
世の中、「元祖」「本家」を名乗る店は数多くある。しかし、その大半は、いったい何をもって「元祖」「本家」とするのかよく分からない。 ここ「華都飯店」もそのうちの一軒。通りに面した壁に「元祖 担々麺」という紙が張ってあるが、横浜中華街で初めて担々麺を出した店なのか、それとも日本で最初に担々麺を作ったのか、あるいは、この製法で作ったのが日本初なのか。 元祖のお味を確かめに行ってきた。 まずスープを一口いただくと、かなり辛い。レンゲに4杯ほど飲んだところで、舌が痛くなってきた。 口直しに麺とひき肉をすする。このひき肉はトロトロでフンワリしており、普通の担々麺に載っている普通のひき肉とは、ずいぶん趣きが違う。美味しいです♪ 聞けば柔らかい上等なお肉を使用しているとか。これは白いご飯にかけて食べたほうがいいかもしれない。 まあ、それにしてもこの担々麺は辛い。大辛だ。 食べている途中で大汗が吹き出てきた。禿げかかった頭から汗が滝のように流れ落ちる。それが眼に入り涙と混じって鼻汁もズルズルと出てくる。 その混合液体が首筋に垂れはじめ、やがてメタボなお腹に至り、最後はパンツまでグッショリだ。 でも、あとになって気がついた。このスープはよ~くかき混ぜなければいけなかったのだ! ラー油たっぷりのうわずみ部分ばかり啜っていたが、下層には芝麻醤の効いた胡麻風味豊かなスープが潜んでいたのだ。 最後は底に沈殿している肉を、箸で一粒ずつ拾って食べた。それほど、このひき肉は美味しかったということだ。混ぜ混ぜしたスープも旨い ![]() ところで、この店には何度か来ているのに、今までまったく気づかなかったことがある。それは入り口近くの書棚に置かれたキリスト教関係の品々だ。 まず目に付いたのは、昨年帰天された濱尾枢機卿の写真。他にも教皇の写真やマリア像などが並べられていた。 中華街とキリスト教。一見、場違いな感じがするかもしれないが、これが意外と密接な関係にある。 辛亥革命を主導した孫文をはじめ、革命派の主なメンバーは皆、洗礼を受けたクリスチャンだった。そして、亡命してきた彼らを支えていたのが横浜の華僑だったのである。その華僑たちにキリスト教徒がたくさんいたのだろう。現に、横浜中華街の中には、こんな教会が! ![]() ![]() 私はコンサートを聴くため、この教会の中に一度だけ入ったことがあるが、内部は街中の赤・黄色といった原色とは違い清楚な感じだった。当たり前か。 ニフティのホームページが終わってしまったので、ここからは当時の記録を再掲しておく。 ******************** 横浜中華街は、決して中華料理だけのテーマパークではありません。生活の場でもあるわけですから様々なものがあります。『何でも揃う横浜中華街』は、いわばコンビニエンス・ストアのような存在です。だから宗教施設だって揃っています。 その宗教施設の中心は、観光客も大勢訪れる関帝廟。そして最近は媽祖廟も。どちらも中国伝来のものですが、忘れてならないのがキリスト教です。 『横浜大世界』から蘇州小路を歩いていくと中ほどに横濱華僑基督教会があります。10月のある日、教会の掲示板に貼られたコンサートのポスターを眺めていたら、後ろから青年に声を掛けられました。 『岩淵まことさんをご存知ですか』 私はぜんぜん知らなかったのですが、日本ゴスペルの先駆者なのだそうです。『是非、聴きにきてみませんか』と誘われ、チラシを5枚ほど渡されました。 そのチラシに書かれた彼のプロフィールは以下のようでした。 1953年仙台市生まれ。中学生時代より作詞、作曲を始める。NHK仙台のFMリクエストアワーのDJを務め、1977年、日本コロムビアよりシンガーソングライターとしてデビュー。ファーストアルバム『スーパームーン』はその年のコロムビアレコード新人賞を獲得。その後、セカンドアルバム『エアーポケット』を発表。ソフト&メローといわれた歌声は数多くのCMにも起用されている。またドラえもんの映画『のび太の宇宙開拓史』『のび太の大魔境』『のび太の海底鬼岩城』他、アニメのテーマソングも歌っている。 1980年、小坂忠氏との出会いを通してクリスチャンとなる。その後デュオで日本国内、そして海外へと、精力的に活動を続けた。 1987年に長女を天に送る経験を通して生まれた曲『父の涙』は多くの方々に愛聴され、また歌われている。その他に、ワーシップソングの作詞作曲、また訳詞等も手掛けている。 1996年6月からフリーとなり、ソロとしての活動を再開。1997年6月にCD『ぺトラ通り』、1998年9月にCD『永遠鉄道』を発表。2000年6月に久々のソロアルバム『HEAVENLY』をリリース。8月にはソングブックを発売。2002年にはライブアルバム『The Season Of Joy』をリリースした。 現在は教会でのコンサートの他に、ペトラストリートとのライブ。関根一夫牧師との新しい賛美歌を歌う集い、『歌声ペトラ』などの活動を行っている。2004年9月ソロアルバム『ふたつのJ』をリリース。 その日以来、チラシは鞄の中にずっと入れたままでした。何故か捨てられなかったのです。プロフィールに書いてあったことが気になって。経歴から見ても、いわゆるゴスペルソングらしい歌を歌うのではないのかもしれない、そんな気がしていました。 仕事が忙しく、簡単に行ける状態ではなかったのですが、意を決して参加を申し込んだのが本番2日前。なんとか間に合いました。 午後7時、森牧師の司会でコンサートが始まりました。開会の挨拶はほかとそんなに変わりはないのですが、さすが教会で開催するだけあって、そのあとがチョット違います。まずは、お祈りです。今日のコンサートが有意義に行われるよう、そしてまた、ここに招かれた人々のうえに祝福があるよう、牧師さんの祈りがありました。 そして、牧師のような姿の岩淵まことがギターを抱えての登場です。なんだか、若いころ聴きに行った『フォークジャンボリー』や『渋谷ジャンジャン』を思い出させるものがありました。 まずは一曲。なんていう曲なのか分かりませんが、その歌声に聴きほれてしまいました。ソフト&メロウと言うんでしょうか、なんとも暖か味のあるステキな声だったのです。 そのあとは、子供時代から青春時代のお話を、ジョークを交えて楽しく聴かせていただきました。礼拝堂の中には笑いがこだましていたのですが、お子さんを亡くしたときの話が始まると、会場のあちこちからすすり泣きが聞こえてきました。切ないですねえ。 そして歌った曲が『父の涙』。ジーンときました。お子さんを天国に送ったことの歌はもう一曲あり、それは何年か後に作ったという話でした。『賑やかな天国』という歌で、タイトルからも想像できるように、前作とはずいぶんと趣を異にしていました。 そんなコンサートの途中、ギターの弦が切れてしまいました。でも、さすがプロですねえ。切れたまま演奏を続け、次の曲との合間に弦を張り直しながら、トークを続けていくのですから…! 8時半。あっという間にコンサートは最後の曲になってしまいました。ところが、ここで再び弦が切れてしまったのです。でも、今度は第4弦です。いわゆるD線というやつで、よく切れる弦なのです。それだけ使用頻度が高いということなのですよ。それでもまあ、とにかく最後の曲は無事終了しましたが、問題はそのあとです。当然、アンコールがあるでしょ。しかも重要な第4弦が切れています。あと一曲、アンコールをやるために新しい弦を張るか、そのままいくか、迷うところですよね。ここで彼は、そのままいくことを選びました。 でも、1本足りないままやっているなんて感じさせないほどの演奏でした。こんなステキなコンサートを無料で聴かせていただき、たいへん感謝しております。横濱華僑基督教会のみなさん、ありがとうございました。 最初に書いたように、この街にはいろいろ揃っています。だからキリスト教会だけではなく、仏教教会もありました。今は福建路にありませんが、移転してどこかのビルの中に入っているという話です。 ちなみに、この仏教教会の跡地には今、『五洲』という中華料理のお店が入っています。 岩淵まこと公式ホームページもご覧になってみてね。 〔お店データ〕 店名:華都飯店 住所:中区山下町166 電話:045-641-0335 ![]() 「ハマる横浜中華街」ランチ情報はコチラ⇒ ![]() |
石頭(だっけ?)火鍋を食べたことがありますが、美味しかったですよ。
以前の教会の建物は記憶にありません。趣きのある建築物だったんでしょうね。
カテゴリーがすごく細かく分けられていたのですね。
あとあとどれくらいで、中華街の全てのお店が
網羅できるんでしょう?
中華街のお店選びに困っている人に
とっても役に立っているはず。
これからも、更新を楽しみにしています。
なかなか食べに行けません。すみません。
ブログの方ですが、カテゴリーのつくり方は難しいですね。どうやっても、満足できません。
でも、再訪していただき、さらにコメントまでいただき、ありがとうございます。
どこかで聞いたような気が…どこだったかなぁ…
ごめんなさい、思い出せません。
いつも美味しい中華街情報をありがとうございます♪
中華街でもいろいろあります。酸辣湯麺の麺を飯に換えた酸辣湯飯とか、サンマーメンのご飯版とか。
みんな、いろいろ工夫しているんだよね。