今日は、日経主催の「JapanPassion2020」というカンファレンスに
参加してきました。
前置きで、ピーター・ドラッカーの「ポスト資本主義社会」の中で
1993年に述べられていることが、今の日本に起きている、と
いうこと。つまり、工業化社会に行き詰ったときに必要とされる
パラダイムシフトを、今、我々が必要とし、新しい社会を作って
いく段階である。との説明がありました。
「競争」から「共創」へ。「消費・所有」から「利用・共用」へ。
それには、NPOを代表として台頭する市民活動と企業が大きな
役割を担う、とのこと。
パネルディスカッションで3名の若者(20~30代)が登場し
それぞれ活動を説明。
1)西辻氏 (株)マイファーム代表
http://www.myfarm.co.jp/
・農家の後継ぎ不足で、日本は耕作放棄地が増えている。
・耕作放棄地で、持産自消できる人を募り、農業を始めた。
・今では20万平方メートルの耕地を有するまでになった。
・日本はちまたで言っているような企業型農業にはならず
多品種少量小生産の方向に行く、と見ている。
・NPOではないが、理念・社会性を優先している会社。
・大切なのは「情熱」。
2)池本氏 NPO事業サポートセンター理事
http://www.npo-support.jp/
・NPOと大手企業をつないでいきたい
・今はとかくネガティブな話題が多い
・特に企業セクタが変わらないとダメ
・市民社会は確実に広がっており、NPO等の枠組みも変わ
ってきている。企業は「社会的企業化」をしていかなくて
はならない。それが「CSR」である。
・NPO法人は日本に3万8000あるが、平均収入は
558万円。一人食べていくのが精一杯。行政の下請けの
ような扱いもされている。
3)松沢氏(博報堂・週末にNPO活動)
http://www.iface.ne.jp/
・阪神淡路大震災を経験し、ボランティのすごさを実感。
・博報堂入社後も、週末にNPO活動をしているが、博報堂
内にエンゲージビジネス局ができ、稼ぎと勤めの融合が
できた。
・ヒトは「良いことをしたい」のではなく「生きがいを感じ
たい」もの。
・CSRが企業ブランド向上に寄与するようになるので、重
要なマーケティング戦略とも言える。
・その例
「Volvic 1L for 10L」
http://www.volvic.co.jp/1Lfor10L/
「アサヒビール。うまいを明日へ」
http://www.asahibeer.co.jp/superdry/umaasu/
「ピンクリボンキャンペーン」
http://pinkribbon.yahoo.co.jp/
「スリーエフ おもいやりゴハン」
http://www.three-f.co.jp/about/news/091026_tft.html
上記を聞いていて私が思ったこと。
「CSR」は直訳すれば「企業の社会的責任」ということである
が、これは義務を果たせ、という風に受け取られる。
私は、CSRとは、その企業が社会に対し、どのように対峙して
いくか、の姿勢を問うものだと思う。自ら提供するサービスや商
品を社会のために役立てようという発想で創れば、自ずと、その
企業は社会的に意義ある活動をしている、と受け取られ、社会的
信用を築けると感じる。CSRは、社会的な義務でもなければ、
マーケティングの道具でもない。その企業の社会的存在意義を
表すものであろう。利益や名声は、その副産物であり、目的では
ない、と思う。