カラス

カラスと共に生き物の世界を覗き見る

オアシス3

2006-07-18 06:46:37 | その他

 私の住んでいる街は都会とは言えども車で一時間も掛からない距離に自然が豊富な場所が残されている。当然そこにはたくさんの動植物が生息し、生態系がきちんと確立されている。人によるお節介がない分生き物達の自然な姿を垣間見る事が出来るのだ。私はそんな場所が好きである。

 友人に誘われある山中にあるドッグランへ行って来た。ドッグランというと人工的な施設を想像して仕舞いがちなのだがここは一味違っていた。山の一部に設置されており通り過ぎるとうっそうとした自然林がひしめき合っている理想的なオアシスといえるだろう。

 最近公園ではその姿も声も聞く事がなくなってしまったヒタキ類やムシクイ類・ツグミ類の声が何処からともなく耳に入ってくる。この時期、盛んに囀っているという事は当然繁殖していると思って間違いないだろう。今年はウグイスが多いのだろうか?何処へ行ってもウグイスの声を聞く事が出来る。

 逆にカラスの姿は断然少なく、繁殖していると思われるブトの声が聞こえていただけである。少々寂しい気がするのである。山と平行して護岸工事を施されていない自然形の川が流れている。水性昆虫や水草も豊富で、カワガラスがいてもおかしくな環境でもある。オオルリの声がしきりに聞こえていたので、ひょっとしたら近くに巣があったのかも知れない。

 ここに着いたのが夕方近くだったのだが、ヒラヒラと華麗に舞うルリタテハの姿が印象的だった。この場所にピッタリのチョウである。広葉樹にはこの時期定番のキアシドクガが集まり求愛をしていた。このガは見た目は白く大きさもモンシロチョウに似ているのでガだと思っている人の方が少ないだろう。名前に毒と付いているが毒性はないとされている。カラス同様ガというだけで忌み嫌われる存在でも見た目が綺麗だったらガだと思われない・・・・・そんな得をしているガである。

 地面を見てみると名前が判らない甲虫もいるし。本当に小さなガも飛んでいる。この小さなガを狙って鳥達が空中を踊るようにハンティングしている。ガの方も自分の命が掛かっているので、そう易々とは捕まらない。鳥とガの命を掛けた戦いが繰り広げられているのだ!!気が付いている人は何人いるのだろうか?地面には種が零れ落ちて発芽した実生の木があり、世代交代出来る時をじっと待ち続けているようにも感じられた。

 夕方になるとシマセンニュウやアカハラなどの囀りが聞こえてきた。もう少し暗くなったらトラツグミやヨタカの声が聞けるのかも知れない。ツツドリは雛の巣立ちを促すかのようにあちこちで鳴いていた。野鳥の種類も豊富なので托卵相手にも困る事はなさそうである。きっとカッコウもいるに違いない。

 木を見上げるとキジバトやヒヨドリの古巣があり、キツツキが突いた穴が無数にある木もあった。中でも面白かったのは電柱に使っている焼きマルタにも無数の食痕が残っていたのである。幹の中に幼虫がいるのだろう。こういう場所なので当然蚊も多い。早速数箇所を刺されてしまった・・・・・。私の血を吸い産卵に励んで頂けるのなら許してあげようではないか!!しかし痒い・・・・・。

 早朝にここを訪れたらきっともっとたくさんの生き物に出遭える事だろう。もっと奥へ進むと常時設置されていると思われる「ヒグマ注意!!」の看板がある。ここはそんな自然豊かなオアシスなのである。

画像:キビタキ♂

コメント (2)
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