カラス

カラスと共に生き物の世界を覗き見る

嘆き2

2007-04-24 06:21:13 | ブトボソの呟き?

 私はこの公園に住んで何年にもなるの。毎日毎日いろいろな人が公園にやって来る。私達の事をいつも見ている黒い服の女の人がいてね、私達の生態を誤解に満ちた人達に説明をしている事があるの。この間もそうだった・・・・・。

 これ、ヤマガラさんが巣材を集めているところよ。これを見ていた年配の女性と黒い服の人が話しをしていたのを聞いちゃったの。

 この年配女性が「この公園は鳥がたくさんいていいよね。みんな今は子育ての時期で、毎日楽しみにしているけど、カラスは要らないよね。カラスの巣は落としてもらわないと困る。小鳥の雛を食べるし、突いて来るし、カラスは要らない!!」と力強く言っていた。

 この話しを聞いて黒い服の人は「カラスだって生態系の一員なんですよ。小鳥の雛を食べるのも自然界では当たり前の事で他の鳥だって小鳥や昆虫を食べます。そういった意味合いではみんな同じだと思いますよ」と言っていた。でもこの年配女性は「いや~カラスは要らない。いつも突かれるし、ゴミは散らかすし、いなくなっても困らない」と更に力を込めて言っていた。

 

 私達だって巣材を集めて巣を造り子育てをしたいの。でも私達がこうして巣材を集めていると石を投げられたり、巣まで運ぶところをじっと見て巣の場所を見つけて「あそこにカラスの巣があるから落として欲しい」と連絡をするのよ。何故?

 

 去年はこうしてて巣に座っている時に物を投げ付けられてパニックになった仲間もいるし、雛が巣から落ちて死んでしまった仲間もいるの・・・・。悲しいよね。

 

 私達も小鳥さんと同じように見て欲しいなぁ~。だって私達は鳥なんだもの。危険物じゃあない!命があるの!毎日生きるために必死になっているだけなの!

 

 僕もこの公園に住んで数年が経つ。この公園にはたくさんの仲間が暮らしている。狭いから時々喧嘩もするけど、みんなきちんとルールを守って暮らしているんだ。この間黒い服の人と年配女性が話していたのを聞いたんだ!!

 この年配女性が「何時だったか自転車に乗っている時に、突然カラスに後ろから襲われてびっくりして転んで怪我をしたの。痛かったし、恥ずかしいし・・・・・。でも、きっと雛が側にいたんだと思うの。だから襲って来たんだと思うのね。カラスって雛を守るのに必死でしょう?気が付かなかった私が馬鹿だったのよね。襲われるのは嫌だけど、次はそこを通らなければ済む事だし、少しの間の事でしょう?」って言っていた。黒い服の人は「そうですね。年中襲って来る訳でもないし、繁殖期の限られた期間だけですからね。世の中の人がみんなあなたのように考える事が出来たらカラスと人の軋轢もなかった筈ですね。」と言っていた。

 

 確かに僕たちハシブトガラスはハシボソガラス君と比べると気性が激しいしいから時には蹴ってしまう事もある。でもそれは人間が恐ろしい存在だからなんだ。人間の事が恐ろしくなかったら、僕たちは何にもしないよ。でも違うんだ!!都会では人間が見方でもあり、敵でもある。僕たちが幾ら抵抗しても武器を使って雛を連れて行かれる事もある。目の前で子供が連れて行かれるのって本当に辛いよ。悲しいよ。

 昨年も雛を目の前で連れて行かれた仲間がいた。僕も近くで見ていたけど、悲しくて涙が出て来た。だって何ヶ月も掛けて育てた子供なんだよ。目の前で連れて行かれて平気な顔をしている親っていないと思う。人間だってそうでしょう?違うかな?       

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仲良し

2007-04-19 06:29:38 | 行動

仲良しブト夫婦

 用事があり中心街へ行った帰り、少々小腹が空いたと感じたので何か食べようと滅多に行かないデパートへ行きパンを調達した。その後すぐ向かいにある公園へ行き食べようと企んだのである。この公園は実に人工的で花と芝生に覆われている。噴水もあり、子供やお年寄りが水遊びをや餌付けをするといったような絵に描いたような「憩いの公園」である。

ブト♂

 冬季間はムクドリやカラスの塒の一部にもなっている。しかし鳥の姿といったら餌付けに群がるドバトが群を抜いて多く、逆にカラスの姿の方が少ない。しかしそんな公園の木にもカラスが営巣している。しているというよりは「しようとしていた」と過去形にするのが適切かもしれない。かなりの確立で巣は撤去されている。人が集まる公園にドバトは必要でもカラスは必要ないという事なのだろう。私に言わせれば「エゴイストの塊のような公園」である。

ブト♀

 私がベンチに座りパンを食べ始めたら、待ってましたとばかりに2羽のブトがやって来た。ベンチの横にはこれから花壇になる枡があり、そこへ2羽御揃いで止まり物欲しそうに見ている。食べているところをじっと見つめられるのは何だか照れくさい。たとえ相手がカラスであっても・・・・・。

何かあるの??

 このブト夫婦、ここで餌付けをされているのだろう。あの顔見知りブト君よりも更に接近して来ている。私は大感激だ!!きっと私から何か貰えると期待しているのだろうに・・・・・ごめんね!ブト君、私は何もあげないよ・・・・・。

隠してあるのさ!!

 食べながらブト夫婦の行動を見ていた。このブト君、この枡の中に食べ物を隠していたらしくおもむろに掘り始めた。すると何か口に詰め込んで隣にいるブトにささやいている。ささやきを聞いた途端に相手が反応を示した。何と目の前で給餌をしたのである。こんな間の前で給餌を見る事が出来るなんて思ってもいなかった。更に大感激である!!

いただきま~す!!

 この様子を行きかう人々は「あれ、カラスだよね?馴れているね。飼っているのかな?」などと言っているのが聞こえて来た。飼っている訳ではないのだが、ここまで馴れているとそう感じてしなうのだろうか? きっとカラス嫌いな人だったら途端に追い払っているのだろう。そして足元にいるドバトにパンをあげるのだろうなぁ。

ブト♂

 このブト夫婦給餌を終えると2羽で飛び去ってしまった。この辺りにも縄張りを持っているカラスがたくさんいる。都会のど真ん中で繁殖を成功させるというのは非常に苦難の道のりなのは間違いない。しかし都会のど真ん中を選んだのはカラス自身である。苦難を乗り越えて頑張って生きて欲しいと願うばかりである。

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尾行2:災難

2007-04-17 19:02:09 | 行動

尾行ボソ

 2月に「尾行」という記事に登場したボソ君は、相変わらず私を見つけると後を付けて来た。しかし繁殖期が始まり「このボソも造巣しているのだろうなぁ」と思いながら、なかなか確認をする事が出来なかったのである。しかしある日電線で見張っているボソを発見した。しばらく様子を見ていると、私の方へ飛んできた。私は直ぐにいつもの「尾行ボソ」だと分かった。つまり尾行ボソは♂だったのである。

 見張っている方向を見てみても営巣に適した木がない。しかし耳を済ませると抱卵の声が聞こえてきた。声の方向へ歩いてみると・・・・・なんと電柱の上に巣を構えているではないか!!ここはまずいだろうに!!

尾行ボソの巣

 巣は位置は3階建程の高さで、如何にもボソが好みそうな高さである。木とは違い天井が丸出しで雨は当たりそうだ。今年はいつもの小学校の校庭には営巣をしなかった。昨年巣を撤去されてしまったからかもしれないし、今年はこの小学校の近くにブトが営巣を始めている。その影響もあったのだろう。

黄色い風車

 電柱に造られた巣は間違いなく撤去されてしまう。私はやるせない気持ちで一杯だった。巣を発見して嬉しい反面「何時撤去されてしまうのか?」思うと不安で仕方がなかったのである。しかし発見して僅か数日後の夕方、巣は既に撤去されていた。お決まり事のように巣のあった場所には「黄色い風車」が設置されていた。

見張る尾行ボソ

 肝心の尾行ボソ夫婦の姿はなかった。何処へ行ってしまったのだろうか?いつも私の後をついて来てとても可愛かった尾行ボソ君。しばらく休養してまたこの周辺で営巣が出来ると良いのだが・・・・・。彼らの縄張りは概ね把握しているので探せば見付かりそうな気もしている。それにしても尾行ボソ君、悲しい現実だね・・・・・。

「尾行」

電柱営巣で関連した記事があります。是非読んでみて下さいね。

「あれ、あれ、巣がない!ヒナは?=神奈川・伊勢原」

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仲間7

2007-04-15 05:56:35 | 行動

 カラスの繁殖期が始まり、私も徐々に忙しくなってきた。早くも放棄をしそうな気配の番もいる。この所の低温と日照不足が心配である。2005年のような事にならなければ良いのだが・・・・・。

 それはそれとして、気になっていたいじめられっ子だが、残念な事に伴侶が見付かりそうにない。更に最近は仲間も増えて10羽前後の集団になり、公園へやって来るようになった。以前のように私の側に降りて来る事もほとんどなくなった。嬉しいやら寂しいやら・・・・・と微妙な心境である。(^^;

手前がいじめられっ子

 それでもいじめられっ子は時々仲間の1羽に求愛をしている。鳴きながら給餌の誘いをしたり、ダンスを踊っている。結局ふられてしまうのだが、それでもめげないいじめられっ子!!頼もしいではないか!!そのうちきっと「いじめられっ子と子育てをしたい」と思う♀が現れるに違いない。

 いじめられっ子と行動を共にしているカラス達は当然ながら若ガラスである。まだ縄張りを持たない彼らは毎日いじめられっ子と共に公園へやって来て、何やら大騒ぎをしている。追っかけっこをしたり、枝を折ったり、みんなで旋回をしたりと実に楽しそうである。何と言ってもいじめられっ子が鳴き交わしながら仲間と旋回している姿はとても嬉しい。カラスが数羽で旋回するのは当たり前の事なのだが、相手がいじめられっ子となるとこれまた格別だ。

休憩

 しかし若ガラス集団は時々成鳥に対して「悪さ」をする事がある。当人達はそれが悪い事だという認識があるのかは分からない。先日もこの若ガラス集団が大騒ぎをしていた。若い個体が巣に興味を示す事は往々にしてある事だ。しかしそれ古巣なら問題はない。しかし今回この若ガラス集団が興味を示した巣は造巣中の水飲みボソの巣だった。

 造巣中の巣に入り込んだ若ガラスの数羽が巣材をくわえて嬉しそうに放り出し始めた。当然ながら水飲みボソは3羽で攻撃をするのだが多勢に無勢、勝ち目はなかったのである。しかし飽きっぽい若ガラス達は直ぐにまた違う遊びを見つけて巣から出て行った。しばらくは水飲みボソ3羽も頭を四角くして怒っていたのだが、時間が解決してくれた。しかしその後水飲みボソは造巣を止めてしまったのである。

水飲みボソ♀

 水飲みボソが若ガラス集団の巣を壊されるという事は今回が始めてではない。以前は育雛中にもやられた事がある。この時もそれっきり営巣を止めてしまった。今回もそうなってしまうのか?と心配していたのだが、その数日後再び造巣を開始した。一先ずは安心である。しかし水飲みボソ自体、あまり営巣に真剣さが感じられないという事もあるので、まだ、あた油断は出来ない状態である。

 ちなみに巣を壊した若ガラスの中にいじめられっ子は参加していなかった。いじめられっ子はこうして毎日仲間と共に移動をしながら社会生活を学んでいるのだろう。数年遅れのスタートになるのだが、若ガラス集団の中では年長になるのかもしれない。親の縄張りに仲間を連れて来ているのはいじめられっ子本人かもしれない。いや、そう考えるのが自然だ。不思議な事にいじめられっ子の親達はこの若ガラス集団を追い出そうとはしていない。気にして見てはいるのだが・・・・・。親も我が子が楽しそうに戯れている姿を見て安心しているのかもしれない。だから縄張り内に集団で入って来ても拒まないのだろうか?親に感謝だね、いじめられっ子!!

クリック

 仲間といえば嘗て保護していた「カーコ」といじめられっ子はとても仲が良かった。仲が良いというよりはいじめられっ子の方がカーコに接近していたのである。この頃のいじめられっ子は私の側に来る事もなかったのだが、カーコと一緒に行動をするようになってから私を見ると近寄ってくるようになった。カーコがいなくなった後も変わらなかった。きっと私の側にいると「カーコに会える」と思っていたのだろう。今日は「いじめられっ子とカーコの水飲み」の映像をご覧頂きたいと思う。私にとっては本当に懐かしい思い出の映像である。

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身だしなみ2

2007-04-10 06:40:07 | 行動

 野生の生き物は我々人間なんかより遥かに清潔好きである。清潔好きという表現は適切でないかもしれない。清潔にしていないと命に関わる事もある。怪我をしたり、弱っている生き物の体はとても汚れている。汚れると当然の事ながら寄生虫が発生し、益々体力は減退して行く。

 「カラスの行水」とよく言われるのだが、決してそんな事はない。カラスは実に念入りに水浴びをする。夏の暑い日などは何度も繰り返し水浴びをしている。冬だって川で水浴びをする。水浴びと共に積雪のある地方だけの特典の「雪浴び」も行うのである。これがまた何とも言えず可愛いのである。
 
 先日は「ブトの争い」という少々激しい映像だったので、今回は雪を浴びているボソの映像をご覧頂きたいと思う。ちなみにこのボソは「水飲みボソの第2婦人」である

クリック

 ちょっと曇っていたので可愛い顔の表情が確認出来ないのが非常に残念である。途中で前を横切るのは「水飲みボソ」である。何だか半分遊んでいるようで楽しそう!!

 GIF画像だが「いじめられっ子の雪浴び」もあわせてどうぞ 「カウントダウン2006」

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対策

2007-04-08 17:33:49 | その他

 毎年この時期になると必ずといって良い程ある相談事が来る。そう、それは「カラスが庭木に巣を作ってしまった・・・・・どうしたら良いでしょう?」というものである。私にしてみたら「庭に木があるのなら営巣しても不思議はないし、別段慌てる事でもない」ように感じられるのだが世間一般ではそうではなさそうである。

 昨年の繁殖期にもやはり似たような相談事があった。様子を見に行くと、巣立った雛が地面を歩いていた。気が気でない親は雛を守ろうと通行人を威嚇していた。これではどうにもならない状態だった。

 巣のある民家の人が出てきてくれたので話をする事が出来た。この方は「カラスが巣を作った事を喜んでいて、毎日成長して行く姿を見るのが楽しみだった」という事だった。しかし「巣立った後にこんな事になるなんて・・・・・」と想像もしていなかったらしい。無理もなかろう。

 民家に庭木に営巣するカラスは少なくない。特に都会では緑のある場所は限られており、早い者勝ちといった具合だ。後から来た新参者の入り込む余裕はない。本来なら倍以上の樹高が望ましい筈のブトでさえ例外ではない。

 営巣したのがボソだった場合は然程気にする事もない。直接攻撃はないに等しいからだ。そうかといって手出しはご法度である。あくまでも「そっと見守る」というのが適切である。これはブトでもボソでも共通して当て言える事である。

 実は今回のようなケースは少なくない。巣を作られた民家の人は楽しみにしていても、巣立ち後の事までは考えないのである。巣立ち後も庭から出る事なく成長してくれれば問題はないのだが、そこは野生のカラスの事、日を追う毎に行動範囲が広がるのは当たり前である。更に雛数が多かったら兄弟がバラバラに行動を始めるので親もさぞかし大変だろう。

 民家に造られた巣を勝手に第三者が撤去する事は出来ないのが普通である。都道府県によって多少の違いはあるのかもしれないのだが、基本的には出来ないと思った方が良い。民家や私有地に造られた巣を撤去するか、しないかの判断はその土地の持ち主に依存される。

 民家の場合は巣立ち後の事まで考えた上で巣を見守る必要がある。近所に人達に理解を求めたり、看板などを設置して周知する必要があるかもしれない。しかし大抵の場合「カラスの襲われて怪我をしたらお宅で責任を取ってくれるのか?」と言われる事が多いと聞く。私に言わせればとんでもない勘違いだと思うのである。何故なら「カラスは野鳥であり、その野鳥が勝手に庭に巣を造ったのだから個人に責任はない」と思うのだが・・・・・。

 今年も到る所で民家に営巣しているカラスの姿を目にしている。私は巣立ち後「この家族はどうなるのだろうか?」と心配になってしまう。民家でなくてもカラスが安心して子育てを出来る権利さえ否定されつつある世の中だから・・・・・。

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争い2

2007-04-05 18:54:13 | 行動

 カラスの世界というものは時として見ている方が唖然としてしまう事がある。それは求愛だったり、遊びだったりと様々である。どんな世界にも付き物の「争い」もその一つである。しかしカラスの世界の争いは人の争いのように、金銭絡みや憎しみといった灰色の世界ではなく、時には「生か死か」という命がけの世界である。

 今まで何度もカラスの争いを目の当たりにしているのだが、ほとんどの場合短時間で終わり見ている私も然程の緊張感は感じられない。しかし今回の争いは長時間に及び、その異変に気が付いたカラス達が次々と押し寄せた。その数総勢40羽。彼らはこの行く末を興奮しながら見ていた。この2羽のブトは知恵の輪のように足が絡み付いていた。

クリック

 この2羽の争いの原因が何だったのか私が知る余地もない。いつもこのような光景に出わして見ていると「何故、助けないのか?」と尋ねて来る人もいる。助けるのは簡単な事かもしれない。しかし私は敢えて手を出す事はしない。何故ならその場限り助けても、何の意味もなく、彼ら自身の気が済まない限りは再び争いが起こる。人の一時的な感情で彼らの世界を侵してはならないのである。

 結局このブト達がどうなったのかと言うと・・・・・お散歩に聞いていたワンちゃんが突撃して行き、その瞬間に彼らは飛び去って行ったのである。特に流血騒ぎになる程の痛手は負っていないようだった。彼らが飛び去るのと同時に集まっていたカラス達もその後を付いて飛び去り解散したのである。

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顔馴染み2

2007-04-01 06:11:43 | 行動

風になびくブト君

 最近やっと雪もなくなり、待ちに待った自転車が乗れるようになった。少々風が身に凍みるのだが、数ヶ月振りの自転車は快適だった。しかし最初から遠出をするには体力がない。そこで近くの顔馴染みブト君の所へ行く事にした。

 いつもの公園のカラス達は既に産座を集めている番も多く見られるのだが、どうやらこの公園のカラス達の繁殖行動が早いと感じる今日この頃である。顔馴染みブト君はどうしているだろうか?冬に何度か会いに行ったのだが、寒かったので長居は出来なかった。

つぶらな瞳

 着いた途端に彼らの昨年の営巣木に1羽のブトが止まっているのが目に付いた。「きっと顔馴染みブト君の連れあいに違いない。今年もこの木で子育てをするのかな?」と思っていた瞬間、私の足元に1羽のブトが・・・・・そう、顔馴染みブト君である。

 相変わらず元気そうで色艶も良好である。彼は私の足元約50cmの所まで近寄って来るのがパターンである。私も嬉しくなる。彼はいじめられっ子と同じでよく「あくび」をする。あくびをしているという事はリラックスをしてくれているのだろう。

あくび

 周辺では池を囲むように餌付け人達が給餌に励んでいる。中には米粒を持って来ている人もいるし、通りすがりにお菓子を投げ入れている人もいる。相変わらずの光景である。この場所の風物詩と言えるのではないだろうか?

瞬膜

 足元にいる顔馴染みブト君の写真やビデオを撮り、私は彼にいろいろと話し掛ける。彼は頭を傾げながら話を聞いてくれている・・・・・とまるで親ばか丸出しの状態である。恥ずかしい・・・・・。

 私の側に移動してきた餌付け人が米粒を撒きだした。マガモ・ドバト・スズメが一斉に群がり啄ばんでいる。餌付け人の顔つきは幸せ感と優越感に満ち溢れているのがよ~く判る。「餌付けが良くない」なんて微塵にも感じていないのだろう。

後ろから近寄る

 宙を舞う米粒に惹かれたのか顔馴染みブト君の連れあいが側に行く。おこぼれを頂戴しようと思ったに違いない。しかしこの餌付け人はなんとブトに向かって「シッ、シッ!」と舌を打ち鳴らしていた。この程度ではカラスは動じない。我慢出来なかった餌付け人は通常なら絶対に触る筈のない汚~い雪を掴み舌打ちをしながらブトに向かって投げだ。

 ブトは一旦は私の近くに来て様子を見ていた。餌付け人が去る雰囲気だったのでまた餌のある所へ移動して行った。しか~し、この餌付け人も諦めが悪く、立ち去ると見せかけてまた振り向き様に雪を投げ始めた。しかしこれで諦めたのか帰って行った。

マガモとツーショト

 その後に親子連れがやって来て、集まるマガモにパンを与え始めた。再び連れあいの方が側に行きパンをくわえ始めた。「また追い出されるのだろうなぁ」と思って見ていたのだが、この親子連れは「カラスさん、食べているよ」と言いながらブトにも公平にパンを与えていた。口一杯にパンを詰め込んで貯食へとひた走る。途中で顔馴染みブト君も参加して2羽で貯食を始めた。この親子はカラスを毛嫌いする事もなく、カメラを持っていた父親がその光景をカメラに収めていた。

顔馴染みブト夫婦

 こうしてゆっくりと顔馴染みブト君夫婦と楽しい一時を過ごす事が出来た。そろそろ塒も崩壊しているので、落ち着いて営巣に費やす事が出来るのかもしれない。後は人の介入によって営巣を邪魔さえされなければ・・・・・頑張ってね!顔馴染みブト君!!

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