新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

解散なき無風総裁続投を国民は許しはしない

2024年05月23日 11時48分05秒 | 岸田文雄

もはやこんな記事を読むと日本の検察は裁判で否定されても自分たちの描いたストーリーで犯罪者を作り上げなければならない硬直した組織なのだろうと情けなくなる。
 
袴田巌さんに検察が再び死刑を求刑 再審公判、9月に判決 「5点の衣類」証拠捏造めぐり主張は対立したまま」 
 

◆検察がこだわった「証拠捏造」への反論
 【記者解説】 7カ月の審理の末、検察側は56年前と同じ死刑を求刑した。再審公判で袴田さんの有罪立証に改めて取り組んだが、過去の主張の繰り返しが目立った。その一方で、証拠捏造(ねつぞう)の疑いを払拭することには強いこだわりを見せた。

 再審公判は、過去の判決や決定に拘束されない。再審請求審では検察側、弁護側双方の争点は5点の衣類に付いた血痕の赤みに絞られたが、検察側は再審公判で「一から立証し、裁判官に総合判断を求める」と表明していた。
 だが、展開した主張や示した証拠は、半世紀以上前の一審時とほぼ同じ。血痕の赤みについても「残る可能性がある」と従来の主張の域を出なかった。
 5点の衣類を捜査機関が捏造した疑いに対しては、当時の状況や発覚のリスクなどから「非現実的で、不可能」と多くの時間を費やして否定した。この日の論告でも、「捏造の主張に合理的な根拠はない」などと否定の言葉を繰り返した。
 弁護側は5点の衣類だけでなく、他の一部の証拠も捏造されたと主張。捏造を認定した上での無罪判決を求めている。再審開始を判断した静岡地裁、東京高裁に続いて三たび裁判所が捏造の疑いを指摘すれば、捜査当局への打撃は計り知れないだろう。(山本真嗣)
◆「有罪の立証になっていない」
関東学院大の宮本弘典教授(刑事法)の話 1年以上みそ漬けされた「5点の衣類」の血痕には赤みが残らないと判断した再審開始決定で、確定判決の証拠構造に疑いが出た。再審では検察側に「赤みが残る」ことを証明する必要があった。どのような状況であれば赤みが残り、実際にその状況で5点の衣類がみそタンクに漬かっていた事実を証明しなければならなかった。検察側は「赤みが残りうる」という可能性の指摘にとどまった。有罪の立証になっていない。
◆「検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した」
 元検事の高井康行弁護士の話 当時のみそタンク内の状況を再現できない限り、「5点の衣類」の血痕に赤みが100%残らないとは言えない。再審のポイントは、捜査機関が5点の衣類を捏造(ねつぞう)したかどうか。検察側は、捏造は不可能なことを詳細に立証した。赤みが残る可能性も立証しているので、確定判決までの証拠によって(袴田さんの)犯人性は裏付けられる。


 



 
さて、何をやっても岸田文雄内閣の支持率は本人の思惑通りにはいかないようである。
 
最近の世論調査では「政権交代を望む」との回答が半数を超えたという。
 
しかしジャーナリストの高野孟は、かつての政権交代の直前のような動きがないという。
 
立憲民主党が支持率トップも…岸田政権に「アソウ化」「スガ化」が起きない理由
 
自民党のベテラン秘書氏に言わせると、5月20日付毎日新聞の世論調査結果は「なかなか衝撃的だった」。内閣支持率が前月に比べてさらに2ポイント下がって20%で、いよいよ10%台に突入かというところまできたのは、ある意味予想通りだが、政党支持率で自民党が前回20%から今回17%に落ちた半面、立憲民主党が15%から20%に上がって1位と2位が入れ替わったのは「たぶん第2次安倍政権発足以来の12年間で初めてではないか」と秘書氏。さらに、今、衆院選が行われたら比例でどの政党に投票するかの問いに、立憲と答えた人が25%(昨年8月には10%)、自民は15%(同21%)で、ここでも完全に逆転が起きている。
「この、政権がズルズルと溶けていってしまうような感じは、08年から09年にかけての麻生太郎内閣の時と似ている」(同上)。言われてみればそうだ。08年9月に麻生政権が発足し、最初は50%近い支持率があったが、11月に麻生が国会答弁で「踏襲」をフシュウと読んで全国民的な嘲笑の対象となったのがきっかけで支持率が半分近くに下落。09年2月には中川昭一財務相がローマでベロンベロンの酔っぱらい状態で記者会見するという国際的恥さらしを演じて辞任するという出来事もあって13.4%にまで暴落、さすがに「麻生おろし」の動きが始まった。しかし麻生はそれを切り返そうと無理は承知の解散・総選挙に打って出て、旧民主党に政権を譲ることになった。
 もし岸田文雄首相が破れかぶれの6月会期末解散に打って出れば、麻生と同じ運命となる可能性大だが、岸田にとって幸いなのは、当時と違って立憲に政権を引き受けようとする気概が全く見えないことだろう。
 それを岸田政権の「アソウ化」シナリオと呼ぶとすれば、もっと惨めな「スガ化」シナリオというのもあって、20年9月に発足した菅義偉政権はコロナ対策で迷走を繰り返しただけで何も出来ず、解散を打つことも封じられて21年9月の自民党総裁選への出馬断念を表明せざるを得なくなったのと同じ羽目になりかねない。が、ここでも菅と比べて岸田が有利なのは、衆議院議員の任期満了までにまだ1年余のゆとりがあることで、「解散なしで自民党総裁再選、来年7月衆参ダブル選挙で一挙政権浮揚」という可能性も、希望的観測とはいえ、わずかながら残されているのである。

 
政権交代を望む有権者からすれば、「岸田にとって幸いなのは、当時と違って立憲に政権を引き受けようとする気概が全く見えないこと」ということならば、まさに「取り付く島がない」状態になってしまう。 
 




 
ところで米国在住作家の冷泉彰彦は政局をさらに詳細に分析していた。
 
解散総選挙なら自民大敗『衝撃の予想議席数』…政局マニア岸田総理が上川『うまずして』発言の揚げ足を取るしかない理由
 
「政局マニア岸田」という指摘は初めて聞いた表現であったが、やはり岸田文雄という輩は一筋縄ではいかないということなのか。
 
■ポイント1:自民の派閥や裏金は嫌われても、地盤は維持される
あまりバラバラに考えても仕方がないので、今回は現時点(2024年5月20日時点)での日本の政局について考えてみます。具体的には、解散総選挙の可能性と、その場合の結果の予想、そして当面描けるシナリオという順で議論してみましょう。
まず、全体を考える上での留意点を3つ確認しておきたいと思います。
1つ目としては、当分の間は自由民主党という看板、そしてそのサブブランドとしての旧清和会安倍派とか、志帥会二階派という名前、あるいは裏金議員といった名指しは、有権者からは強く嫌われるでしょう。
ただ同時に、この裏金問題の本質である、地方組織のタカリという問題、つまり宴席でのオゴリから冠婚葬祭、観劇や桜を見る的なイベントに至る「地盤側」の収賄構造が暴かれることもないのだと思います。
ということは、裏金議員たち本人は強烈な被害者意識と居直りの姿勢を維持、一方で問題の本質を突いた改革もなしということで進むと思います。
【関連】日本人が知らない自民党議員の大義と「被害者意識」なぜ彼らは世論をいとも容易く無視できるのか?
ポイント2:有権者は政権交代の意欲あり、ただし世代間で温度差も
2つ目は、これに対して有権者は「乗り換え意欲満々」という感じであることです。これは、細川内閣を誕生させた1993年や鳩山内閣を誕生させた2009年の総選挙時と類似の状況があります。選挙前の雰囲気ということでは、自民党に政権奪還をさせた2012年の選挙とも似ています。
どうして政権交代を期待しているのかというと、これはアメリカや欧州の選挙とはやや異なる事情があります。
まず、多くの有権者は現役世代か年金受給者です。現役世代の中で終身雇用が保証されている層は、政策の変更により解雇されるとか構造不況業種に陥るという危険よりは、雇用先で出世できるかという組織内の「政治」のほうが直接の利害に繋がります。そのため、選挙での「浮気」が可能です。
年金世代も収入はほぼ確定していますので、こちらも投票行動には自由度があります(物価問題は別ですが)。この間、自民党は年金世代の利害を意識した政策を採ってきましたが、だからといって年金世代が恩義を感じているとは限りません。
一方で、もしかしたら政策で大きく利害が変わるかもしれない非正規雇用の若年層などは、集結する政党もイデオロギーも持たないし、そもそも政治への期待値が低いので投票率は低く、今後も低いままと考えられます。
状況の変化という問題もあります。93年や90年と比較すると、人口問題も、財政もかなり行き詰まっており、政策の自由度の幅は狭まっています。ということは、本当は「まとも」な政党に入れないといけないという心理になるはずですが、もしかしたら政策の幅が狭いという感覚があるのなら、かえって自由度が高いと思う層もありそうです。
ポイント3:円安・物価高が大胆な投票行動を招く可能性
3番目は、単に裏金問題による自民党への怒りや反発というだけでなく、一向に回復しない日本経済、そして下がり続ける円と上がり続ける物価という状況の中で、「不連続な変化」を期待する心理はありそうです。ということは、より大胆な投票行動へ動くような深層心理もあるかもしれません。
■岸田総理が解散総選挙に踏み切ると何が起こるか?
さて、こうした前提を考えた時に、それでも岸田総理は解散に踏み切るのかという問題があります。この問題に関しては、次のようなa~fの多元連立方程式(不等式?)が想定できます。
)この夏に解散して勝利すれば、9月の総裁選で無風再選が可能で長期政権が視野に入る。そのためのリスクが取れれば早期解散。
)とはいえ、中の人の「何も考えていない感」というのは時間が経過すると出てくる。「原理原則とか政治思想と現実を繋いで行き来するという回路が切れている人」というのは、喋らせれば一目瞭然で隠せない。他派閥の敵失と、外交で稼いだポイントがあるのが現在で、結局は真水の支持率は何もしないとゆっくり低下すると考えると、周囲も含めてその前に解散したくなる。25年の任期満了(10月)あるいは衆参同日(7月)まで引っ張るのは怖いと考えている可能性はある。
c)裏金スキャンダルについては、何か別の問題が起きて上書きされたり、時間の経過によって風化すれば自民党には有利。ただ、旧安倍派の復権につながるので、岸田としてはプラマイを計算しているところか。
d)25年の万博が開催できずに混乱すれば、維新は更に地盤沈下するが、政権与党の自民党も傷つく。その意味では維新が呆れられて、政府が救済している構図の今のほうが岸田には有利という見方も。
e)団塊世代が刻一刻と投票所から遠ざかっている。その速度を考えると、もう少し待った方が一般的に保守政党には有利。
f)何よりも自民党の現職議員は「議席を失う恐怖」が全ての動機となっている。
他にも色々ありますが、この間の動きとしては、小池百合子氏の「側近の裏切り」とか、上川陽子氏の「言葉の切り取りテロ被災」という事件も看過できません。
例によって結果論ですが、どちらのエピソードも、岸田文雄という政治家には微妙にプラスに作用しています。運がいいのかもしれませんが、同時にこういう意外な事件が起こると、ウッカリ「解散してもいいのかも」という判断に流れる可能性は出てくるでしょう。
ということで、岸田総理が解散をする可能性はゼロではありません。その場合ですが、どのような結果が考えられるのかということを、考察してみたいと思います。
■自民党とその他保守陣営が、比例議席を激しく奪い合う展開
まず、総選挙の見通しですが、選挙区ごとに分析する作業というのは、恐らく選挙アナリストたちが今日現在、あれこれとパラメーターをイジりながら計算に忙しいのだと思います。そこで、今回は、あくまで概算をすることで、大きな見取り図を描いてみたいと思います。
その場合の前提条件ですが、様々な報道を受けて考えてみると次のようなストーリーが描けるようです。
いわゆる保守の側では、候補者調整などの選挙協力はほぼ進まない。原因としては、まず維新と保守党の場合はどう考えても「有権者の反自民モメンタム」のうち、保守票を思い切り狙って来るということがあります。ですから、自民との協力はマイナスです
また自民だけでなく、維新も保守党も必死になって小選挙区の全289選挙区に候補を立てようとしています。つまり保守党の場合は「比例は日本保守党、小選挙区はヒャクタ」というような選挙戦をするわけです。維新も同じです。本当は維新と保守党は連携するとかなりの効果が見込めるはずですが、どうもそうはならないようです
保守の中では公明は自民との選挙協力はこれまで同様に行うと思います。但し、反自民のモメンタムは、反与党ということにもなるので、例えば都市部の小選挙区でこれまで公明が勝ってきた選挙を維新に競り負ける可能性はあるかもしれません
一方で、左派の側では「立憲と共産、れいわは候補者調整がある」「立憲と国民もそうだし、恐らく国民は立憲が共産票と合体していても反発は控えるだろう」「国民の小選挙区議席には共産はチャレンジするかもしれないが、票が割れて自民が勝つまでは行かない」ということで、ある程度のまとまりになりそうです
つまり、保守陣営から見ると「自民党が大逆風」という要素プラス「保守大分裂で小選挙区では一気に不利に」という流れになる可能性があります。
ですが、さすがにそうなると本当に左派政権ができてしまうので、最終的には保守は自公連立に呼んでもらえるという密約をして、自民はコッソリ保守と選挙区調整をするかもしれません。
そこに維新まで乗っかって裏で票割りをするかというと、それをしてしまうと、自民は大阪を中心に関西では不戦敗になってしまうので、表向きは不可能でしょう。

ただし、関東の維新(一部は渡辺喜美グループなどアンチ官公労派)は、自民と裏取引をするかもしれませんが、岸田としてはあくまで保守連立の場合も首班は握って離さないと思うので、音喜多を閣僚にとかそういう話になりそうです。
裏取引のようなことをして、果たして有権者が納得するかというと、多分怒るだろうと思います。
そうなると自民としては八百長的な不戦敗を選択するとか、作戦はありそうですが、それはあくまで小選挙区の話であって、やはりどう考えても現時点では、比例の方は「保守政党同士でガチンコで戦う」ことになります。その場合は、左派以上に票の奪い合いは激しくなりそうです。
■自民大苦戦。現在の選挙情勢から議席数を予想する
では、まずその比例について考えてみるために、政党支持率を比較することにします。現時点での(本年2024年5月)のNHK世論調査による政党支持率と、岸田総理が解散して勝った21年10月の選挙直前を比較してみます。順番は「21年10月 ーーー>24年5月」です。ちなみに、21年10月の調査は「選挙トレンド調査」となっています。
 
自民 38.8% ーーー>27.5%
立憲  6.6% ーーー> 6.6%
維新  2.3% ーーー> 4.5%
公明  3.9% ーーー> 3.1%
共産  2.8% ーーー> 3.0%
国民  1.0% ーーー> 1.1%
れいわ 0.6% ーーー> 1.2%
(以下略)
まあ、こんなものかとも思いますが、よく考えるとNHKの世論調査というのは、国会に議席がないとカウントしません。ですから、今回の調査でも日本保守党は入っていなかったりします。また、無党派層が無回答を含めると21年で45%、今回24年は51%もある中では、その無党派層がどう動くのかは、投票率を含めて極めて不透明です。
そんな中で、この調査の中で大きく浮かび上がっているのは、自民党の支持率低下です。岸田内閣発足直後から見て、現在は38.8から27.5へと10%以上落ちているのですから、これは大変です。
この10%ダウンに加えて、無党派層の自民離れという現象が大きく乗っかる中では、どう考えても支持が大きくスイングするというのは避けられないと思います。
では、日本の選挙の場合にどのぐらいスイングするのかという傾向を見てみることにします。
まず、1993年の宮沢自民党の下野、細川連立政権が成立という政権交代の選挙は、実は中選挙区制で行われているので、小選挙区と比例の比較対象になりません。また、自民党の場合は、選挙前に離党者が相次いでいるので党勢の前後比較というのは、直前の比較も、その前の総選挙との比較もあまり応用が効かないのです。
そこで、今回は、2009年と2012年の政権交代を見てみます。
保守系(自民党系)
2009選挙前  332
2009選挙後  140(小 64、比例76)
2012選挙前  139
2012選挙後  325(小246、比例79)

左派系(旧民主党系)
2009選挙前  127
2009選挙後  320(小228、比例92)

2012選挙前  325
2012選挙後   58(小 28、比例30)
衆議院の定数は465ですから、過半数は233です。そんな中で、2009年には自民党系は332議席から140議席へ、民主党系は127から329へと大きなスイングが発生しました。
反対に、2012年には、自民党系は139議席から325議席へ、民主党系は325議席から58議席へと大きく転落しています。
つまり、日本の有権者はこのぐらい激しいスイングができてしまうのです。この2回の政権交代選挙では民意は明確であり、その結果も極めてドラスティックなものでした。
その一方で、そこまで大きく振れないとしても、制度的には次のようなことが言えます。
「小選挙区の289から200を取り、比例の176の2割にあたる34を取ると、合計は234で過半数を制して政権が取れる」
ということです。そうした前提で見てみますと、現在の選挙情勢から考えてみると、
「保守分裂の中で仮に保守系が小選挙区で大苦戦、一方で左派系が緩い選挙協力に成功すると、ヘタをすると200を取ってしまう」
「自民に大逆風、維新も万博で逆風、保守は全くの新人ばかりとなると、立憲+共産+国民+れいわで現在のNHK調査支持率の合計は11.3%あり、無党派層を抱き込んで倍増させ、比例の20%イコール34議席はそんなに難しくない」
ということで、どう考えても左派系が有利になります。そこまでは簡単な予想ができるわけです。そのぐらいのことは、岸田もその周辺も考えているのに違いがありません。
■岸田総理に一発逆転の奥の手はあるのか
では、岸田としてはどういった作戦を考えているのでしょうか?
1つの可能性は、6月告示の東京都知事選に小池でも石丸でもない、「保守系無所属の超大物」を擁立できて、これに「自民党が推薦して足を引っ張っても、それでも勝てる」という計算(岸田の思い込みを含む)が成立した場合です。この場合には、解散による都知事選と衆院選の同日選挙ということは、ストーリーとしては成立するかもしれません。
2つ目は、一連のスキャンダルを有権者が忘れてしまいそうな、派手な公約を掲げて、そこで保守陣営をまとめてしまって強引に解散するという考え方です。それはズバリ憲法改正です。この憲法改正という錦の御旗を掲げてしまうと、保守分裂選挙への強い牽制になります。また左派陣営への強い圧力になります。
ですが、国際情勢はそれを簡単には許さないと思います。中国やロシアが態度を硬化するというのは、何とか計算して織り込むことができます。ですが、日本の憲法改正に対して、韓国が激しく反応して政権が再び左派になったり、折角作ったフィリピンとの連携が崩れたり、とにかく向こう側の分断工作の餌食になる危険がかなりあるわけです。
トランプ陣営の中でも元民主党員のトルシ・ギャバードなどは、防衛費2%は太平洋における日本の脅威拡大だなどとデマを流しており、ハワイで反日感情を煽ったり悪質です。得てして保守ではない岸田が保守政策に踏み込むような時には、国難を引き起こす可能性は高くなると思います。
岸田としては、党是だからということで、今のような言い方で憲法改正に乗り気な姿勢を見せる以上のことはできないと見ています。反対に、岸田がやりそうなのは皇室改革ですが、争点化するのは憲政の常道を壊すので、サクッと実績を出して民意を問うようにしたいのでしょう。ですが、時間はかかる話で難しいです。
ということで、この2つの作戦がどちらも成立しないとなると、やはり早期解散は難しくなります。その場合ですが、岸田としては「解散なき9月総裁無風続投」というのが、何としても狙いたい当面の作戦になります。
■上川外相の「うまずして」発言を利用し麻生氏を牽制
そう考えると、この間の上川外相に関する騒動は、非常に政治的だったと言わざるを得ません。順序としたら、まず「女性の手で女性知事を生む」という発言の一部を切り取る悪質な報道が発生したわけです。あたかも上川氏は女性は子どもを産めと言っているかのような悪質な切り取りです。
これに対して、まず野党が騒ぐと、上川は発言を撤回しました。これに対して、岸田は5月19日に、「発言を撤回したと報告を受けている。いずれにせよ誤解を招く表現は避けるべきであると思う」と述べました。その上で林官房長官は、20日になって「上川続投」という念押しのコメントをしています。

何と言うか陰湿というか、表現が見つからないのですが、上川は全くの被害者であるにもかかわらず発言を撤回することで「自分は罪を認めて総理候補から降りる」と言っているに等しいわけです。これに対して、岸田は「発言撤回を承知した」としつつ「誤解を招く表現は避けるべき」という言い方で、上川を強く牽制、そして林の口から「更迭しない」と伝えて屈服させた格好です。
これは、非常に絶妙なタイミングで発生しました。これで静かに上川を屈服させて、同時に麻生をも牽制できたわけですから、あくどいとは言え、知恵としては回っています。もしかしたら、これで、解散なき無風総裁続投という岸田の当面のシナリオが、少しずつ見えてきたのかもしれません。


 
「政局マニア」が真実ならば「策に溺れる」可能性もあり、岸田文雄は大胆な勝負をするタイプではない。
 
それは安倍晋三の「禅譲」を期待しながら何もできずに菅義偉政権になったという過去からも読み取ることができる。
 
そんな経験から岸田文雄の狡猾な戦略は、自分のライバルは一人残らず蹴落とすことではないだろうか、とオジサンは思う。   
 
【参考】

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