重慶でラン&山登り

マラソンと山登りが趣味。
重慶の街を走って見つけた面白いことを記録します。

UTMB2017 完走記その5

2017-09-11 08:32:38 | UTMB
日が落ちてくるのと同時に小雨がパラついてきます。
いつもなら小雨程度であれば面倒臭がってそのまま行くのですが、体を、特にお腹を冷やさない為にレインジャケットを早々に着込み寒さ対策を行います。

これは夜更け過ぎに雪へと変わるパターンかなと思いながらLes Contaminesへの緩やかな登りを進みます。ここはTVやDVDでもヘッドライトの列が延々と続くのが有名な場所だと思われます。自分も写真を撮ろうとおもいましたが、霧雨の影響で視界が悪く前後が見えません。
逆に遥か先の光を見て、まだあんなに先が長いのかと精神的ダメージを受けることもないのですが、足元を確かめながらトボトボと登っていき31km地点のLesContaminesniに到着。

時刻は23時30分。予定通りです。

そこから更に登ること8km。La Balmeに1時間30分かけて到着。


そこから次の50km地点のLes Chapieuxまでは11kmを+800m/-750mの道のり。暗闇の中進んできます。体調は悪くありません。小川の音が聞こえたりしますが周りは霧雨で視界はなく、ここがアルプスなのか奥多摩なのかわからなくなります。確かにスタートは感動でした。でも今は整備された単調な道をテクテクと登っているだけ。自分は本当にシャモニーにいるのか?こんな道を歩くためにわざわざこんなところ迄来たのか?そんな考えが頭をよぎります。なんか想像していたのと違います。評判がよく期待して見に行った映画が思いのほか面白くなかったみたいな感じです。

またトレランでは自然の中を一人または少人数で走る特別な時間や空間が好きなのですが、このUTMBではどこを向いても選手がいて、まるで皆でハイキングをしているみたいです。もちろん参加人数が多いので仕方ないのですが、何か自分の中で引っかかるものがありました。

今思えば自分の中でUTMBとは、これでもかというほど厳しい道のりが続き、特別な空間で同じ苦しみを抱えている選手と目に見えない絆で結ばれ、漸くたどり着いた場所はそれまで苦労を忘れさせてくれる美しいアルプスの景色が待っている・・・そんなイメージを勝手に持っていました。おそらくDVDの見過ぎだと思うのですが、実際は道は単調で、選手は多すぎて特別感がなく、霧雨で景色が全く見えない、そんな現実と自分の理想にGAPがあったのだと思います。

しかし逆に言うと、世界中の人が憧れるハードな舞台でも、世界中から選ばれた選手の中にいても大きく遅れることもなくレースができているという事で、自分でも十分完走できるという手ごたえを感じ始めていました。

そして丁度50km地点のLes Chapieuxに到着。時刻は3時40分。想定より10分遅れていますがほぼ予定通りにここまで来ています。

ここではヘッドライトの電池の交換を無料で行っていました。


やはり口にあいませんが、温かいスープは冷えた体と胃を温めてくれます。

ここから先は前半最大の山場のCol de la Seigne(セーニュ峠)越えです。セーニュ峠を越えればいよいよイタリアに突入します。

つづく

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1 コメント

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Unknown (Atsushi)
2017-10-25 09:29:43
確かにビッグレースともなると必ず前後に誰かしらいますよね、しかも渋滞。まさにハイキングです。
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