今生今世~KENNYasia

ミニシアター系映画、お店周りの雑感、アジア旅雑記など

2021年総ざらえ・映画編

2021-12-28 11:00:23 | 大阪好不好?/どない?

・ヒッチャー 1986年・アメリカ 4            

・春江水暖 2019年・中国 4.5 

・私は確信する 2018年・フランス

プラットホーム 2019年・スペイン  4.5
 見ている最中も怖かったが、観た後もぞくりとさせられた。
「食べること」×「生きること」を深く考えされられた。

人生は二度とない  
 2011年・インド  精いっぱい生きる、いまを。旅モノやっぱ好きだな!

・スパイの妻 2020年・日本 3.5

・巡礼の約束 2018年・チベット 3.5

・世界で一番しあわせな食堂 2019年・フィンランド/イギリス/中国 

・ノマドランド 2020年・アメリカ 
 圧倒的!大地に星空に共演賞をおくりたい。素晴らしかった!

・花束みたいな恋をした 2021年・日本 
 坂元脚本やもん~いうことなしの佳作

一秒先の彼女 2019年・台湾  
 「祝宴!シェフ」「健忘村」の監督だったのね。
  どうりで展開が面白いはず。けらけら笑ってホロリと涙

・グンダーマン・優しき裏切り者の歌 2018年・ドイツ 
 思ったよりも... 途中失神し、妻が同一人物か他人かわからんように?!

・唐人街探偵3 2020年・中国/日本  3
 展開が読めてしまうのがちょい難点。浅野さんをもっと生かしてあげて

・少年の君 2019年・中国/香港  
 
 周ドンユイちゃんは今もっとも大化け女優。
 ”君は世界を守れ、俺は君を守る”
 いじめの怖さもリアルで最後まで惹きつけられた。

アメリカン・ユートピア 2021年・アメリカ 
 最上級の、超おすすめ、としか言えない。コロナ禍に刺さる秀作。
 もう一回見るぞ 


・ワイルド・スピード7 2021年・アメリカ 

・インザハイツ 2020年・アメリカ   3.5

・ドライブ・マイ・カー 2021年・日本 
 原作のあの短編をよくぞここまで、良かった。

・シャン・チー 2021年・アメリカ 

・ムーンライト・シャドウ 2021年・日本  

・マスター 先生が来る!  2020年・インド  3.5

・イングリッシュ・ミディアム   2020年・インド 
 

ノー・タイム・トゥ・ダイ 2021年・イギリス 
 ダニエル・クレイグ007卒業 喪失感ハンパないわ😭  
 
・ナイト・オン・ザ・プラナット 1991年・アメリカ 
 ある一夜の夕暮れから朝まで。LA.NY.パリ.ローマ.ヘルシンキの
 五カ所それぞれのタクシーと客にまつわるショートストーリー。
 30年後のいまでも斬新、旬の役者×ゴタゴタ劇に、こころ踊った。
 
カダラムの征服者  2019年・インド  
 ヴィクラム 超絶オトコマエ。推し!! 

・囚人ディリ  2020年・インド 
 観終わった後うなってしまわせる程面白かった。お代わり希望。
 音楽もストーリーもアクション、そして役者も素晴らしい。

・酒徒  香港 
 60年代のアンニュイな雰囲気、衣装や美術、埃っぽいカメラワーク好き。

マトリックス リザレクションズ   2021年・アメリカ 
 あぁデジタル緑雨、前シリーズで携帯電話社会を予言し、
 今回はメタ社会を示唆するとは。もう一回劇場へ行く,きっと。

・シャウト・アウト  2020年・インド 


注)一般上映でないものも一部あります。インド映画祭/インディアン映画ウィークなど


2021年こんなもんでしょうか。1-2作品抜けてるかもしれんが、3月4月5月の三か月休んだ割に、まぁまぁなラインナップ。最近はインド映画が良作多く、特別上映をよく見た。来年はもうちょっと欧州モノをふやしたい、アジアもね




2020 my BEST

2020-12-30 08:08:13 | 大阪好不好?/どない?
波乱の2020年もようやく終わる。
 今年は映画館へ行けなかった期間が長く、インド映画や台湾映画特集にも行けず、観た本数が少ないが、”もう一度観たいか否か”を視点に選んだ5本。

5⃣ ハッピ―オールドイヤー
4⃣ ミッドサマー
3⃣ パラサイトー半地下の家族ー
2⃣ TENETテネット
1⃣ ロングデイズジャーニー
 次点・6位は WAVES

 そして、今年は家こもりの間、読書に費やした時間が長かった。#bookcoverchallenge に参加したせいもあり、本棚を整理し昔の本や古い本も読み返した。とくに、4段組文字サイズ極小の「百年の孤独」G・マルケスを読破できたのは、コロナ禍のおかげさまに間違いない。
 振り返ると、自分にとって生涯の愛読書は「星の王子さま」。「風と共に去りぬ」は映画が先だったか、小説が先だったか。京都の古書店で買った「鋼と羊の森」と「命短し歩けよ乙女」は抜群面白かったし、中国の近未来を描いた「三体」や英国の中学生の教育雑記「ぼくはイエロー...」も共感できた。「メレニアム」シリーズの続編や、村上春樹の長編には寝る間を惜しんで惹きこまれ、友人から借りた「恍惚の人」では、身につまされて涙ぐみながら、二度読んだ。

国境も言語や風習も一瞬で飛び越えられる、本の旅。本当の旅ができるまで待たなければいけないが、本好きの自分にとっては実り多い365日であった。
さて、ブログ引越しから一年、どうにか続けてこれた、ありがとう。

2021年、世界中のみなさんに、穏やかで健やかな年でありますように

ハッピーオールドイヤー

2020-12-26 14:09:48 | 電影Movie/音楽Music/芸術Art
「あなたの忘れたくない思い出は何ですか?」年末にこの一本
決断。選別。実行。思い出なんてただのゴミ⁈ 捨てる、残す?過去の私と現在の私に問いかける。
#ハッピーオールドイヤー 

 ルール通りに進まない心の断捨離をとおし、主人公は最後の最後に、最善の選択をする、未来のために。描かれるのは恋人との宝物、友情の証、親子の絆...。誰にでも深く心の奥に秘めて触れられたくないものがある。本編ではジーンは感情を出さずに静かに粛々と断捨離を進めていく。元カレと新カノ間の別れもあっさりと、たぶん心中粉々傷だらけなんだろうが、怒りも大泣きもなく、なんでもなく描かれる。
そして、独り静かにニューイヤーイブを迎え、観る側の私たちに問いかけるのだ。

あなたの断ち切れないものは何ですか? 

 
ハッピーオールドイヤー タイ・日本 2019年
監督:ナワポン・タムロンラタナリット
出演:
チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、サニー・スワンメーターノン

知人が大阪アジアン映画祭で二度観た、というのもうなづける。静かな作風なのに、じわりじわりナワポン魔法にはまっていく。ジーン役のチュティモン嬢が「バッドジーニアス」よりぐっと成長し、今後が楽しみだ。今年の見納めにふさわしい、観るべし!

来る年がきっとみんなにHappyな一年でありますように。


斧は忘れても、木は覚えている。

2020-12-20 00:00:22 | 電影Movie/音楽Music/芸術Art
  50歳を超えたマレーシア人なら誰もが知っている、しかし誰もが口を閉ざして話さない、1969年5月13日のことを。

「噂を広めてはならない」
と英語・マレー語・華語・タミール語の四言語のスタンプが押された手紙が静かに映し出される。

 10月、みんぱく上映会ではマレーシアの先住民「オラン・アスリ」周辺の森林伐採や自然破壊、マレー化政策の行き詰まりを描いた映画と思って観はじめた。ところが、本編途中に前述の手紙がもう一度映し出されると、513事件の目撃者や投獄された者、焼き討ちの被害者など様々な証言で当時をあぶりだしていくのだった。顔を出せず音声も変えられての証言もあれば、マレー系でありながらリベラルな証言もあり、「人種」を超えての国家の在り方を考察させる痛々しい真実の物語であった。
 
 12月、シネヌーヴォの特別上映では上映後にラウ監督はじめ、信田氏、盛田氏のトークがあった。
 
 ラウ監督の話で印象に残ったのは after1969…, sensitive topic…, not discuss things, getting better Malaysia. 
 物語はEnglish(世界共通語)ではじまり、中国語やマレー語が混じり、最後にオラン・アスリ語(少数民族の方言)の民話で終わる。大きな潮流の中消えかけていく小さな世界を表したという。事件当夜から静かにたたずむ樹木は、いまや都会雑踏の中で忘れ去られた証言者として当時と変わらず生い茂る。その樹木に巣くう鳥達のさえずりが耳に残る。そのサウンドはオラン・アスリ達や513事件の犠牲者の魂が集まっているように聴こえるのだ、と語ってくださった。
マレーシアの黒歴史、語り続けることの大切さ 私達はいつまでも忘れてはならない。
The Tree Remembers / 还有一些树
2019年 製作・台湾 撮影・マレーシア 89分
監督:ラウ・ケクフアット  Lau Kek Huat

2020年12月





バクラウ 地図から消された村

2020-12-18 12:00:35 | 電影Movie/音楽Music/芸術Art
 凄い映画だった。
 まるでサバイバルゲーム⁈ 狩りがはじまったのだ。

 冒頭、田舎道を土ほこりあげてタンクローリーでやってくるシーンから、何か変だ、何か秘密がある、何かおかしいと思わせる。ひと癖ある個性的な村人たちの食欲も性欲もいっしょくたの大らかな暮らしに、暗い影が少しずつ近づいてくる。

戦士たちの層が凄い。
知性派、肉体美、殺人狂、冷血漢、心病み男、ガンマニア…

村人たちが凄い。
独立独歩の村を守る結束が半端ない。

ソニア・ブラガが凄い。
「蜘蛛女のキス」の妖艶な女優さんのイメージから老獪な女勇者に。

カンヌ映画祭で「パラサイト 半地下の家族」大絶賛のとき、審査員賞は「バクラウ 地図から消された村」受賞。ベルリン映画祭・金熊賞の「スパイの妻」と迷ったが、ウチ的には本作を選んで大正解。怖くて面白くて傑作だった。

BAKURAU  #バクラウ
バクラウ 地図から消された村  
 ブラジル 2019年 131分
監督・脚本:Kleber Mendonça Filho ・ Juliano Dornelles 
クレベール・メンドンサ・フィリオ、ジュリアノ・ドネルス
2020年12月