港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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60年代ポップス変遷史 1964年1月

2015-06-20 05:06:42 | 60年代ポップス変遷史

1964年1月にはこんな曲が流行していました。

ワシントン広場の夜は更けて ヴィレッジ・ストンパーズ
愛しのラナ ヴェルヴェッツ
サンフランシスコの思い出 ブレンダ・リー
素敵なメモリー ジョニー・ソマーズ
ドミニク スール・スーリール
北京の55日 ブラザーズ・フォー
恋のパームスプリングス トロイ・ドナヒュー
ビーマイ・ベイビー ロネッツ
シャレード ヘンリー・マンシーニ楽団
僕のマシュマロちゃん ショニー・シンバル
バイ・バイ・バーディ アン・マーグレット


先月、彗星のように現れた『ワシントン広場の夜は更けて』がついにベストワンです。
『愛しのラナ』も大ヒットだったのですが各週間においてもトップの座は射止められませんでした。
今月の新曲としては映画『シャレード』の主題歌がベストテン入りです。この曲は映画をご覧に
なられた方ならご存知でしょうが、タイトルバックでは楽団演奏、エンディングではコーラス
二曲がありました。
また『ミスター・ベースマン』でヒットしたショニー・シンバルは『僕のマシュマロちゃん』で久々の
トップテン入りを果たしました。

↓はヘンリー・マンシーニ楽団の『シャレード』 YOUTUBEより



ベストテン入りはしませんでしたが、トニー・ダララの『ラ・ノビア』、オスカー・ブラウン・ジュニアの
ワークソング』などもこの頃のヒット曲でした。
『ラ・ノビア』は1958年に作られたのですが当時は殆どヒットしていなかったようです。それをトニー・ダララ
がレコーディングしたのが1961年、それから時が経過してようやく日本でも知られるようになりました。
私個人としてはベストワン級のヒット曲なのですが『今週のベストテン』には顔を出しておりません。
ラジオ関西の『電話リクエスト』ではこの時期によくかかっていましたね。

↓はトニー・ダララの『ラ・ノビア』 YOUTUBEより




60年代ポップス変遷史 1963年12月 追記

2015-06-14 03:24:29 | 60年代ポップス変遷史

参考までに1963年の年間ベスト20が発表されていますので紹介しておきます。

ヘイ・ポーラ ポールとポーラ
悲しき雨音 カスケーズ
禁じられた恋の島 エリオ・ブルーノ楽団
史上最大の作戦 ミッチ・ミラー楽団
シェリー フォー・シーズンズ
大脱走マーチ ミッチ・ミラー楽団
内気なジョニー ジョニー・ソマーズ
恋の売り込み エディ・ホッジス
悲しき悪魔 エルヴィス・プレスリー
テルスター トルナドーズ
ワン・ボーイ ジョニー・ソマーズ
太陽はひとりぼっち コレット・テンピア楽団
北京の55日 ブラザーズ・フォー
さすらいのマーチ ニニ・ロッソ
悲しきカンガルー パット・ブーン
ロコモーション リトル・エヴァ
サマー・ホリデー クリフ・リチャード
恋のバカンス カテリーナ・ヴァレンテ
アイ・ウィル・フォロー・ヒム リトル・ペギー・マーチ
エデンの東 ヴィクター・ヤング楽団
(註・『さすらいのマーチ』のリンクはフィルムシンフォニック楽団です)


↓は年間ベストワンに輝いたポールとポーラの『ヘイ・ポーラ』 YOUTUBEより




60年代ポップス変遷史 1963年12月

2015-06-13 07:33:54 | 60年代ポップス変遷史

1963年12月にはこんな曲が流行していました。

北京の55日 ブラザーズ・フォー
愛しのラナ ヴェルヴェッツ
ワシントン広場の夜は更けて ヴィレッジ・ストンパーズ
バイ・バイ・バーディ アン・マーグレット
エデンの東 ヴィクター・ヤング楽団
ワン・ボーイ ジョニー・ソマーズ
ビーマイ・ベイビー ロネッツ
さよなら初恋 リトル・ペギー・マーチ
サンフランシスコの思い出 ブレンダ・リー
ボサノバ・ベビー エルヴィス・プレスリー
素敵なメモリー ジョニー・ソマーズ
プリンセス・プリンセス ジョニー・ティロットソン
ブルー・ベルベット ボビー・ヴィントン
ドミニク スール・スーリール
恋のパームスプリングス トロイ・ドナヒュー


映画の公開時期と重なってブラザーズ・フォーの『北京の55日』がベスト・ワンです。
そしてヴィレッジ・ストンパーズの『ワシントン広場の夜は更けて』が一躍3位に躍り出てきました。
演奏しているヴィレッジ・ストンパーズはこの年に編成された8人組のデキシー・スタイルによるバンドで
8人8種類の楽器を奏でていますが、軽快なバンジョーの響きが好評で突然の大ヒットとなりました。
しかし、このグループも後作が続かず、一発屋のまま1966年に解散してしまいました。
9位にブレンダ・リーの『サンフランシスコの思い出』が入ってきました。この曲は1953年にダグラス・クロスが
作詞しジョージ・C・コリーが作曲したもので今やポップスのスタンダードとして広く知られており、有名どころの
歌手たちがこぞってレコーディングを競いました。フランク・シナトラは『わが心のサンフランシスコ』、トニー・
ベネットは『霧のサンフランシスコ』、ジュリー・ロンドンは『想い出のサンフランシスコ』として発売されていますが
『今週のベストテン』に登場したのはブレンダ・リーでした。
今月の他の新曲としてはリトル・ペギー・マーチの『さよなら初恋』、ジョニー・ソマーズの『素敵なメモリー』、
スール・スーリールの『ドミニク』、トロイ・ドナヒューの映画主題歌『恋のパームスプリングス』がランクインです。
『素敵なメモリー』は日本語盤もリリースされていました。

↓はブレンダ・リーの『サンフランシスコの思い出』 YOUTUBEより



ベストテン入りはしませんでしたが、トリニ・ロペスの『天使のハンマー』、ピーター、ポール&マリーの
『風に吹かれて』などもこの頃のヒット曲でした。
『天使のハンマー』は後日にピーター、ポール&マリーもレコードをリリースしています。
『風に吹かれて』はボブ・デュランが日の目を見た初めての作品ですが、当時においてはポップスファンには
彼の存在すら認知されていませんでした。また『風に吹かれて』はあのマリー・ラフォレも吹き込んでいます。

↓はピーター、ポール&マリーの『風に吹かれて』 YOUTUBEより




60年代ポップス変遷史 1963年11月

2015-06-06 02:40:18 | 60年代ポップス変遷史

1963年11月にはこんな曲が流行していました。

ワン・ボーイ ジョニー・ソマーズ
北京の55日 ブラザーズ・フォー
エデンの東 ヴィクター・ヤング楽団
バイ・バイ・バーディ アン・マーグレット
愛しのラナ ヴェルヴェッツ
悲しき悪魔 エルヴィス・プレスリー
ビーマイ・ベイビー ロネッツ
ブルー・ベルベット ボビー・ヴィントン
女王蜂のテーマ サウンドトラック
大脱走マーチ ミッチ・ミラー楽団
プリンセス・プリンセス ジョニー・ティロットソン
悲しきカンガルー パット・ブーン
ボサノバ・ベビー エルヴィス・プレスリー


『大脱走マーチ』が一気に転落してジョニー・ソマーズの『ワン・ボーイ』がベスト・ワンです。
そして今月も四曲が新曲として登場しています。
ロネッツが『ビーマイ・ベイビー』で日本初登場です。ロネッツはベロニカ( ロニー )とエステラのベネット姉妹に
従姉妹のネドラ・タリーの黒人女性3人組で1958年に結成、この曲でようやく日の目を見ることとなりました。
ボビー・ビントンは1962年に『涙の紅ばら』でミニヒットしたあと鳴かず飛ばずでしたがこの『ブルー・ベルベット』
も大ヒットには至らず、彼の名を轟かせるのは1964年秋にリリースされる『ミスター・ロンリー』になります。
またジョニー・ティロットソンの『プリンセス・プリンセス』、プレスリーの『ボサノバ・ベビー』もベストテン入りです。
『ボサノバ・ベビー』は1964年3月公開の映画『アカプルコの海』の挿入歌ですが、主題歌(翌1月リリース)に
先だって10月のリリースだったため先行ヒットとなったものです。

↓はロネッツの『ビーマイ・ベイビー』 YOUTUBEより

(この曲、発売当初は『あたしのベイビー』だったように記憶していますが…)

ベストテン入りはしませんでしたが、モダン・プレイボーイズの『暗い港のブルース』、ゴダール映画の主題歌
でロジェ・フランス楽団による『女と男のいる舗道』などもこの頃のヒット曲でした。
このモダン・プレイボーイズですが、実は洋楽ではなく日本人によるスタジオ録音でした。トランペットを演奏
している早川博二の作曲によるものらしいですので百%メイド・イン・ジャパンでしたがラジオ番組などでは
洋楽として取り上げられていました。『暗い港のブルース』は他にもアーニー・イングランド楽団のレコードも
リリースされていますがこちらも得体のしれない謎の楽団でした。

↓はモダン・プレイボーイズの『暗い港のブルース』 YOUTUBEより



60年代ポップス変遷史 1963年10月

2015-05-30 02:25:34 | 60年代ポップス変遷史

1963年10月にはこんな曲が流行していました。

大脱走マーチ ミッチ・ミラー楽団
ワン・ボーイ ジョニー・ソマーズ
悲しき悪魔 エルヴィス・プレスリー
悲しきカンガルー パット・ブーン
禁じられた恋の島 エリオ・ブルーノ楽団
太陽は傷だらけ サウンドトラック
北京の55日 ブラザーズ・フォー
女王蜂のテーマ サウンドトラック
けんかでデート ポールとポーラ
エデンの東 ヴィクター・ヤング楽団
バイ・バイ・バーディ アン・マーグレット
ラッキー・リップス クリフ・リチャード
愛しのラナ ヴェルヴェッツ


映画『大脱走』のテーマがベストワンを独走中で、これにジョニー・ソマーズの『ワン・ボーイ』が肉迫する
展開となりました。
この月も新作の映画音楽が二曲が登場しました。『北京の55日』は作曲者のディミトリー・ティオムキンの
サントラ盤よりもブラザーズ・フォーで大ヒット、アン・マーグレットの『バイ・バイ・バーディ』も方もサントラ盤
よりもスタジオ録音盤でヒットしました。
『エデンの東』は映画のリヴァイヴァル上映による再ヒットです。
ポップスの新曲としてはヴェルヴェッツの『愛しのラナ』が初登場して一気に上位を狙います。
このヴェルヴェッツですが、高校教師のバージル・ジョンソンと彼の生徒四人による異色黒人グループで、
ロイ・オービソンが書き下ろしたドゥーワップ(doo-wop)曲『愛しのラナ』によって日本のポピュラー界を席巻しました。
この曲、アメリカでは全くヒットしていなかったようです。

↓はスタジオ録音盤のアン・マーグレットの『バイ・バイ・バーディ』 YOUTUBEより

サントラ盤では『バイ・バイ・バーヒー』ですが、スタジオ録音盤ではハッキリ『バイ・バイ・バーディ』と唄っています。
ついでにサントラ盤『バイ・バイ・バーヒー』もリンクをつけておきます。


ベストテン入りはしませんでしたが、リトル・ペギー・マーチの『プリンセスではないけれど』、また、ラジオ関西の
『電話リクエスト』で毎週のようにかかっていたスリム・ホイットマンやエディー・アーノルドの『モリーダーリン』
などもこの頃のヒット曲でした。
『モリーダーリン』はウィリアム・シェイクスピア・ヘイズが1872年に作詞作曲した恋歌なのですが、日本では
文部省唱歌「冬の星座」として有名ですね。

↓はスリム・ホイットマンの『モリーダーリン』 YOUTUBEより