カラス

カラスと共に生き物の世界を覗き見る

飛べるという事7

2010-12-29 08:01:18 | 行動

鳥が飛べないという事は死を意味する。
しかし今回紹介する鳥は運の良さと生きようとする力が重なって生き抜く事が出来たのである。

今回の主人公はカラスではなくてこの「オオセグロカモメ」である。
5月中旬にこのカモメは翼を切断し痛々しい姿で現れた。
多分電線か何かに思いっきり激突してしまったのだろう。

ぶら下がっていた翼はいつの間にか取れていた。
後から聞いた話では心配した人が切り取ったという事である。
本来なら許可なく捕獲するといけないのだが機能していない部分を切除したのは良かったのかもしれない。
いつも一人ぼっちだから「ロンリー君」と名付けた。

ご覧のように左の翼がほとんどない。
この状態なら飛べないのは明らかである。

秋になりカモ達も姿を消してしまい池にはロンリー君だけになる事もしばしば。

立入り禁止もへっちゃらだね。

人工の池は冬になる前に水が抜かれる。
水がなくなった池底にはたくさん食べ物がありそれをお目当てにカラス達が集まって来る。
これはボソだからロンリー君にちょっかいを出したりはしない。

ブトのカモメの関係は川に行くと良く分かる。
本来ならカモメの方が遥かに強いのだがロンリー君は飛んで逃げる事が出来ないからひたすら走っていた。
あとは嘴で威嚇して追い払っていた。

ブト君がこうして低空飛行をしてからかっている事も多かった。

そんな姿を見て「カラスに突かれて死んでしまう」と言っている人がいた。
いくら飛べないからと言って突き殺されるなんて事はありえないんだけどね~。

ブト君だってとても用心しながら近寄っている。

本当にカラスを危険だと認識しているのならこんなにのんびりはしていないだろう。
そういう所を見ないで騒ぐのは止めてね。

時には番で様子を伺っている事もあった。

しかしこのまま放って置く訳にも行かなかった。

池底が凍り付いてしまい中に潜んでいる昆虫うなどを食べる事が出来なくなった。
可哀そうと言っている人達が魚やパンを与えていたので少しは腹の足しになっていただろう。

こんな風に空を見上げている姿を見ると悲しくなるよね。
本来なら空を悠々と飛んでいるのだから・・・・・。



役所に相談をして「ロンリー君救出作戦」を決行する事にした。
作戦は至ってシンプルだ。
捕まえて川へ放鳥するだけである。
池底が凍り付くのを待ち2回目の挑戦で捕まえる事が出来た。

箱に入れて川へ出発。

そして川へ放鳥するとキョロキョロしながらまるで思い出しているように見えた。
早速気持ち良さそうに水浴びをしていた。

ロンリー君は約7か月間飛べない状態で都市公園の人工池で暮らしていた。
これが川だったら捕まえる必要もなかったのだがここでは放って置けば凍死してしまう可能性もあった。
水鳥は凍り付いた地面にいるよりは水に浮かんでいる方が暖かいのである。
ロンリー君を放鳥した場所は食べ物も隠れる場所もあり他にもカモメやカモが越冬している最高の場所である。
一生飛べないけどここで元気に暮らして欲しいと思いながらロンリー君とお別れをして来たのである。

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Merry Christmas 2010

2010-12-24 05:21:16 | ブトボソの呟き?

 皆さん、如何お過ごしでしょうか?
札幌は雪が降ったり止んだり、時々雨も降ります。
雨が降ると融けてしまって翌朝に凍るのdエツルツル路面になってしまいます。
冬に雨が降るなんて私が子供の頃にはなかったと思います。

私は特に何もしないのですが教会に行く人もいるのでしょうね。
パイプオルガンの独特な音色を聞くと不思議な感じになります。

今日は猫に美味しい猫缶をプレゼントします。
いつもは療法食なんですが今日は特別です。

それではみなさんも素敵なクリスマスをお過ごし下さいね。

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烏本17

2010-12-12 06:22:34 | 烏物

とっても久しぶりの烏本シリーズ。
今回はツイッターなどで交流のある知人が私のブログたDVD、twitterでのツイートを参考にしてブトの子供の成長ぶりを書きました。
主人公はブトの「すえっこ」君です。
実際にはない事ですが、すえっこ君はどうやら親に放棄されてしまったようです。
そんなすえっこ君が巣から飛び出して都会に出て仲間と一緒に生きる術を学んで行きます。
ゴミステの描写もとても良くて見たままって感じですね。

実はこの本にタイトルはありません。
自費出版なので部数に限りがあるようですがカラスが好きな方や私のブログを見てくれていつ方には是非読んで頂きたい一冊です。
私もまだ途中までしか読んでいませんが、すえっこ君の行動にハラハラドキドキしてしまいます。
想像通り威嚇人も出て来ました。
読みながらブログの内容が頭に浮かんだり実際にこの目で見ている事と同じ事が書かれていて嬉しくなります。

この本の事の記事もあります。
謎の委託小説

ご希望の方は私宛にメール、もしくは左サイドバーの「メッセージを送る」からメールを下さい。
左サイドバーからメッセージを送る場合には必ず「メールアドレス」を明記して下さい。

ではでは\(^_^=^_^)/ ヨロシク♪

コメント (2)
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恵み5

2010-12-08 06:06:45 | 

すっかり冬景色になってしまったが相変わらず気温は高めで今年も植栽されたツツジなどが狂い咲きしていた。
畑では収穫が終わり耕されている。
公園などでは冬支度が始まり人工の池の水抜き作業も始まった。
そんな冬支度はカラス達にとって恵みの季節でもある。

芝生の緑も見納めになりそうな時期にこうしてボソが集団で集まる。
この時は総勢200羽だった。

ボソの目的は収穫後の畑に残っている野菜である。
カラスは野菜が嫌いだと思っている人も多いがカボチャ好物のようだ。
耕された畑にはたくさんの昆虫もいる。
ボソはカボチャと昆虫の両方を食べていた。

カボチャを食べるボソ君。

こちらは水抜き作業が始まった公園の人工池である。
干潟のようになった池にはエビやタニシや小魚など驚くほどの生き物がいる。
私は人工池の水がなくなるのを見に行くのが楽しみである。
一時だけ干潟に変身するのである。

ツヤツヤしているブト君を発見。

目的に向かってダッシュ。

このくらいの水位になるとカラスでも平気だね。

水飲んでいるの?

池の中をうろうろして何かをくわえた。

これはタニシである。
多分オレンジ色の卵塊を石などに産み付けるジャンボタニシだろう。

期間限定のタニシをありがたく頂くブト君。

タニシだったら突いて食べられるよね。

嬉しそうな顔つきのブト君。
タニシを持って移動。

食べないで貯食するブト君もいる。

この顔が素敵。

こちらは番のブト君。
今年の繁殖はどうだったのかな?

私は都会に住んでいて都会に住んでいるカラスを観察している。
一見すると自然がないように思えるが決してそのような事はない。
さり気なく残っている草地や雑木林がカラスを始めめとする生き物たちの貴重な採餌場になっている。
また人工的な公園も貴重な生息域だという事は言うまでもないだろう。
カラスは都会では生態系のトップでありキーストン種だと考えられる。
カラスがいなくなったら生態系が壊れるのは間違いないだろう。
でもその事に気が付いている人ってどのくらいいるのだろうか?

コメント (8)
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