カラス

カラスと共に生き物の世界を覗き見る

お知らせ

2006-07-31 05:52:43 | ブトボソの呟き?

新しいリンクのお知らせです。

『ヤタの巣』

 足を骨折してしまった子ガラスを保護し一生涯の友として生活を始めました。ブトのヤタも第2の人生を歩み出しました。これからの成長が楽しみです。困難に打ち勝って欲しいと思います。皆さんも是非応援してあげて下さいね。

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巣立ち5:追記

2006-07-30 22:19:25 | 繁殖

 先日の「巣立ち5」のお騒がせ雛のその後をお話ししたと思う。相変わらずほとんどの時間を地面で過ごしていた。兄弟の方は地面に降りる事なく上手に枝伝いに移動していた。親の方はというとお騒がせ雛を守ろうと必死になっていた。相変わらず特定の人物を除いて蹴りなどの攻撃は行っていなかった。しかし性質の悪い人物がおり、故意に雛の近くに行き親が蹴りを入れるのを待っているのだ。その目的は「カラスに攻撃された。危ないから巣を撤去しろ!!」という実に子供染みた考えだ。私も毎朝お騒がせ雛がどうしているのか気になって仕方がなかったし、2回目の営巣なのでこのブトには何が何でも無事に子育てをして欲しいという願望があった。

 地面に降りてしまって4日後の朝の事だった。思いがけない場所で雛の声が聞こえて来た。声の主は何とお騒がせ雛だった。親は雛の居場所を把握していないのか?それとも違うブトの縄張り内なので入って行けないのか?雛のおねだりの声が木霊していた。暫くしてここの縄張りのブト一家がやって来て、お騒がせ雛に興味を示し始めた。このブトには3羽の雛がいて巣立って一ヶ月程経過していた。この親に攻撃でもされてしまったら一溜まりもないだろうと思いつつ様子を見ていた。しかし幸いな事に親ガラスからの攻撃はなかった。それより3羽の雛の反応が面白かった。雛はお騒がせ雛の事が気になって仕方がない様子だ。雛に近寄るとお騒がせ雛が翼をバタつかせておねだりをするので少し戸惑っているかのように見えた。

 親が近くにいないので人に対する威嚇はなかったのだが、給餌をしてもらう事が出来ない。3羽の親がお騒がせ雛に給餌をする事はあり得ない。私は少し不安になってしまった。暫く考えた末に「雛を移動させよう!!」と思いついた。さて、一体どうやって移動させようか?と考えていた所に、馴染み深い人が現れたのである。私はとっさに「雛を移動させたいので手伝ってくれますか?」とお願いをした。快く引き受けてくれたので、2人で雛を追い立てるようにして親の縄張りの方へ導いた。親もそれに気が付いたのか途端に威嚇しながら飛んできた。蹴りを入れられても仕方がないと思っていたのだが、親は低空飛行すらしてこなかった。何とか親の元へ雛を戻し一件落着となった。

 しかし地面にいる状態なので通行人への威嚇鳴きは治まる事はなかった。枝に止まらせてあげない限り親は落ち着く事は出来ないのだろう。今度は雛を捕まえて枝に乗せようと思いついた。人が近くに寄っても逃げる事はないのだが、いざ捕まえようとしてもそう簡単には捕まらない。最終的に網で捕まえるしか方法がなかった。網を借りて雛を捕まえ枝へ止まらせた。今回も親の反応は同じだったのだが、私を見ると威嚇をするようになった。
  
 枝に止まらせてから雛も落ち着いたのか地面へ降りて来る事はなくなった。親の安心なのだろう、給餌に専念する事が出来ていた。雛のいる位置は低いのだが数日経てば高い所へ移動出来る事だろう。その後も騒動はなく穏やかな日々が続いていた。

 そうして今日の午後雛の様子を見ていたら、何とあのお騒がせ雛が自分の力で飛んで移動したではないか!!そう、巣立ってからというものの自力で飛び上がる事が出来なかった雛が飛んでいるのである。鳥が飛ぶという事がこんなに嬉しいと思った事はない。私は思わず「わぁ~飛んでる!飛んでる」と口ずさんでしまったのである。

 ここまで自力で飛ぶ事が出来るようになったのだからもう安心しても良いのではないか?今年の繁殖も全て終了したと言っても良さそうだ。後は雛の独り立ちまで思う存分家族で楽しんで欲しいと思う。私もカラス一家の楽しい一時を見させてもらおうではないか!!ブトもボソも本当にお疲れ様でした。そしてありがとう!!

画像:お騒がせ雛(居眠り)

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飛べるという事4

2006-07-28 21:38:03 | 行動

 先日、知人から「片羽のカラスがいます。見に行ってあげて下さい」といった内容のメールが届いた。私は昨年の「飛べるという事」の「片羽ブト」を思い出した。飛ぶ事が出来ないというハンディを背負いながらも一生懸命生きていた姿が私の脳裏に蘇った。懐かしくもあり、悲しくもあり・・・・・。どうやら今回カラスは体の一部が灰色掛かっているらしいのだ。部分白化なのか??

 そのカラスがいるという場所は冬季塒に通じている公園だ。ここには常時カラスが生息しており、以前は「白いカラス」も住んでいた。現在は繁殖していない若い個体が夏塒として集まっている。年間を通して実に賑やかな場所である。もちろんここを縄張りにしている番もいて巣立った雛の可愛い姿も見る事が出来る。

 公園に着いてすぐにこのカラスが目に入ってきた。そう、片羽ブトである。メールにあった通りマガモの家族で賑わう池の周辺にいてどうやら水を飲もうとしていたらしい。

 この向きで見ると右の翼が下がっているのがお分かりになると思う。これでは恐らく飛ぶ事が出来ないだろう。しかし水浴びをしている姿を見ていると下がっている翼もちゃんと動いているではないか??もしかして飛べるの??

 知人が言っていたように、確かに体の一部が灰色だ。しかし良く見てみると部分白化というよりは何と言ったら良いのか、羽毛が擦れてしまい表面が剥げてしまっているような感じに見えた。首との段差がお分かりになるだろうか?

 更に部分的に剥げているようである。通常鳥は羽は生えていない場所があるのだが、これはその部分の他に明らかに剥げているようである。足を覆っている羽もなく丸見え状態だった。何か病気に罹っているのだろうか?心配である。

 ちょうどその時にパンを持った人が現れた。片羽ブトは解かっているかのようにその人の様子を眺めていた。そしてその人が池の反対側へ行きパンを撒き出した。すると何と片羽ブトは自分の翼でちゃんと池の反対側まで飛んで行ったではないか!!そう、片羽ブトは高い所からだったらちゃんと飛ぶ事が出来るのだ。地面から飛び上がる事は出来ないようだが、枝伝いに樹上に移動する際に困っている様子はなかった。パンを頬張っている時に口の中が見えたのだが赤みはほとんど見られなかった。奥まで見えた訳ではないのではっきりと断言は出来ないのだが、少なくても1歳以上になっているのだろう。

 一先ずは何とか生きて行けるようだったので安心していたのもつかの間だった。私の目の前にまたまた体が剥げてしまっているブトがトコトコとやって来たのである。このブトは尾羽のほとんどが抜けてしまっているようである。画像では確認し難いのだが、左の翼が少し下がっていた。しかしこのブトはちゃんと飛ぶ事が出来ていたのだが、かなり痩せているようだ。胸の辺りがくぼんでおり骨がはっきりと見えている。大丈夫だろうか?

 実はこの2羽の他にも片羽だったり、尾羽がなかったりと体に障害を持つカラスが数羽いたのである。原因は分からない。争いの結果こうなってしまったのか?それとも考えたくはないのだが、人による虐待なのか?今となっては真相は闇の中だ。しかしこうして一生懸命生きている姿を間近で見ていると「負けないで頑張るんだぞ!!」とエールを送りたい気持ちにさせられる。

 嫌われ者として世間から冷たい視線で見られがちなカラスだが、こうしてハンディを背負いながら一日一日を大切に生き抜こうとしている彼らがいるという事を分かって欲しい。カラスも人もみな命の尊さに違いはないのである。

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巣立ち5

2006-07-25 21:34:30 | 繁殖

 7月も終わろうとしているにも関わらず、あちこちで巣立ったばかりと思われる雛の声が聞こえて来る今日この頃である。私の周りも例外ではなく2回目の繁殖に成功したブトの雛が2羽巣立った。何の問題もなく巣立ってくれる事を祈っていたのだが、最後の巣立ちに相応しいといったら良いのだろうか?お騒がせ雛なのである。

 このブトは雛数も多く威嚇も激しかったので心配していた。今年は人による巣への悪戯があり、抱卵期から既に攻撃をしていた番の一つでもある。このブトが再営巣を始めたのは5月下旬の頃だった。1回目の繁殖時には雛が3羽いた筈で、日々給餌に励んでいた。しかしある日巣が傾いた状態になり雛の姿もなかった。証拠がないので私の推察に過ぎないのだが人のよる何らかの行為があったとしか思えなかった。

 巣の場所も今までの営巣場所から少し離れて割と低い木に造巣を始めた。巣は10日程で完成しすぐさま抱卵に入った。これからまた最初からやり直しだ・・・・・。夏になり気温が上がると抱卵している♀も見張りをしている♂も体力の消耗が激しいのではなかろうか?と心配になってしまった。しかし6月に入り思っていたよりも気温が上がらなかったので営巣自体は楽そうだった。

 抱卵から約20日が経過したある日の事である。♂が口一杯に食べ物を詰め込んで巣に入って行った。最初は♀へ給餌をしていたのだが、その後♀が雛へ給餌をしているのを確認出来た。雛は無事に孵化していたのである。一先ずは安心した。雛数は何れ分かる事なので後はそうっと観察するのみである。

 7月に入り巣立ちの日が近付くと私も何となく落ち着かない気分だった。雛はちゃんと上手く枝伝いに移動出来るだろうか?五体満足だろうか?と本当に切がなかった。しかし私が公園を離れていた時に巣立っていたらしく、公園に着いた時には既に親の激しい威嚇鳴きが聞こえていた。 
 
 しかし威嚇の声の方向は巣とは掛け離れていた。雛は地面に降りてしまい何も分からない状態で歩き出してしまったらしい。親にしてみたら気が気でないだろう。雛はベンチの上にあどけない表情で止まっていた。見たところ尾羽はほとんど生え揃っていなかった。しかし枝を掴む力もあり、自分の力で上に飛び上がれないだけらしい。

 親の攻撃はどうなのかというと、激しく威嚇鳴気はするものの低空飛行や蹴りを入れる事はなかった。もちろんいつも攻撃を加える人にはちゃんとそれなりに攻撃をしていた。通行する人々は「何で今頃になって攻撃されるの??」といった表情だった。

 もう1羽の雛は樹上にいるので親もある程度は安心なのだろう、一日のほとんどをこの雛に費やしていた。心無い人が多いので必死になり人を追い払おうとしている姿を見ていると不憫で仕方がなかった。親は地面にいる雛にも欠かさず給餌をしていたのだが、やはり地面という事もあり落ち着かないのだろう。

 この雛がちゃんと飛べるようになるまでには数日、もしかしたら数週間掛かるかも知れない、その間雛が無事でいてくれる事を願わずにはいられない。

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採食4

2006-07-23 21:30:53 | 

 人もカラスも子育てが一段落するとほっと一息入れたくなるのだろう。何をするという訳ではないのだろうが、ボーとしている時間が心休まる一時なのかも知れない。カラスにもそんな一時がある。しかし目に入った物がご馳走だった場合には途端に機敏な動きに変わる。その辺は人間と野生の違いかも知れない。 

 以前の記事「家族愛」で登場した「子煩悩ボソ」の採食シーンをじっくりと観察する事が出来た。最近は雛も大きくなり、子育ても楽になったと見えて番で羽繕いをしたり、番だけで出掛ける事が多くなった。今回は何気なく地面採食をしていた際に見上げた木に大好物を発見した事だった。

 地面採食をしながらテクテクと歩いていたら木の上をじっと眺め始めた。私の角度からは何があるのかは全く分からなかった。

 思い切って木へ飛び上がりじっと獲物を見つめていた。果たして何者が潜んでいるのだろうか?

 次に支柱の辺りに焦点を合わせ始めた。すっかりハンターの眼差しである。

 そうして一気に何かをくわえて地面に下りて来た。嘴には大好物の「アブラゼミ」がしっかりとくわえられていた。

 そしてコンクリートへ移動して夢中になり食べ始めた。余程美味しいのだろうか?セミはカラスに限らず鳥なら皆喜んで食べている。

 この半開きの顔がなんとも言えなくて可愛いと思うのである。その後このボソは半分程を口に蓄えて雛の元へと飛んで行った。そこにはまだまだ親に甘えていたい雛が2羽待っていた。雛に均等にご馳走のセミを与えた。雛は大喜びしているかのように見えた。

 雛は既に自分で採食が出来ているにも関わらず親を見るとおねだりを始める。しかし親も巣立ちしたばかりの頃に比べると給餌の回数も減ってきている。雛の成長を喜ぶと同時に独り立ちし、別れの日が近付いてきているのを感じ取っているのだろうか?

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烏本5

2006-07-21 05:51:20 | 烏物

 烏本第5段です。今回は「さいたま市立博物館」で行われた企画展の目録です。

 「烏・からす・カラス」というカラスづくしの目録です。烏物で登場した神社の事やヤタガラスの事などカラスにまつわるあらゆる事が書かれています。

 「さいたま市立博物館」

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反応3

2006-07-20 05:30:03 | 行動

 先日友人と遠出をしてきた。旭川に続く第2弾である。この日は日差しも優しく快適な道程となった。この時期は何処へ行ってもカラスの巣立ち雛と家族の姿が目に付き私を飽きさせる事はなかった。カラス以外の鳥も同様で「巣立ちパラダイス」の様相だった。しかし「いつもと何かが違う?」と感じていた。そう、それは「カラスへの反応」である。

 都市部とは状況が違いこの辺りは山に囲まれた豊かな水が流れる農作地帯である。当然カラスもその自然の中で生きており、人との接触もある筈である。しかし巣立ち雛の真下で作業をしている人がいても親ガラスは何の反応も示さない。また人も雛の存在に気が付いているのだろうが、全く気にしていないようである。

 この反応はここだけではなかった。少し繁華街のような場所でもやはり反応は同じだった。環境からいってもボソの数が圧倒的に多いのだが、ブトもそれなりにいる。都会と逆だと思ってくれると良いかも知れない。私は話には聞いていたものの「同じカラスなのに人よる不必要な接触がないだけでこれ程の違いがあるのか!!」と実感させられてしまった。

 買い物客で賑わう「道の駅」でも巣立った雛が低い電線に止まっていた。これが都会だったら間違いなく親の威嚇行動がある筈なのだが・・・・・これまた無反応であった。「このカラスの巣は何処にあるのだろう?」思い探してみたら、飲食店の前にあるではないか!!この場所で何事もなく平穏に子育てが出来ているのだろう。羨ましい限りである。

 この反応の違いを実感して思った事は「都会になればなる程人との接触や人による不必要な攻撃が増加する傾向にある。その為にカラスも神経質になり、少しの事にでも過剰に反応してしまう」という事だろうか。全てのカラスの反応を見た訳ではないので確実とは言えない。ひょっとしてここでは「巣の撤去」や「雛の捕獲」なんて事はないのかも知れない。それとカラスの密度にも違いがあると感じた。都会になればその密度は高く、密度が高い分カラス同士の争うも多いだろう。ここのカラスの縄張りはとても広そうである。一番の巣から他の番の巣までの距離は100m以上はあるかも知れない。巣を探すにも時間が掛かりそうである。

 結局ここではカラスの「威嚇鳴き」を聞く事はなかったし、当然の事ながら「低空飛行」も見られなかったのである。ここに生息しているカラスの姿が本当のカラスの姿なのかも知れない。誰も好き好んで攻撃という無駄にエネルギーを使う事をしたいとは思わない筈である。ここのカラス達は無駄にエネルギー使う事なく子育てに没頭出来るのだろう。改めてここのカラスが羨ましいと感じてしまったのである。

画像:ハシボソガラス

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オアシス3

2006-07-18 06:46:37 | その他

 私の住んでいる街は都会とは言えども車で一時間も掛からない距離に自然が豊富な場所が残されている。当然そこにはたくさんの動植物が生息し、生態系がきちんと確立されている。人によるお節介がない分生き物達の自然な姿を垣間見る事が出来るのだ。私はそんな場所が好きである。

 友人に誘われある山中にあるドッグランへ行って来た。ドッグランというと人工的な施設を想像して仕舞いがちなのだがここは一味違っていた。山の一部に設置されており通り過ぎるとうっそうとした自然林がひしめき合っている理想的なオアシスといえるだろう。

 最近公園ではその姿も声も聞く事がなくなってしまったヒタキ類やムシクイ類・ツグミ類の声が何処からともなく耳に入ってくる。この時期、盛んに囀っているという事は当然繁殖していると思って間違いないだろう。今年はウグイスが多いのだろうか?何処へ行ってもウグイスの声を聞く事が出来る。

 逆にカラスの姿は断然少なく、繁殖していると思われるブトの声が聞こえていただけである。少々寂しい気がするのである。山と平行して護岸工事を施されていない自然形の川が流れている。水性昆虫や水草も豊富で、カワガラスがいてもおかしくな環境でもある。オオルリの声がしきりに聞こえていたので、ひょっとしたら近くに巣があったのかも知れない。

 ここに着いたのが夕方近くだったのだが、ヒラヒラと華麗に舞うルリタテハの姿が印象的だった。この場所にピッタリのチョウである。広葉樹にはこの時期定番のキアシドクガが集まり求愛をしていた。このガは見た目は白く大きさもモンシロチョウに似ているのでガだと思っている人の方が少ないだろう。名前に毒と付いているが毒性はないとされている。カラス同様ガというだけで忌み嫌われる存在でも見た目が綺麗だったらガだと思われない・・・・・そんな得をしているガである。

 地面を見てみると名前が判らない甲虫もいるし。本当に小さなガも飛んでいる。この小さなガを狙って鳥達が空中を踊るようにハンティングしている。ガの方も自分の命が掛かっているので、そう易々とは捕まらない。鳥とガの命を掛けた戦いが繰り広げられているのだ!!気が付いている人は何人いるのだろうか?地面には種が零れ落ちて発芽した実生の木があり、世代交代出来る時をじっと待ち続けているようにも感じられた。

 夕方になるとシマセンニュウやアカハラなどの囀りが聞こえてきた。もう少し暗くなったらトラツグミやヨタカの声が聞けるのかも知れない。ツツドリは雛の巣立ちを促すかのようにあちこちで鳴いていた。野鳥の種類も豊富なので托卵相手にも困る事はなさそうである。きっとカッコウもいるに違いない。

 木を見上げるとキジバトやヒヨドリの古巣があり、キツツキが突いた穴が無数にある木もあった。中でも面白かったのは電柱に使っている焼きマルタにも無数の食痕が残っていたのである。幹の中に幼虫がいるのだろう。こういう場所なので当然蚊も多い。早速数箇所を刺されてしまった・・・・・。私の血を吸い産卵に励んで頂けるのなら許してあげようではないか!!しかし痒い・・・・・。

 早朝にここを訪れたらきっともっとたくさんの生き物に出遭える事だろう。もっと奥へ進むと常時設置されていると思われる「ヒグマ注意!!」の看板がある。ここはそんな自然豊かなオアシスなのである。

画像:キビタキ♂

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成長2

2006-07-15 21:11:34 | 行動

 巣立ちをした瞬間から独り立ちを迎える為にカラスの雛は日々成長を始める。人とは違いカラスの場合それが手に取るように判る時がある。雛だけではなく賢明に子育てをしている親にも同じ事が言える。カラスは巣立ちをして個体差はあるものの3ヶ月程家族で過ごし、親・兄弟と戯れながら社会のルールを学び取って行く。最近の人間社会より遥かに厳しくちょっとした油断が命取りに繋がりかねない。決して気を許してはいけないのである。現代の子供達は常に誰かに見守られる生活が当たり前になり、人間本来が持っていた筈の「自己防衛本能」が消えつつあるのではないか?と心配になってしまう。カラスの子育てを見て自己防衛本能とは何か?を学び取って欲しいと思いつつある今日この頃である。

 今年は昨年同様カラスの世界も少子化だった。雛数が一番多かったのはブトの3羽だった。今までこの公園のブトは子沢山で4羽・5羽という番も珍しくなかった。もしかしたら3羽程度の雛の方が親の目も行き届くので親の負担やストレスも軽減されていたのかも知れない。

 この3羽の雛達の成長を見ていると本当に面白く、同じ兄弟でも好奇心旺盛な個体や用心深い個体など性格の違いがはっきりと見えてくる。ある日この雛達の行動を時間の許す限り観察してみる事にした。私はこの日この一家にとってストーカーのような存在だったに違いない。それと同時に人の反応も見る事が出来たので一石二丁だった。雛の行動も面白いのだが、人の反応も実に面白いのである。

 この雛達はかなりしっかりとしてから巣立ってくれたので弱々しい状態で地面に下りる事はなかった。彼らが地面に下りて来たのは巣立ち後10日程経ってからの事だった。地面に下りた時の雛の表情がなんとも言えず可愛いのだ!!今まで巣や枝の上にいたので地面という環境が珍しいのか首を傾げて辺りを見回していた。

 兄弟の1羽が何の変哲もない枯葉をくわえたら、それが気になるのか兄弟で奪い合いを始めた。枯葉は他にもたくさんあるのだが、今くわえている枯葉が良いのだろう。やっとの思いで奪い取ったのだが、その時点でこの枯葉への興味は薄れてしまったのだろう。

 親は雛の行動を見つめながらも決して見張りを怠る事はない。ある男性が雛の横を通り過ぎようとした瞬間に親は威嚇鳴きをした、その瞬間雛達は枝へと移動して行った。親は引き続き男性に退散するように促していた。しかしこの男性はそんな事には全く気が付かずに、事もあろうに雛の真下へ行き用を足そうと支度を始めていた。ブトの親は一向に退散しない男性に向かって激しく威嚇鳴きをしていたのだが効果はなし。すると今度は低空飛行へと移行、この時点で男性はやっと気が付いたようだ。しかし時すでに遅し・・・・・生理現象は止める事が出来ない・・・・・男性は低空飛行に耐えながらやっとの思いで用を済ませた。男性は上を見上げると仁王立ちしているブトの姿を見て恐くなったのだろうか?枝の一本でも投げ付けても良さそうな状態だったにも関わらず、足早にその場を立ち去った。立ち去る瞬間に事の一部始終を見ていた私の存在にも気が付いたのだろう。何事になかったかのようにいなくなってしまったのである。

 私は笑いが止まらなかったし、その時の男性の焦っていた顔付きが目に焼き付いている。この男性はきっと暫くはこの場所で用を足そうとはしないだろう。そもそも少し移動をしたらトイレがある。ブトに低空飛行をされたのは非常識な行動をした罰だと思い反省して欲しいものである。私としては極めて珍しい光景を目にする事が出来て良かったと思うのである。

ハシブトガラス雛

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イワツバメの災難2

2006-07-13 20:52:27 | その他

 5月に「イワツバメの災難」の記事を書き、今後はこのような悲惨は事が起こってはならないし、起こるなんて思ってもいなかった。しかし今回また友人から「箱根ホテル」でイワツバメが虐待されたという連絡が入った。その虐待とは「雛や卵が入った状態の巣を撤去し、生きたまま袋に入れて数日間放置した」という事だった。想像を絶する内容でマスコミにも取り上げられたようである。ご覧になった方もいるのでは?

 客商売という手前「苦情」が入ると極力穏便に片付けようとする気持ちは解らないでもない。しかし今回のケースは明らかに「鳥獣保護法」違反である。立派な罪だ!!その罪をどの程度認識しているのだろうか?謝罪をすれば事は済むという安易な考えは捨てて頂きたい。イワツバメにも生きる権利があり、子孫を残す権利もある。糞害があるのならそれなりの対処の方法もあった筈であり、実際に実践している所も多いと聞いている。

 それにしても鳥獣保護法違反の罰金や懲役が軽すぎると思う。もっと命の尊さを考えて欲しいと思う。箱根ホテルにしてみたら今回の罰金なんてその場で支払える金額に過ぎないだろ。しかしこれだけの罪を犯した事に対する世間の目は冷たいのではないだろうか?

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不通

2006-07-13 05:58:33 | ブトボソの呟き?

 先日から夜になるとネットが不通になってしまう。この時間は大丈夫らしい。原因は??何故??記事の投稿やメールもダメ・ダメ・ダメ!!何か強烈な電波を受けているのかも??便利なようでこんな事が起こりやすい無線LANは不便なのだろうか?暫く更新できないかも知れない・・・・・

復活を祈っていて下さい。それにしても困った~~。

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烏本4

2006-07-10 21:11:19 | 烏物

 烏本第4段です。今回も絵本です。

 「カラス」というシンプルなタイトルの絵本です。山のカラスが都会のグルメに憧れてやって来ます。しかし・・・・・。実際にこんな事が起こると良いのかなぁ?と思ってしまう絵本です。

「カラス」

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タイミング

2006-07-08 21:17:22 | その他

 世の中タイミングが良い時と悪い時があり、悪い時になると「何故、こんな仕打ちを受けなければならないの?」と悲観してしまう。タイミングの悪さは人だけではない。カラスにもタイミングが悪い時がある。しかしカラスの場合はタイミングが悪いと、生活そのものまで破壊されてしまう事がある。その発端のほとんどを人間が作り出している事も忘れてはならないだろう。

 カラスの雛が巣立ち順調に成長してくれたら問題はないのだが、若干巣立つのに早かったのかな?と思える雛がいた場合は少なからず何か騒動が起こるものである。その騒動が威嚇程度であって、しかも人がそんなに往来しない場所でなら問題はないだろう。しかしこれが都心部や公園ともなるとたちまち大騒ぎになり、辺りは騒然としてしまうのだからどうしようもない。

 先日の記事にあるようにタイミングが悪いとカラスの場合は「捕獲」という最悪の事態に陥ってしまう。捕獲といっても成鳥を捕獲する事は不可能に近いのでほとんどの場合は雛である。巣立ってタイミング悪く地面に下りてしまい最後には捕獲されてしまうのである。巣立って間もない雛の場合、危険という事を全くと言って良い程理解していない。捕獲される時も逃げる事なく実に呆気なく捕獲されてしまう。

 しかし捕獲される経緯となると少々考えものである。通常公園などの場合は一般市民が勝手に捕獲申請は出来ない。個人で捕獲申請が出来るのは民有地に限られるのである。しかし公園以外の場合、例えば歩道になると役所へ連絡するというよりは何故か「警察」になってしまうのである。警察は通報があった以上は対処しなければならない。警察としてはこの事態を一早く解決したいと思うのだろう。警察から役所へ連絡が行き、業者がやって来るという仕組みになっているらしい。つまり警察が来てしまうと雛の捕獲は確実となってしまうという事だ!!

 カラス騒動で一体全国でどの位の確立で警察が呼ばれるのかは分からない。雛の捕獲という最悪に事態に陥らなくても方法はある。しかしほとんどの場合そんな余裕などないし、周りの人の理解も必要であり、理解していたのならば最初から警察に通報なんてしないだろう。雛を守るという行為が一生続くのなら仕方がないと思うが、繁殖期のほんの一時の事ではないか!!もう少し寛大な気持ちになって貰いたいものである。

画像:ハシブトガラス(伸びをする)

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家族愛3

2006-07-06 05:45:50 | 行動

 毎年カラスの巣立ちには様々なドラマがある。今年も例外ではない。しかし今年の場合はいつものドラマとは違い、人の手による作られたドラマという有り難くない状況だったのである。この記事を書く事をずっと悩んでいた。理由は「証拠」がないからである。私自身がこの目でしっかりと現場を見た訳でもないし、あくまでも人からの証言とカラスの行動から判断したものである。しかし私は確信している。

 今年のカラス達はいつもと少し様子が違っており、今まで巣立ち前から攻撃態勢に入る事がなかった。しかし今年は3番が巣立ち前から攻撃態勢になっていた。「一体どうしたのだろう?」と思いつつも様子を見ているしかなかった。

 6月1日の事である。巣立ちにはまだ早いボソの雛が巣の下に落ちていた。最初見つけた時は死んでいるものと思い亡き骸を回収しようと掴んだ瞬間、雛は大きな口を開けて鳴いたのである。その姿を見て正直いって私はとても驚いた。生きている事に驚いた訳ではない。雛に外傷は見られなかったのだが、頭を強く打ってしまったのだろう。神経をやられてしまい首が曲がってしまっていたのである。立たせようと思っても首が曲がっているので直に転んでしまうのである。親は上で狂ったように泣き叫んでいた。「保護しようか?」と考えたのだが、親の事を考えると目の前で誘拐してしまう事になる。結局雛を人目に付かない茂みへ移動させる事にした。後は親が面倒を見てくれる事を信じて・・・・・。

 親はすぐさま雛の元へ降り立ち様子を伺っていた。私もそのまま様子を見る事にした。気を落ち着かせて巣の様子を見てみたら巣材の一部が垂れ下がっていて、下にはテニスボールが落ちていた。この日テニスはやっていなかったし、テニスボールがこんな目立つところにいつまでもある事自体考えられない。私の脳裏には「誰かが巣を目掛けてテニスボールを投げ付けたのでは?」という考えが浮かんでしまった。朝巣を見た時はなんの異常もなく、もちろんテニスボールなんて落ちていなかった。「巣にボールを当てるなんて無理だろう?」と思うかも知れない。しかしこのボソの巣は低い位置にあり、丸見え状態だった。何度か投げ付けているうちに、雛に当たれば驚いて巣から飛び出てしまっても不思議はないのである。

 私は毎日雛の様子を見続けていた。しかし雛に近寄る事は決してしてはいけないと思った。親に余計な神経を使わせる事になるからだ。雛の姿は茂みにすっかりと隠れていたので他の人に気付かれる事はないだろう。仮に見付かっても親が激しく威嚇鳴きをするので安心である。雛の姿は見えずともおねだりの声が聞こえているうちは安心だった。
 
 数日が経過してある人から「数人の人がカラスの巣のある木を棒で叩いているのを見た。理由を聞いたら”カラスはカモの雛を食べる悪い鳥だから退治しなくてはいけない”と言っていた」と言うではないか!!そう考えると巣立ち前から攻撃態勢に入っていた番や「家族愛2」で死んでしまった雛も人による攻撃が発端だったのかも知れない。叩かれていた木と「家族愛2」で死んでしまったボソの営巣木が一致していた。ここまで聞いてしまったら全てのつじつまがあうではないか!!巣立ち前に木を叩くという行為をずっとやられていたのだとしたら、攻撃的になってしまっていても不思議はない。

 卑劣な行為を行っている人物は察しが付く。しかし何分「証拠」がないし、人からの証言のみである。法律上はどうなのかと言うと「「直接カラスに手を出した訳ではないので違反にはならない」との事だ。絶対に納得が行かない・・・・・。

 正直いってこの雛は数日で息絶えると思っていた。飛ぶ事も歩く事も出来ないカラスが自然界で生き抜いていける事自体あり得ないのだ。雛は毎日親から給餌をしてもらい、親も雛の側を片時も離れる事はなかった。人が近付くと威嚇鳴きをして追い払っていた。しかし低空飛行や蹴りを入れる事は全くなかった。時々ネコが歩いていると声が出なくなってしまうのではないか?と思う程鳴き叫び追い払おうと奮闘していた。地面で動けない雛をネコが捕食する可能性は高いだろう。しかしこのネコは雛の存在に気が付かなかったようである。このボソ自体非常に大人しく、毎年営巣している事自体気が付かれていないのである。

 7月に入ったある日の事、前日から雛の声が聞こえなかったので気になっていた。しかし親は相変わらずしっかりと見張っていたし、雛の所へ降り立っていた。通常なら巣立って一ヶ月も経過したら家族で遠出を始める時期でもある。しかしこの家族にそれは出来ない。私は雛の様子を見ようと決心して茂みへと近付いた。親は見てはいたのだが反応はなかった。不思議に思ったのだが、足元の茂みには変わり果てた雛の姿が横たわっていた。雛は息絶えてしまったのである。首は曲がったままだった。翼は最初掴んだ時より生え揃っていて、十分に飛べる翼だった。可愛そうに、この雛は一度も飛ぶ事なく、息絶えてしまったのである。

 亡き骸を埋葬しようと思い掴んだ瞬間、親は激しく威嚇鳴きをしてきた。たとえ死んでしまっていてもこのボソにとってはかけがえのないたった1羽の雛だ。当たり前の反応なのかも知れない。この雛は飛んだり、跳ねたりする事は出来なかったのだが、親の献身的な愛情を受けて幸せだったのかも知れない。卑劣な行為をした人物はこの雛がどうなってしまったのかなんて考えてもいないだろうし、すっかり忘れているかも知れない。恐ろしい事である。

 親のけな気な姿を見ていると悲しくなると共にカラスの愛情深さが身に染みてくる思いだった。親は雛の亡き骸がなくなった事を理解したのかいつもの生活に戻ってきた。雛と親は約一ヶ月という間、本当に良く頑張ったと思う。「お疲れ様」という言葉と一緒に「素晴らしい家族愛を見せてくれてありがとう」と言ってあげる事にした。

画像:ハシボソガラス(茂みの雛を見張る)

コメント (6)
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置石

2006-07-05 22:05:20 | その他

 今までも何度か同じようなニュースを見た事がある。カラスの習性なので致し方のない事だろう。線路には必ず石が必要なのだろうか?素朴な疑問である。

『カラス何故置くの?』

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