し合っているのが日本の国益になります。 ■ロシアや中国との関係も「現状維持」が最善手 次にロシアですが、プーチンの場合はまだ「旧ソ連の勢力圏を再度確保したい」というファンタジーで独裁政治の求心力を求めていた「だけ」です。 ですが、よりスケールの小さな後継者が出たきた場合には、日本としては千島返還というストーリーではなく、北海道侵略をどう防止するかという危機回避の発想で構える必要も出てきます。いずれにしても、現状維持ということを徹底しないといけないと思います。 現状維持ということでは、台湾海峡も全く同じです。ここにおける有事というのは何としても回避しなくてはなりません。台湾有事というのは、日本にとっては同盟、つまり自由と民主主義の防衛ラインが台湾海峡から与那国になり、直接対峙になるというような簡単な問題ではありません。 台湾有事というのは、中国が現在抱えている不動産バブル崩壊や、製品の過剰生産、思想の自由が実施できないために付加価値創造に限度がある問題、さらには中長期の人口減少など構造的な問題から「戦争へと逃避する」ことを意味します。 戦争というのは、命のやり取りになりますから、当然のことながら自由な言論はさらに圧迫されます。そうなると、この巨大な、しかし未熟なセミ資本主義社会がより強く歪められた形となり、不安定さが永続するという危険性が出てくるわけです。しかも後継者候補には目立った人物はおらず、全権を掌握できない代わりに対外強硬に転じるという可能性は年々増加するでしょう。 極めて良くない不安定というのが続くように思います。ですが、この巨額の不動産バブル崩壊の欠損は簡単には埋められません。薄く長く伸ばして事実上の償却を進めるのでしょうが、その間には経済的な自由度は制限されます。また、政治もより小粒の指導者による強引な判断が続くという可能性もあります。 そうではあるのですが、とにかく中国については現状維持を延々と続けるという判断しかないと思います。というのは、急速な変化としてソフトランディングシナリオというのは描けないからです。中国は統治するには規模が大きすぎます。税収も真面目にやると巨額になってしまいます。反対に不真面目にやれば思い切りマイナスに振れるし、それが全国レベルで集まると天文学的規模になります。 今回の不動産バブルの崩壊はそのパターンであり、これをどうやって償却するかというと、西側の常識のような処理をすると、全部の民間と国営の銀行が破綻して金融危機、信用危機になってしまうかもしれません。ですから政治判断で、政治的な与信を流し続けているわけです。ですが、その金の流れが、ある程度は西側の自由で市場に揉まれたカネとリンクしているので、回っているのです。 これを完全に断ち切ってしまうと、恐らく中国本土の住民の生活水準は半減してしまうでしょう。それは政府への不信、人口の流出という形で、国を蝕んでいきます。そうなれば、日本経済も大きな影響を受けることになります。 したがって、台湾への強硬策も、またバブル処理のハードランディングも、東アジア全体を巻き込む大動乱を引き起こすという意味で、選択肢からは外れると考えるべきです。そして、そのような破綻を回避するために、現状の延長で効果的な抑止力を維持するというのは必要と考えます。何よりも、中国の軍が暴発するのを防止するためであり、何よりも中国の住民の利益を守るために必要なのだと思います。 ■日本が対応を誤れば「北海道有事」が現実に 一つの仮説として、ロシアがウクライナで見せた暗黒面を前提として、ロシアは北朝鮮への影響力を通じて極東へ触手を伸ばしていると位置づけ、これと中国を敵対させるという軍略は成り立つかという問題があります。仮にそうなれば、台湾海峡や南西諸島は現状維持で安定するかもしれません。韓国との関係も安定するでしょう。 ですが、日米韓と台湾、中国が一つのグループとなり、北朝鮮とロシアというグループとの対抗をするというシナリオは、大きな問題があります。3つ指摘が可能です。1つは38度線に不測の事態が起きる可能性が増大するという問題です。2つ目は、北海道有事の可能性が高まることです。中国軍が友軍として北海道に入って抑止力になるなどというのも興味深いシナリオですが、その場合は樺太と沿海州を中国は狙うでしょうし、あまり良いことはなさそうです。 3つ目は、仮に中国を取り込んでも、あまりロシアを孤立に追いやると、現体制にしても、恐らくはより小粒となるその後継者も、西で妙な動きをするかもしれません。コーカサスやバルト海で実際に動きを見せることになると、これはやはり世界経済への影響が大きくなります。 ですから、この種の大胆な組み換えをしても決して全体は安定しないと思います。そう考えると、今から考えると、安倍政権の外交というのは、再評価されてもいいと思います。小泉純一郎が事実上拒否した中国との首脳外交を再開し、結果的には何も得るものはなかったにしてもロシアとの首脳外交で、少なくともロシアが北海道に圧力をかけるような雰囲気は許さなかった、これは重たい事実です。 つまり、中国ともロシアとも、最低限の首脳の信頼関係があり、それが抑止力とのミックス効果を生じて極東の「安全を保証」していたわけです。その再現は容易ではありません。何よりも、プーチンがウクライナで一線を越え、中国がこれに同伴し、今は和平仲介に動いている中では、この両国に対して、安易な宥和の態度を出すわけには行きません。 そうなのですが、岸田外交というのが余りにも単純化を志向しており、もう少しだけ元に戻すという微調整は必要と思います。現状を守り切る中で、中国とロシアとの間で、個人的な信頼関係や危機回避のホットラインを構築するというのは、非常に大切です。 ■日本の財政問題を「規律かリフレか」で捉えるのは間違っている 次に財政に関してですが、確かにリフレか財政規律かということでは、ほとんど政争と言っていいような対立があるようです。 そこで問題なのは、まず財政規律派の主張の核心がどこにあるのかという問題です。戦前の浜口雄幸と井上準之助に原点があるとも言えますが、財務省なり、そのサポーターである政治家にあるのは「存続への危機感」だと思います。 通貨を守る、財政を健全化する、この2つは確かに国家の存続には必要だという直感には自然なものがあり、これを否定するのは簡単ではありません。ですから、財務当局としては、どうしても魂の奥の部分にこうした発想を持つのだと思います。 現在もそうです。日本の国家債務というのは、GDP比でも金額ベースでも世界でも最悪の部類に属します。また、その債務の原因が少子高齢化であることも明らかです。そんな中で、財務当局が思い描くのは国家破綻への危機感なのだと思います。ですが、問題はそう簡単ではありません。簡単に箇条書きにして論点を整理することにしましょう。 ■わが国財政問題の論点(1)~(5) (1)国家債務が巨大な個人金融資産と相殺されており、日本国全体としてはまだ余裕があるか、すぐに破綻するわけではない、という理解がある。だが、長期的なトレンドとしては高齢層は資産を細めながら次世代に継承する中では、個人金融資産は永遠ではない。一方で、財政赤字が拡大し続けるのであれば、やがて国際市場からキャッシュを調達しないといけなくなる。 (2)日本は前世紀末に破綻した、韓国やタイとは異なり「大きすぎて潰せない」のであり、仮に国債の金利がコントロールできなくなったり、その結果として債務不履行(デフォルト)に接近しても、IMFや国債債券市場が何とかしてくれるという理解がある。だが、このまま日本経済と日本円が弱体化してゆくと、どこかで「日本を潰せるようになる」という臨界点を通過することはありうる。 (3)その一方で、今回の能登ダブル被災のように、必要な資金投下を渋るとかえって巨額なダメージが生じてしまう。仮に奥能登の復興を放棄するとなると、安全保障上の深刻な危険性を惹起する。奥能登に工作隊が入って危険な情報収集拠点や陸上戦闘の拠点を作られてしまうというような危険性もあるが、広範な国境と島嶼を守る意思がないと思われて危険だ。 (4)資金を渋るとダメージがあると言っても、例えばAIと著作権だとか、ハイテクとセキュリティクリアランスの問題でもそうだし、防衛装備の国内調達などもそうだが、公金を投下してもリターンが取れる仕組みがあるのか、疑わしい部分もある。とにかく、カネを借りてでも突っ込んで、最後に大きなリターンが取れるようなイノベーションの経営ができるのか、あるいは借りたカネが捨て金になるのか、政府に任せてはダメという考え方もある。 (5)財政規律の問題では、国民負担率が限界に接近している。となれば、消費税アップへの誘惑は否定できないであろうし、もしかしたらそこが争点になるのかもしれない。しかし、その場合は、どう考えても野田佳彦の顔が出てくるのであれば、野田政権末期の「三党合意」つまり「社会保障と税の一体改革」が想起される。実は、この合意はすでに完全に破綻しており、とっくに破綻している上にコロナ禍の結婚渋りの影響で、出生率が破滅的に低下している現在では、もっと厳しい再計算が必要だ。 ■わが国財政問題の論点(6)~(10) (6)一方で、石破氏には法人税率アップという考え方もあるようだが、空洞化を加速するだけで愚策に思える。富裕層課税も、これ以上強化したら様々な手段を使って富裕層は海外逃亡を加速させるであろう。現在は、海外在住からの帰国者に厳しい徴税を課したり、相続税を厳しくしたりしているが、こちらも限界がある。 (7)石破+野田という顔ぶれからは、行政改革、特に官公労との対決というイメージは出てこない。野田は、小沢一郎と連携して、東の維新との提携を考えているようだが、この点は大きな障害になる。東の維新は元をたどると「渡辺喜美グループ(みんなの党)」が源流の一つとしてあり、官公労ベッタリの立憲とは鋭角的な対立関係にあるからだ。 |
旧安倍派を叩けばある程度の国民の支持を得られると石破茂は感じたかもしれないが、国の最高責任者としては長期的な外交・経済に関して国家観を持たなければ日本の将来は危うい、とオジサンは思う。