今日は、6年生にとって6年間最後の読み聞かせの時間だった。
あたしがこの子たちと過ごしてきた読み聞かせボランティアとしての時間も終わる。
4年生からの3年間。
娘のいるこの学年をずっと担当してきた。
なんか思い入れが深い分、今回の本選びには正直悩んだ。
1クラスしかない単級の小学校から、3箇所くらいの中学校へと別れていく子どもたちに、友だちとは?仲間とは?
なんて本を読んであげたくて、最初は必死に探してた。
でも、時間のない中で回る本屋さんで、そんなに都合のいい本と出合えるわけがない。
半分あきらめて帰ろうとしたときに目に留まったこの本。
パラパラとめくった瞬間に、「これだっ!」って思った。
― すべてのお母さんと子どもたちに ―
そんなサブタイトルの付いたこの絵本は、生まれてきた生んでくれた事への感謝であったり、母の(父の)思いであったり。
旅立つ子どもへのエールだったり、助言だったり…。
親にも子どもにも、何か心の奥底で震える気持ちを残してくれる本だと思った。
偶然にも昨日、6年生を送る会で、この子たちの成長をたくさん感じた。
教室へ入り、まず最初に昨日のことに絡め、あたしがあたしなりに気付いた子どもたちの成長の部分を話して聞かせた。
小さかった入学式の時のあの姿が、思わずよみがえったこと。
いまや見上げるほど大きくなってしまった男の子たち。
かわいかったあの声が、低い男の人の声に変わっていること。
女の子たちの雰囲気の大人っぽいこと。
かわいらしくきれいになったこと。
そんな話をしながら、君たちは今「節目」にいるんだよと、教えた。
節目と言うのは、改めて色々なことを振り返り、成長を感じ取ったり、今後の更なる成長へ向き直ったり。
そういうことなのだよと。
君たちが思うのと同じように、君たちのお父さんもお母さんも、そうやって思っているはず。
だから、君たちは今。
お父さんとお母さんに感謝の言葉を伝えるべきだ。
こうして大きく成長することが出来たのは、お父さんとお母さんのおかげだと。
「ありがとう」と。
実は昨日、あたしの同級生の子どもが虐待を受けているのではないかという話を聞いた。
しかし母親は、今現在付き合っている若い彼氏が虐待をしている事実を知りながら、何も言わないのだと言う。
あたしはなんて…非力なんだろう。
昨日はその話を聞いてから、その考えであたしの頭は埋め尽くされてしまった。
その子を助けてあげられないのだろうか。
本人も5年生と大きく、母親も事故だと言い張ってしまえば、介入すら出来ないのだろうか?
そんな風な不当な扱いを受けながらも、自分ひとりではまだ生きていけない子どもが身近にいる。
その子たちから考えたら、なんて幸せな子どもたちだろう。
そこは6年生には話せないので、あたしの心の中での話しなんだけど、なんか、すごく複雑な思いで最後の読み聞かせは終わった。
一緒に担当している地域ボランティアの先生は、あたしの小中の先生だ。
「今日の本は、お母さんじゃなきゃ読めないわね。
っていうか、私はあなたを小学校からずっと知っているから…
あのcocoaちゃんがこんな風にこんな話をしてるって思って、私は私で感慨深い回だったわよ」
こんな風に、今日の読み聞かせをほめてくれた。
たくさんの子どもに愛を。
同級生の彼女にも、この本を読んで欲しい。
自分がお腹を痛めて生んだときの事。
生まれてきてくれたことだけに、純粋に感謝したあの頃の事。
成長する、一つ一つの事柄が嬉しくて楽しかったときの事を。
思い出して欲しいから…。
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