恋人たちの食卓 飲食男女

アン・リー監督の「恋人たちの食卓」。
美人三姉妹と男やもめが暮らす旧家、巣立つ娘たちを見送る父の哀しい物語と思いきや
２アウト絶体絶命からの、逆転さよならホームラン的父さん万歳映画であった。#台湾巨匠傑作選2018

人間すべからく、食べること・飲むこと・男と女である。

普遍テーマを底辺に、導入部分の圧倒的な海鮮・家畜の調理シーンから引きづりこまれる。日曜晩餐ごとに集まる三姉妹の個性はさまざま。純愛派カトリック信者の婚期遅れ長女がじつは見栄っ張りだったり、仕事も男も上昇志向の計算髙い次女がじつは父の舌を受け継いでいたり（台湾公開時のポスターが一番好き）、おぼこい20歳の三女がじつは略奪愛だったり。そのうえ、父の腕なら娘結婚式の祝宴料理もお手の物だろうに、誰も式をあげることなく巣立っていく。何とも皮肉な成り行きだが、人生は得てしてそんなものなんだろう。

恋人たちの食卓、原題：Eat Drink Man Woman 飲食男女
　台湾、1994年、125分
　監督：アン・リー　李安
　朱（父）：ラン・シャン、家珍：ヤン・クイメイ、家倩：ウー・チェンリン、家寧：ワン・ユーウェン

余談1：次女とからむ李凱は若かりし、Wiston Chao 赵文瑄だった。　宗家の三姉妹で孫文役を、孫文－100年先を見た男でも孫文役だった。じつはもとパイロット経歴の持ち主、航空知識は役にふさわしかった。　

余談2：アン・リ―監督のラスト・コ―ション 色、戒（2007年) は上海租界はペナン島の旧建築物がロケ地だった。来月ペナン訪れるときは、トニー・レオンとタン・ウェイの淫靡な世界をじっくりと浸ったりして。。

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