カラス

カラスと共に生き物の世界を覗き見る

反応3

2006-07-20 05:30:03 | 行動

 先日友人と遠出をしてきた。旭川に続く第2弾である。この日は日差しも優しく快適な道程となった。この時期は何処へ行ってもカラスの巣立ち雛と家族の姿が目に付き私を飽きさせる事はなかった。カラス以外の鳥も同様で「巣立ちパラダイス」の様相だった。しかし「いつもと何かが違う?」と感じていた。そう、それは「カラスへの反応」である。

 都市部とは状況が違いこの辺りは山に囲まれた豊かな水が流れる農作地帯である。当然カラスもその自然の中で生きており、人との接触もある筈である。しかし巣立ち雛の真下で作業をしている人がいても親ガラスは何の反応も示さない。また人も雛の存在に気が付いているのだろうが、全く気にしていないようである。

 この反応はここだけではなかった。少し繁華街のような場所でもやはり反応は同じだった。環境からいってもボソの数が圧倒的に多いのだが、ブトもそれなりにいる。都会と逆だと思ってくれると良いかも知れない。私は話には聞いていたものの「同じカラスなのに人よる不必要な接触がないだけでこれ程の違いがあるのか!!」と実感させられてしまった。

 買い物客で賑わう「道の駅」でも巣立った雛が低い電線に止まっていた。これが都会だったら間違いなく親の威嚇行動がある筈なのだが・・・・・これまた無反応であった。「このカラスの巣は何処にあるのだろう?」思い探してみたら、飲食店の前にあるではないか!!この場所で何事もなく平穏に子育てが出来ているのだろう。羨ましい限りである。

 この反応の違いを実感して思った事は「都会になればなる程人との接触や人による不必要な攻撃が増加する傾向にある。その為にカラスも神経質になり、少しの事にでも過剰に反応してしまう」という事だろうか。全てのカラスの反応を見た訳ではないので確実とは言えない。ひょっとしてここでは「巣の撤去」や「雛の捕獲」なんて事はないのかも知れない。それとカラスの密度にも違いがあると感じた。都会になればその密度は高く、密度が高い分カラス同士の争うも多いだろう。ここのカラスの縄張りはとても広そうである。一番の巣から他の番の巣までの距離は100m以上はあるかも知れない。巣を探すにも時間が掛かりそうである。

 結局ここではカラスの「威嚇鳴き」を聞く事はなかったし、当然の事ながら「低空飛行」も見られなかったのである。ここに生息しているカラスの姿が本当のカラスの姿なのかも知れない。誰も好き好んで攻撃という無駄にエネルギーを使う事をしたいとは思わない筈である。ここのカラス達は無駄にエネルギー使う事なく子育てに没頭出来るのだろう。改めてここのカラスが羨ましいと感じてしまったのである。

画像:ハシボソガラス


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