【蝶にあいたい/野鳥にあいたい】暖蝶寒鳥

横浜より、近郊の野山で出会った蝶や野鳥を写真で紹介。

[171] ミヤマカラスアゲハ(舞岡公園)

2009年09月06日 |  蝶>アゲハチョウ科
2009-09-06 舞岡公園

ここ舞岡公園には、あちこちに「クサギ」がありますが、
そろそろ花も終わろうとしています。
そんな中で、ここ、甘味喫茶「クサギ」には、まだ花が十分残っていました。
(昨年もこの木は遅くまで花をつけていました)。
そこには、次々と黒い翅のお客さんたちががやってきます。
お客さんの多くは、モンキアゲハとカラスアゲハ、一番多いときには10頭ぐらいいました。

そんな中で、
表翅の金緑色の光沢条がひときわ明確なカラスアゲハがいました。
咄嗟に「もしや!」と思いました。
もし、裏面に淡黄色の帯があれば、ミヤマカラスアゲハです。
何とか裏側を確認しようと、必死モードになりました。
そして、幸いにも裏面も撮影できました。
掠れていますが黄帯がありました(写真c)。
(関東産の場合、この黄帯は北海道産ほど明確ではありません)。
ミヤマ~がここに居るとは、思っていませんでしたので、
感激しました。

結局2時間の張込みで、モンキアゲハ(多数)、カラスアゲハ(多数)、クロアゲハ2頭、ナガサキアゲハ3頭、そしてミヤマカラスアゲハ1頭、アオスジアゲハ(多数)が観察できました。次々にやってくるお客さんたちに、時間が経つのを忘れてしまいました。


(a)ミヤマカラスアゲハ♀(2009-09-06 戸塚区舞岡公園)
結局、確認できたのは、この1個体だけでした。撮影中は、1~2頭のカラスアゲハと一緒に動き回っていたので2個体かもしれないと思っていました。撮影した写真の何れも左後翅に欠損がありました。前翅の色が緑色なので♀と思われます。



(b)ミヤマカラスアゲハ♀(2009-09-06 戸塚区舞岡公園)
この光沢条が最高に綺麗です。



(c)ミヤマカラスアゲハ♀(2009-09-06 戸塚区舞岡公園)
やっとこれで、裏翅の淡黄色の帯が確認来ました。北海道産と比べると帯がボケていますが、ミヤマカラスに間違いありません。



(d)ミヤマカラスアゲハ♀(2009-09-06 戸塚区舞岡公園)
表面の金粉が綺麗です。




★この日は、「相模の蝶を語る会」の観察会に初参加させていただきました。色々な方から、色々なことを教えていただき、とても勉強になりました。
そして、このミヤマカラスアゲも、嬉しい想定外でした。
実り多い一日になりました。

この日のこれ以外の写真(ナガサキアゲハ、カラスアゲハなど)は、別途アップする予定です(整理が追いつきません)。

[170] 植物>ミヤコグサ(シルビアシジミを求めて、三浦地区を調査)

2009年09月06日 |  植物>
Blogタイトルを、シルビアシジミにしたいと思っていましたが、食草のミヤコグサがタイトルになりました。

シルビアシジミは、絶滅危惧ⅠA類のチョウで、三浦半島ではほとんど見ることができなくなっています。見た目は、ほとんどヤマトシジミですが、名前が素敵ですね。
もともと、相模の蝶を語る会編の「かながわの蝶」(神奈川新聞社)を見て、シルビアシジミが三浦半島で確認できることを知って興味を持ちました(この本は2000年出版なので…)。

まずWebで調査。
シルビアシジミは、「神奈川県レッドデータブック2006Web版」によると、

 | 三浦半島では最近まで確認されていたものの、
 | 1999年横須賀市の記録を最後に途絶えたとの報
 | 告…、2000年と2002年に三浦半島で確認された
 | との情報…。

とあり、もう何年も記録は無く、悲観的な状況。それでも食草のミヤコグサの群生地に行けば可能性があると思い、探してみることにした。ミヤコグサは、基本的に海岸や河川敷に自生する草なので、地図や航空写真で三浦の海岸線で自生していそうな場所のあたりをつける。以上を元に、

【予備調査】 1週間前、三浦半島の西側を海岸に沿って数ヶ所を歩いてみた。海水浴シーズンなので、駐車場が一杯、または高い。色々回ったが見つからない^^;) 夕方、最後にいった和田長浜海水浴場の西端で「ミヤコグサ」を発見。実は、こんなに小さな花とは思っていなかった(花も葉っぱも米粒より少し大きい程度)。2、3cmの花をイメージしていたので、目の前を通っても気がつかなかった可能性が高い^^;)

(a)ミヤコグサ(花)(2009-09-05 三浦市黒埼の鼻)
小さくてとても可憐な花です。もう少し花が大きければ人気がでるでしょう。マクロ撮影しましたが、花が風に揺れて上手く撮れませんでした。



(b)ミヤコグサ(葉)(2009-09-05 三浦市黒埼の鼻)
葉も小さい。



【現地調査】 悲観的になりつつも戦略を練り直し、予備調査で行けなかった場所「黒崎の鼻」+「三戸浜海岸」をアタックしてみた。海岸一杯に広がるミヤコグサを期待したが、実際には、「黒崎の鼻」の一角のところどころに可憐な小さな花がみられたという程度でした。小さくて白っぽいシジミチョウを次々に撮影しましたが、結果はヤマトシジミ28頭、ツバメシジミ2頭、ルリシジミ3頭に終わりました(調査にはネットがあったほうが効率的です)。

これでシルビアシジミの捜索は一旦諦めです。このような局所的なミヤコグサの分布では、厳しいという印象をもちました。
残念な一日になりましたが、ゴマダラチョウ、ナガサキアゲハ、ギンヤンマ、チョウゲンボウなど想定外の成果もありました(別途掲載予定)。