遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

トイレ美術館23 『刺繍 温公甕割り図』

2023年12月20日 | 絵画

今回も、絵画ではなく布です。

袱紗『温公甕割り図』52.8㎝x56.5㎝、刺繍布。大正時代。

濃紺の絹地に、刺繍が施されています。

これは、有名な中国の故事「温公甕割りの図」ですね。

北宋の政治家・学者、温公(司馬光)は、子供の頃、遊んでいるうちにあやまって大きな水甕に落ちた友達を救うため、石を投げて甕を割りました。とっさに気転をきかして友を助けた冷静な判断と生命の尊さを説くために、古くから多く描かれてきた画題です。

温公。

大甕。

救われた友(水が流れている)。

拡大してみると、針の運びがわかります。

 

人物もすべて刺繍です。

顔は撚りの多い糸をぎっしり詰めて、ふっくらとした質感を出しています。鼻や耳はその上にもう一度糸を重ねて立体感を出しています。

なるほど、眼はこのように糸を配置するのですね。

指先の爪なども黒糸で表現。

実はこの品、亡くなった母の持ち物を整理している時に見つけました。母の箪笥の奥にひっそりとありました。袱紗の反対側はかなりボロボロです。おそらく少女の頃に作ったのでしょう。明治晩年生れですから、大正時代頃の作だと思います。もう100年ほど経っています。我々子供にとって初めて目にする物で、なぜ、ずっとしまっていたのか、今は知る由もありません。

 

 

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戯れ唄3『安部派ブルース』

2023年12月18日 | 故玩館日記

戯れ唄3 『安部派ブルース』

      詞:添田遅生坊 

      ゆうちゅうぶをONして、どうぞ。

 

戯れ唄1『マイナンブルース』

戯れ唄2『安屁¨はカネカネブギ』

 

 

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トイレ美術館22 『ゴブラン織 午後の水辺(仮題)』

2023年12月17日 | 絵画

今回は、絵画ではなく、織物です。

ゴブラン織『水辺の午後(仮題)』40.6㎝x59.3㎝。フランス。1940年代初。

ゴブラン織は、フランス、ゴブラン家の工場で作られた織物です。15世紀から始まり、タペストリーが中心です。

今回の品は、私の家にあった物です。

ヨーロッパ貴族の日常が表現されています。

織物なのですが、かなり細かな表現がなされています。

特に、色の濃淡によって、風景の遠近がうまく表現されています。

織組織を拡大してみました。

男性の頬(少し影のある部分):

男性の肩(左の黒い筋):

黒糸が巧みに使われています。黒糸が表に多く出ている部分は濃く、まばらな所は薄くなります。バックの木々や屋根にもこの技法が使われています。また、黑糸は色糸と組み合わさって、色の濃淡をも表現しています。

実はこのタペストリーは、故玩館の玄関を入った土間の上正面に、ず~――~っと掛かっていました。私が物心ついた時には、もうそこにありました。薄暗い古民家にこんな物が掛かっているのは、子供心にも不思議でした。聞けば、満州にわたった知人からのもらい物だとのこと。戦前の品ですから、80年以上経っているのですね。色が褪せているはずです(^^;

ビンテージを通り越して、アンティーク・ゴブラン織の範疇に入りそうです。なかなか入手は困難。

時々はこうやってトイレ美術館に飾ってやることにします(^.^)

ps. この品の絵、どこかで見た事があるような無いような(^^;   タイトルを仮に『水辺の午後』としました。ブログ読者諸氏、これはと思われるタイトルがありましたら、どしどしお寄せください。

 

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トイレ美術館21 日下田博『藍染絵 初秋』

2023年12月15日 | 絵画

藍染作家、日下田博の藍染絵です。

日下田博『藍染絵 初秋』33.5㎝x35.7㎝、綿布。昭和。

藍を基調にして、秋の山野が表されています。

一般には、型絵染と言われている技法です。

型絵染は芹沢銈介が有名です。

二人の作風はよく似ていますが、それぞれの特徴は異なっています。

芹沢銈介の場合、沖縄の紅型から強い影響を受けて、デザイン性にすぐれた様々な作品を生み出しました。色使いは派手でにぎやかです。

一方、日下田博の場合は、日本的な情景を、主に藍色を駆使して表しています。

日下田博は、江戸時代から続く紺屋の家に生まれ、藍染で創作品の開発をめざして、益子の濱田庄司と交流し、民芸運動に参加しました。

芹沢銈介作品との共通点が多いのもうなづけますね。

 

 

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戯れ唄2 『安屁¨はカネカネブギ』

2023年12月13日 | 故玩館日記

戯れ唄2 『安屁¨はカネカネブギ』

      詞:添田遅生坊 

      ゆうちゅうぶをONして、どうぞ。

 

戯れ唄1『マイナン・ブルース』もどうぞ。

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